中川八洋
中川 八洋(なかがわ やつひろ、1945年1月20日 - )は、政治学者[1]。筑波大学名誉教授。専門は国際政治学および政治哲学・憲法思想・現代思想[2]。
経歴[編集]
福岡県生まれ[1]。福岡県立修猷館高等学校卒業[3]。1967年[1]東京大学工学部航空学科宇宙工学コース卒[2]。東大工学部大学院卒。1970年科学技術庁に入庁。宇宙開発、海洋開発、原子力関係を担当。1974年から1976年までスタンフォード大学政治学科に留学[4]。スタンフォード大学政治学科大学院修了[2]。原子力局核燃料課課長補佐を最後に退職[4]。1980年筑波大学歴史・人類学系助教授[1][2]、1987年教授、2008年定年退官[2]。
人物[編集]
タカ派の論客として知られる。『原発ゼロで日本は滅ぶ』(高田純共編、オークラ出版、2012年)の著者紹介によると、「カーター大統領の核不拡散政策に抗して、ウラン濃縮工場とプルトニウム再処理工場建設の日本国の権利を逆転的に米国政府に容認させたINFCE国際会議(ウィーン、1978~1980年)の日本政府首席代表」だった。『ゴルバチョフの嘘』(ネスコ、1987年)の著者紹介によると、「1979年末のソ連軍のアフガニスタン侵攻をみて国際政治学に転向を決意」した。
「日本を守る国民会議」発起人、講師団[5]。日米安保の改定を求める百人委員会(安保百人委員会)賛同者[6]。「建国記念の日を祝う会」運営委員。日本自由主義会議理事[7]。教科書正常化国民会議理事[8]。世界平和教授アカデミー会員[9]。世界平和教授アカデミー学祭会議(IRC)参加者[10]。
『皇統断絶』(ビジネス社、2005年)の著者紹介によると、「専門は、エドマンド・バークを主に英米系保守主義の政治哲学・憲法思想。フェミニズム、フランクフルト学派、ポスト・モダンなど、現代思想にも取り組む」。『小林よしのり『新天皇論』の禍毒』(オークラ出版、2011年)の著者紹介によると、「戦後日本ではただ一人の、「皇位継承学」の研究者」である。『皇統断絶』(ビジネス社)、『女性天皇は皇室廃絶』(徳間書店、2006年)、『悠仁天皇と皇室典範』(清流出版、2007年)は「皇位継承学三部作」であるとされる[2]。清流出版社長・編集長の加登屋陽一によると、中川は著作集もしくは全集の出版を構想しており、「哲学・現代思想・憲法思想のジャンル(第1巻-第4巻)、国際政治学のジャンル(第5巻-第8巻)、比較政治学のジャンル(第9巻-第10巻)の3部構成になっている」とされ、『悠仁天皇と皇室典範』は第2巻「皇位継承学」、『福田和也と《魔の思想》』(清流出版、2005年)は第4巻「現代思想」の範疇に入る予定になっているとされる[11]。
著書[編集]
単著[編集]
- 『日本政治文化論――欧米デモクラシーへの挑戦』(原書房、1977年)
- 改題『欧米デモクラシーへの挑戦――日本政治文化論』(原書房、1980年)
- 『超先進国日本――日本政治の診断書』(講談社、1980年)
- 『超先進国のアキレス腱――日本防衛の時代』(講談社、1981年)
- 『超福祉王国日本』(太陽企画出版[Sun business――日本の進路シリーズ]、1982年)
- 『ソ連は日本を核攻撃する――対ソ防衛日本の戦略』(日本工業新聞社[Ohtemachi books]、1982年)
- 『教科書虚報問題の本質を衝く――教育会議講演』(述、日本教育研究連合会、1983年)
- 『新・日本国憲法草案』(山手書房、1984年)
- 『現代核戦略論――核時代の平和学』(原書房、1985年)
- 『核軍縮と平和』(中央公論社[中公新書]、1986年)
