全車一般車特急
全車一般車特急(ぜんしゃいっぱんしゃとっきゅう)は、座席指定車両を全く併結しない特急のこと。主に名古屋鉄道のものを指すことが多い。
概要[編集]
2023年4月現在、河和線にて平日日中、名古屋本線(438レ)や空港・常滑線で深夜(441レ)、西尾特急は、平日朝の吉良吉田発の1本(285レ)が設定されている。
河和線の全車一般車特急は、乗客の減少により設定されたもので、当初は5300系や5700系といったSR車で運行されていたが、これらの置き換えの進行により6000系や6500系といった6R車が中心となった。3R車は当初、深夜の名古屋本線等での2列車にのみ使用されていたが、2015年6月20日より従来1往復設定されていた1800・1850系重連での運用に変わって定期運用に入るようになった。2023年3月18日からは知多新線設定分を振り替えて河和発着が増発されたほか、5000系での定期運用も開始された。これらの全車一般車特急は名鉄名古屋駅以北には乗り入れない。
西尾特急は、平日の運用合理化による一部指定席特急からの立替設定と思われる[注 1]。西尾特急は須ヶ口駅まで運行される。
なお、全車一般車の快速特急はダイヤが大幅に乱れない限り設定されない。
歴史[編集]
1990年の高速と特急 (全車指定席)の統合で名古屋本線に設定[注 2]。当初は旧高速のスジで主に通勤時に設定されたが、徐々に一部特別車特急や快速急行に統合され、一時消滅。中部国際空港開港の頃から、再び深夜帯にのみ設定されていた。
2023年3月17日までは、平日日中に知多新線にも全車一般席特急が設定されていた。
今後[編集]
2030 - 35年頃になると1000系が置き換え時期に迫るが、ここで特別車連結の特急用車両を製造せず、9500系などの一般車で代替し、通勤時はミュースカイ後継車で補うという選択肢も出てくる。
日中の特別車の需要の低い名古屋本線の名岐間や犬山線系統の特急・快速特急がその際に全車一般車化もしくは快速急行化され、一部特別車特急の運行線区が縮小されるかどうかなど、気になる点はまだ多い。
その他[編集]
南海本線にも同類の列車として座席指定席を連結しない「自由席特急」が設定されていたが、全て一部指定席特急「サザン」になって消滅した。
なお、名鉄で「自由席」の名称でないのは、高山本線乗り入れの特急「北アルプス」に自由席が設定されていたためである。