学校化学
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学校化学(がっこうかがく)とは、主に高等学校で検定教科書およびその指導書のみに使われ、化学のトレンドから離れた化学教育法。
概要[編集]
学校物理と違い、主に大学教員の方から批判される。
特に電気化学者の渡辺正は、電気分解をはじめとした高校化学教科書の誤記を数々指摘し、こうした誤記で大学入試後の学習のリセットが必要となる無駄が生じていると指摘している。
弊害[編集]
高校の化学は、普通科生のほぼ全員が履修する「化学基礎」を中心に化学式、原子の電子配置、酸・塩基・中和、酸化還元と式や現象の丸暗記を中心とし、生徒側は殆ど違和感を抱かない。
しかし、世界の高校生を相手にする科学オリンピックでは、日本では大学の共通基礎教育相当の、標準電極電位、ラジカル反応、化学熱容量、エントロピー[注 1]やゆとり教育で高校化学の内容から削除されたフントの法則に関する問題が出題されており、現状の高校化学が大学の化学と断絶の状態であるどころか、世界の最新からも取り残されていると、前述の渡辺は指摘している。
事実、「丸暗記」型の高校化学に慣れきって、日本では高校物理で習う熱力学やエネルギーの関わりの科目が多い大学の化学系学科でギャップを感じる学生が少なくない。
参考文献[編集]
- ライナス ポーリング/関集三、千原秀昭『一般化学』