ローマ字表記

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ローマ字表記(ろーまじひょうき、羅馬字表記、英:Romaji)は、日本語などラテン文字以外で書かれる言語をラテン文字に書き表すときの表記方法である。アルファベットで子音と母音を組み合わせて書き表すことである。

日本語[編集]

日本語をローマ字に変換したり、日本語をローマ字で表記したりすることを、かなローマ字変換と言う。日本でよく使われるローマ字表記の多くは、子音については英語の発音・フォニックスとよく似ているが、母音についてはフォニックスと大きくかけ離れているものも多く、まるで別物であり、むしろラテン語・イタリア語・スペイン語に近い。ローマ字の由来は、ローマ帝国において用いられていた文字が語源であり、本来はラテン語のための文字である。古代ローマで作られた文字。ローマ字表記の種類には、訓令式、ヘボン式、日本式がある。

この表記に基づいて行われるパソコンの文字入力がローマ字入力である。「ローマ字入力」は、言葉自体に「ローマ字」が含まれているが、「ローマ字」と「ローマ字入力」は、違うものである。「ローマ字」と「ローマ字入力」の違いは、前に述べた内容を見ればわかるとおり、「表記」と「キーボードでローマ字を使ってかな変換」であり、「ローマ字」と「かな」との変換が逆であり、ローマ字入力の仕方では、訓令式、ヘボン式、日本式、どの表記を使っても入力できる。

日本語の五十音をローマ字で書く場合、アルファベットの文字数は、「あ行」は1文字で書き表し、その他は2文字または3文字で書き表す。

駅の名前や道路の行き先などを示すのに、漢字とともに、ローマ字が使われている。それは、日本語の読めない外国人が、間誤付かないようにするためである。漢字の読み方は日本人と中国人で大きく異なる他、日本人でも何が正しい読み方か分からないことが多いので、日本人にとってもローマ字表記が助かることがある。

ローマ字表記の種類[編集]

伝統的には、訓令式とヘボン式があるが、歴史的にはそれ以外の方法も使われていた。

  1. 訓令式 :1937年の内閣訓令にて公的なローマ字として定められたもので、ISO 3602にて国際規格としても採用されている。幼稚園保育園)・小学校で学習するローマ字表記。小学校の国語の教科書で教えられている。
  2. 日本式 :「じ」「ず」と「ぢ」「づ」を区別しないもの。ISO 3602では「厳格な転字をする場合」として示されている。
  3. ヘボン式 :主に子音のみ、英語の発音・フォニックスを優先させた表記法である。英語的な読み方・書き方で、正式なローマ字綴りである。子音は英語的な、母音は普通、イタリア語・ラテン語的な読み方・書き方が多く、正式なローマ字綴りである。アメリカ人ヘップバーン(ヘボン)が考案した、外国人(主に英語ネイティブの人)が読んで発音しやすい方式。日本政府がパスポート、多くの国際交流の場、公的な身分証明書で使う表記法である。また、英語の教科書でも教えられている。中学校英語の授業で習うローマ字表記。ただし、ヘボン式ローマ字でも、英語における一般的な綴りと発音の関係(フォニックス)とは大きく異なる場合も多いので注意が必要。
  4. ポルトガル式ローマ字は、1603年『日葡辞書』で使われた表記法である。1604年~1608年に長崎で出版されたロドリゲス著『日本大文典』でも使われている。
  5. 99式ローマ字は、1999年に公益社団法人国際日本語学会日本ローマ字会が提案した表記法。「くうこう」→「kuukou」のように、長音をつづり通りに表記するのが特徴。
  6. JSLローマ字は、1987年にエレノア・ジョーデンが非ネイティブ向けに考案した表記法。99式に似ているが、「くうこう」→「kuukoo」となる点が異なる。また高低アクセントも表記でき、「日本」「二本」を「nihôn̄」「nîhon̄」として区別できる。
  7. ワープロ式 :非公式であり、訓令式・日本式・ヘボン式・99式その他を織り交ぜたもの。2000年にJIS X 4063として規格化されたが、これに準じた実装が皆無だったことから2010年に廃止されている。

韓国語[編集]

公式なローマ字表記の他に、英語のフォニックスに似せた表記がよく用いられる。例えば삼성(三星)や현대(現代)は、公式なローマ字表記ではSamseong、Hyeondaeであるが、慣例的にSamsung、Hyundaiとよく書かれ、公式社名などの形で定着している。後者の様に書くと、フォニックス流の発音では「セァムサ ン」、「ハイヤンデイ」となり、韓国語での読み方である「サムソン」「ヒョンデ」とそこそこ近く、全く一緒とは言えないが英語圏の人に発音しやすくなっている(ただし日本人にはサムスン、ヒュンダイと読まれてしまう)。

関連項目[編集]