北条五代記

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北条五代記(ほうじょうごだいき)とは、戦国大名後北条氏の実録を後世に纏めた歴史書・軍記物語である。全10巻。別称は『絵本北条五代記』(えほんほうじょうごだいき)。

概要[編集]

初代・北条早雲、2代・北条氏綱、3代・北条氏康、4代・北条氏政、5代・北条氏直の実録を纏めている。著者は後北条氏の旧臣・三浦浄心(茂正)といわれるが異説も存在する。江戸時代初期には10冊本が成立していたといわれる。恐らく『慶長見聞集』などを参考に書いたと見られており、そのためか内容には誤記も目立つ。また、後北条家の実録でありながら甲斐国武田氏に関する記録も少なくない。

内容については編年的に整理されていない珍しいもので、その名のある通り、後北条家歴代の主な合戦についてほとんどを記録しているほか、治世や家臣についての逸話、当時の習俗なども記録している。ただ、著者が後北条家の旧臣なのでバイアスが後北条家にかかっているのは言うまでも無く、後北条家の歴代の大半を褒めたたえ、特に治世に関する賞賛が目立つ。

ただ、余りに後北条側にバイアスを置きすぎたため、敗者側、すなわち後北条家と争った里見氏にバイアスを置いている『里見軍記』から、わざわざ「五代記は誤りが多くて嘆く」「里見氏に不利に記録されている」などと書いた上で「真実を示して里見氏の高徳を残す」などと批判されているほどである。