マブナ

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マブナ
分類
ドメイン真核生物
動物界
脊椎動物門
条鰭綱
コイ目
コイ科
フナ属
名称
学名Carassius spp.
和名マブナ (真鮒)
保全状況

マブナとは、ゲンゴロウブナを除いた日本産フナ類の総称である。

概要[編集]

「マブナ」という名前は、琵琶湖ではゲンゴロウブナを指し、それ以外の地域ではギンブナの事だった。

近年では、ゲンゴロウブナ以外のフナ類を指すことが多い。

ゲンゴロウブナやコイよりも体高が低い。

分類[編集]

マブナの分類は、定説が無く、色々な説がある。

一般的にオオキンブナキンブナギンブナナガブナニゴロブナの6群がいるとされている。それ以外にも北海道沖縄県石垣島にそれぞれの集団がいるとわかっている[1][2]

Yamamotoらは、mtDNA解析の結果より、フナは以下のように4集団に別れており、Dは更に3集団に別れていた。今まで区別されてきた6群は区別する事が出来ないと分かり、系統的/遺伝的整合性がないことが示された[3]

  • A - ゲンゴロウフナ
  • B - 中国産フナの一種・ギンブナ
  • C - ギベリオブナ
  • D-I - キンブナ・ギンブナ
  • D-II - オオキンブナ・ギンブナ
  • D-III - ナガブナ・キンブナ・ニゴロブナ・オオキンブナ・ギンブナ

鈴木らは、RAPD分析からギンブナとニゴロブナ、ゲンゴロウブナには差があり、区別出来ると報告した[4]

Nobuhikoらは、筋漿蛋白の電気泳動像分析法からは3つの集団に別れたとし、C. buergeri3亜種(キン・ナガ・二ゴロ)が含まれるI群とギンブナのみが属するII群、ゲンゴロウブナが含まれるIII群に分かれるとされた[5][6]

出典[編集]

  1. Mikumi, Takada; Katsunori, Tachihara; Mutsumi, Nishida (2010). “Biogeography and evolution of the Carassius auratus-complex in East Asia”. BMC Evolutionary Biology 5. 
  2. 伊藤毅彦、藤田朝彦、細谷和海「北海道勇払原野で採集された特異な形態のフナ」、『魚類学雑誌』第55巻、2008年、 105-109頁。
  3. Gunji, Yamamoto; Mikumi, Takada; Kei’ichiro, Iguchi; Nagasaki, University; Mutsumi, Nishida (2010). “Genetic constitution and phylogenetic relationships of Japanese crucian carps (Carassius) Ichthyol Res”. Ichthyological Research 57 (3): 215-222. doi:10.1007/s10228-010-0152-8. 
  4. 鈴木誉士、永野元、小林徹、上野紘一「RAPD 分析による琵琶湖産フナ属魚類の種・亜種判別およびヨシ帯に出現するフナ仔稚魚の季節変化」、『日本水産学会誌』第71巻第1号、日本水産学、2005年、 10-15頁、 doi:10.2331/suisan.71.10
  5. Nobuhiko, Taniguchi; Takashi, Ishiwatari (1972). Inter and Intraspecific Variations of Muscle Proteins in, the Japanese Crucian Carp I. Cellulose-acetate Electrophoretic Pattern. 19. p. 217-222. doi:10.11369/jji1950.19.217. 
  6. Nobuhiko, Taniguchi; Kazuo, Sakata (1977). “Interspecific and Intraspecific Variations of Muscle Protein in the Japanese Crucian Carp-II”. Japanese Journal of Ichthyology 24 (1): 1-11. doi:10.11369/jji1950.24.1.