- 『ゴルバチョフの嘘――ソ連は野望を捨てていない!』(ネスコ、1987年)
- 『ゴルバチョフの日本謀略――ソ連外交とマルクス・レーニン主義』(日本教文社、1988年)
- 『大侵略――2010年、ソ連はユーラシアを制覇する』(ネスコ、1990年)
- 『ソ連が悪い――日本人が忘れないこれだけの事実』(ネスコ、1991年)
- 『新・日本国憲法草案――“国家”日本の新生』(山手書房新社、1991年)
- 『蘇えるロシア帝国――戦争の21世紀』(学習研究社、1992年)
- 『近衛文麿とルーズヴェルト――大東亜戦争の真実』(PHP研究所、1995年)
- 改題『大東亜戦争と「開戦責任」――近衛文麿と山本五十六』(弓立社、2000年)
- 改題『近衛文麿の戦争責任――大東亜戦争のたった一つの真実』(PHP研究所、2010年)
- 『正統の哲学 異端の思想――「人権」「平等」「民主」の禍毒』(徳間書店、1996年)
- 『国が亡びる――教育・家族・国家の自壊』(徳間書店、1997年)
- 『中国の核戦争計画――ミサイル防御(TMD)、核武装、日本・台湾同盟、の提唱』(徳間書店、1999年)
- 『正統の憲法 バークの哲学』(中央公論新社[中公叢書]、2002年)
- 『歴史を偽造する韓国――韓国併合と搾取された日本』(徳間書店、2002年)
- 『これがジェンダー・フリーの正体だ――日本解体の「革命」が始まっている』(日本政策研究センター、2003年)
- 『保守主義の哲学――知の巨星たちは何を語ったか』(PHP研究所、2004年)
- 『国民の憲法改正――祖先の叡智日本の魂』(ビジネス社、2004年)
- 『日本核武装の選択』(徳間書店、2004年)
- 『與謝野晶子に学ぶ――幸福になる女性とジェンダーの拒絶』(グラフ社、2005年)
- 『皇統断絶――女性天皇は、皇室の終焉』(ビジネス社、2005年)
- 『福田和也と《魔の思想》――日本呪詛のテロル文藝』(清流出版、2005年)
- 『女性天皇は皇室廃絶――男系男子天皇を、奉戴せよ』(徳間書店、2006年)
- 『悠仁天皇と皇室典範』(清流出版、2007年)
- 『亡国の「東アジア共同体」――中国のアジア覇権を許してよいのか』(北星堂書店、2007年)
- 『連合艦隊司令長官 山本五十六の大罪――亡国の帝国海軍と太平洋戦争の真像』(弓立社、2008年)
- 『地政学の論理――拡大するハートランドと日本の戦略』(徳間書店、2009年)
- 『民主党大不況――ハイパー・インフレと大増税の到来』(真正保守主義の会、発売:清流出版、2010年)
- 『小林よしのり「新天皇論」の禍毒――"悪魔の女系論"は、どうつくられたのか』(オークラ出版、2011年)
- 『脱原発のウソと犯罪』(日新報道、2012年)
- 『TPP反対が国を滅ぼす――農水省・JA農協を解体せよ!』 (PHP研究所、2012年)
- 『尖閣防衛戦争論――緊急提言』(PHP研究所、2013年)
- 『徳仁《新天皇》陛下は、最後の天皇 悠仁親王殿下の践祚・即位は、国民の世襲義務』(ヒカルランド、2018年)
- 『天皇「退位」式は皇統断絶 徳仁《新天皇》陛下は、新王朝初代』(ヒカルランド、2019年)
- 『侵入異民族アイヌの本当の歴史――北海道「先住民族」は、日本人の祖先「縄文人」』(ヒカルランド、2022年)
- 『神武天皇実在論――ご生誕“糸島市”、東征ご出陣“唐津湾”』(ヒカルランド、2023年)
共著[編集]
- 『猪木正道の大敗北――ソ連を愛し続けた前防大校長の“言論抑圧裁判”の真相』(奥原唯弘、桶谷繁雄、太山壌、土田隆、松原正、大久保典夫共著、日新報道、1983年)
