メガマウス

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メガマウス
分類
動物界
脊索動物門
条鰭綱
ネズミザメ目
メガマウスザメ科
メガマウスザメ属
メガマウスザメ
名称
学名Megachasma pelagios
Taylor, Compagno & Struhsaker, 1983
和名メガマウスザメ
英名Megamouth Shark
保全状況

メガマウスとは、ネズミザメ目メガマウスザメ科のサメである。メガマウスザメ属及びメガマウスザメ科の中で唯一の現存種である。

形状[編集]

大きさは5m程で、舌も大きい。然し歯は凄く小さい。

生態[編集]

太平洋インド洋に分布する。日本台湾フィリピンなどでよく見つかる。

よく100例ほどしか確認されていない幻のサメとされるが、漁師が逃がしているだけで、もっと見つかっているとされる。

プランクトン食である。プランクトン食のサメはジンベエザメウバザメ、メガマウスの3種しかいない。

昼間は深海にいるが、夜間は20~30mの浅瀬にやってくる。

発見[編集]

メガマウスが初めて見つかったのは1976年11月15日で、ハワイオアフ島の調査船の網にかかっていた。

メガマウスはゾウほどの大きさであったため、シーラカンスの現存種の発見とともに「20世紀最大の魚類学的発見」と言われた。

日本での発見事例[編集]

※不完全

駿河湾 / 1989年
全世界で4例目。日本では1例目。
性別は不明。体長は490cm。
静岡県 / 1989年
恐らくメス。4.9 m。
網に上がったのが発見され、そのまま逃がされた。
博多湾 / 1994年11月29日
全長471cm、体重790kg。始めて発見されたメスの個体である[1]
三重県 / 1997年4月30日
メス。全長5.44m、体重1,040kg
三重県阿多和町 / 1998年4月23日
体長は549cm。メス。廃棄された。
静岡県御前崎市 / 2003年8月7日
全長4255mm、体重460kg。オス。日本6例目の個体。
静岡県御前崎沖で捕獲された[2]
この個体は剥製になり、東海大学で保管されている。
東京湾 / 2004年4月19日
メス。全長5.63m、体重1,215kg。
静岡県網代沖 / 2004年4月23日
メス。体長は490 cm。
三重県錦町紀勢町 / 2005年1月23日
三重県3例目の個体。第一長久丸で捕獲された。
体長は528cmのメス。この個体は剥製にされ、鳥羽水族館で展示されている[3]
相模湾 / 2006年5月2日
神奈川県湯河原町福浦沖1kgに仕掛けられた定置網にかかっていた。
全長は5,688mm、体重は1,105.3kg。性別はメス。京急油壺マリンパークにてこの個体の標本が展示。
体には交尾後やダルマザメに噛み付かれた後があった[4]
相模湾 / 2007年6月7日
体長は540cmのメス。
飼育が検討されたが、輸送方法や飼育環境を整えられないため、リリースされた[5]
茨城県 /2007年7月9日
体長3.6~4m、体重360~450kgのメス。
茨城県 / 2009年7月9日
体長4 m、体重450 kgのメス。市場で販売。
静岡 / 2010年6月23日
体長は570cm。
尾鷲市 / 2011年1月27日
体長は約500cm。定置網で捕獲された。
真鶴町 / 2011年7月1日
水深60m仕掛けられた定置網で捕獲された[6]
室戸 / 2011年5月
体長300cm。性別不明。
静岡県 / 2011年6月24日
体長:540cm。メス。美ら海水族館で冷凍保存。水族館横のレストハウスで展示。
相模湾 / 2011年7月1日
体長:300cm。メス。
駿河湾 / 2013年1月13日
体長は487 cm。メス。
久喜岬 / 2013年1月27日
体長: 450 cm。メス。
久喜岬 / 2013年1月27日
性別や大きさは不明。水深3400mで捕獲。
真鶴 / 2013年9月6日
体長は577cm。メス。
静岡県 / 2014年4月14日
58例目、日本では17例目。
体長396cm。メス。静岡県立海洋科学館で5月6日に公開解剖が行われた後、展示された[7]
伊豆 / 2014年12月24日
体長は約500cm。性別不明。定置網で捕獲。
三重県 / 2016年4月15日
体長は500 cm。体重1t。108例目の確認である。海遊館で標本が展示されている。
千葉県 / 2017年5月22日
22日朝に館山市の定置網にかかっているが見つかった。体長5-6mのメス[8]
同日午後にさかなクンが確認した。
2018年2月24日に仲谷一宏らと共に公開解剖が行われ、プラスティネーション加工された。
12月7日より鴨川シーワールドにて本個体の骨格標本が展示された。骨格標本が展示されたのは世界初であった[9]
三重 / 2017年5月26日
体長5mのメスである。
早朝2時頃に、水深約100mの地点に仕掛けられた網漁船「第一長久丸」の網で捕獲された。17時過ぎに海遊館の西田清徳館長ら飼育員3人が状態を確認した。
18時過ぎに飼育員が採取した後に放流された[3]
沼津 / 2019年1月28日
体長400cm。オス。座礁している所を発見。
館山 / 2020年6月11日
体長600cm。メス。定置網で捕獲。館山での2例目。リリースされた[10]
館山 / 2021年6月14日
体長・性別は不明。

