分岐器

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分岐器 (ぶんきき)とは、一つの線路を二つ以上に分ける分岐にある軌道上の装置である。

名称[編集]

イギリスではポイントといい、転換部分をスイッチという。アメリカ合衆国では分岐器そのものをスイッチという。ただし、トングレールはイギリス英語でもスイッチという。

概要[編集]

鉄道車両車輪にはフランジがあり、これが干渉しないように分岐器のクロッシング部に切り欠けがある。また、この切り欠けから脱線しないようにガードレールが設けられる。主に停車場に設けられる。

構成[編集]

トングレール、ガードレールクロッシングで構成されている。分岐器の枕木弾性を求められるためにコンクリート枕木は使われず、長期間木枕木が使われていたが、耐久性の観点から合成樹脂製枕木が使われるようになった。

トングレール[編集]

転換して車両の行き先を決める装置である。トングレールの転換方法は人力、圧搾空気、電動機がある。スプリングポイントの場合は必要ない。片開き、両開き、振り分け (外方、内方)、片渡り、両渡り、三枝分岐、シングルスリップスイッチ、ダブルスリップスイッチなどの種類がある。

ガードレール[編集]

車輪の異線侵入を防止させる。前後には車輪がぶつからないように角度を付けている。

クロッシング[編集]

線路が分かれる部分である。クロッシングの角度から計算する番数で表され、cotで求められ、以下の式で表される。ただし、クロッシング角は「」、x=h、y=bとする。

この値が大きいほど角度が小さくなり、列車の横方向の動揺が小さくなる。

通過制限速度[編集]

分岐器は、分岐側にカントクロソイドがないこと、欠損部があるために構造上の弱点となり、鉄道事業者は分岐器の通過制限速度を設けている。ただし、新幹線はクロッシングに特殊な構造を設けて通過制限速度を高めている。

スプリングポイント[編集]

転換の必要のない分岐器である。トングレールはばねの力で開通側に押しつけられ、非開通側から入ってきた車両は車輪でトングレールを押し分けて侵入し、トングレールはばねの力で元に戻る。ばねの弾性の観点から侵入する車両は速度制限を受ける。また、列車本数の多いところで採用されない。

関連項目[編集]

参考文献[編集]