- 『対論・政治改革の非常識、常識』(俵孝太郎共著、学研研究社、1993年)
- 『「名著」の解読学――興国の書 亡国の書』(谷沢永一共著、徳間書店、1998年)
- 『教育を救う保守の哲学――教育思想の禍毒から日本を守れ』(渡部昇一共著、徳間書店、2003年)
- 『皇室消滅』(渡部昇一共著、ビジネス社、2006年)
編著[編集]
- 『ゴルバチョフ破綻――ソ連ウオッチャー6人の日本への警告』(編、にっかん書房、1990年)
- 『原発ゼロで日本は滅ぶ――“非科学"福島セシウム避難の国家犯罪』(高田純共編、オークラ出版、2012年)
訳書[編集]
- Joseph D.Douglass、Jr.and Amoretta M.Hoeber[著]、上橋偉津巳訳『ソ連核戦争戦略――世界征覇の道』(監訳、山手書房、1984年)
Amazon Kindle[編集]
- 『原発ゼロで日本は滅ぶ――“非科学”福島セシウム避難の国家犯罪』(高田純共編、オークラ出版、2012年)
- 『昭和天皇と靖国神社――東京裁判は、日本の国益を毀損したか』(2015年)
- 『天皇「退位」式は、〝廃帝〟と宣告する人民法廷――〝譲位〟禁止の「四・三〇」は、憲法違反!』(2019年)
- 『侵入異民族アイヌの本当の歴史』(ヒカルランド、2022年)
- 『〝核廃絶〟は、〝日本民族〟絶滅――中ロ朝の〝邪悪な原水爆〟を抑止する米国の〝善の核兵器〟』(2023年)
- 『中東に輝く〝平和の守護神〟イスラエル――〝他国簒奪のテロ麻薬〟反転・植民地主義』(2024年)
- 『女性皇族「囚人」〝狂〟櫻井よし子論――皇統の安定は、〝旧・皇族の復籍〟と〝公家の復活〟』(日本保守主義協会、2024年)
分担執筆等[編集]
- 馬場正雄、正村公宏編『日本の産業 5 産業社会と日本人』(筑摩書房、1980年)
- 日本経営企画センター編『日本時代はいつまで続く』(パレルガ書房、1981年)
- 日本経営企画センター編『危機をはらむ日本』(パレルガ書房、1982年)
- 小堀桂一郎編集、福田信之監修『これが正しい小・中学校教科書だ――この問題をどう教えるか 日本人の日本人による日本人のための』(山手書房、1984年)
- 堺屋太一責任編集『日本を創った戦略集団 4 「峠」時代の創造と勤勉』(集英社、1988年)
- 堺屋太一責任編集『日本を創った戦略集団 5 維新の知識と情熱』(集英社、1988年)
- N.P.ヴィユネンコほか著、小野寺忠道訳『ソヴィエト海軍戦略――ゴルバチョフ「新思考」の世界戦略』(太陽企画出版[Eye opener series]、1989年)
- 岡田一男『ウェイ・オブ・ニューライフ――21世紀の夢を語る』(大和実業、1995年)
出典[編集]
- ↑ a b c d 平凡社教育産業センター編『現代人名情報事典』平凡社、1987年、704頁
- ↑ a b c d e f 中川八洋 清流出版
- ↑ 中川八洋『日本政治文化論――欧米デモクラシーへの挑戦』原書房、1977年
- ↑ a b 村上義雄編『天皇の教科書――『新編日本史』の狙い』晩聲社、1986年
- ↑ 青木慧『パソコン追跡勝共連合』汐文社、1985年、293頁
- ↑ 青木慧『パソコン追跡勝共連合』汐文社、1985年、295頁
- ↑ 青木慧『パソコン追跡勝共連合』汐文社、1985年、296-297頁
- ↑ 青木慧『パソコン追跡勝共連合』汐文社、1985年、300頁
- ↑ 青木慧『タカ派知識人――組織と人脈五〇〇人』汐文社、1983年、168頁
- ↑ 青木慧『改憲軍団――組織と人脈』汐文社、1983年、203頁
- ↑ 川鍋宏之さん、僕|加登屋のメモと写真 清流出版