人間との関係[編集]

名前[編集]

標準和名は、「メガマウスザメ」であるが[11]、通称の「メガマウス」と呼ばれることも多い。

名前は、「大きい口のサメ」という意味である。「デカいネズミ」ではない。

英名から「メガマウスシャーク」とも呼ばれる。

地震との関連[編集]

「メガマウスが現れると地震が起きる」という俗説が世間一般に出回っている。

然しながら、地震との関連性は科学的根拠は認められていない。

メガマウスは対処外ではあったが、織原らの研究チームが2019年に発表した研究成果では、深海魚と地震を関係性を調査した所、1例のみ関連付ける事が出来たものの俗説の域を得ないと分かった。

出典[編集]

  1. 30年の軌跡 Vol.12”. アクアワールド海の中道 (2018年10月15日). 2024年8月5日確認。
  2. 岡有作第46巻第4号、2005年
  3. a b “南伊勢町奈屋浦に幻のサメ「メガマウス」生け捕りするも海に放す”. iseshima.keizai.biz. (2017年5月26日. https://iseshima.keizai.biz/headline/2804/ 2024年8月9日閲覧。 
  4. 中井武、金子和久、倉持利明、佐藤寅夫、藤田清、樺澤洋「相模湾湯河原沖で捕獲された雌のメガマウスザメ−外部形態−」、『動物園水族館雑誌』第52巻第2号、2011年3月、 50-61頁。
  5. 都築信隆、浅川弘、木下剛介、土屋泰久「メガマウスザメ混獲について」、『動物園水族館雑誌』第49巻、2008年、 57頁。
  6. “定置網に、珍しいメガマウスザメ”. (2011年7月5日. https://www.museum.or.jp/news/1122 2024年8月5日閲覧。 
  7. “メガマウスを公開解剖 巨大な口に見学者もビックリ”. www.huffingtonpost.jp. https://www.huffingtonpost.jp/2014/05/06/megamouth-dissection_n_5271196.html 2024年5月12日閲覧。 
  8. 中山由美. “さかなクン「夢のよう」 泳ぐメガマウスザメに興奮”. www.asahi.com. https://www.asahi.com/articles/ASK5Q64VZK5QUTIL06Y.html 2024年5月12日閲覧。 
  9. 恵原弘太郎. “幻のメガマウスザメ、世界初の全身骨格 鴨川で常設展示”. www.asahi.com. https://www.asahi.com/articles/ASLD66DKYLD6UQIP07Y.html 2024年5月12日閲覧。 
  10. 恵原弘太郎 (2020年6月12日). “幻の巨大ザメ・メガマウス、定置網に迷い込む 千葉沖”. www.asahi.com. https://www.asahi.com/articles/ASN6D2RRPN6CUQIP001.html 2024年1月1日閲覧。 
  11. 本村浩之「日本産魚類全種目録. これまでに記録された日本産魚類全種の現在の標準和名と学名」Onlinever.21、2023年