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サワガニ

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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サワガニ
分類
ドメイン 真核生物
動物界
節足動物門
軟甲綱
十脚目
下目 カニ下目
上科 サワガニ上科
サワガニ科
サワガニ属
サワガニ
名称
学名 Geothelphusa dehaani
White, 1847
和名 サワガニ (沢蟹)
英名 Japanese Freshwater Crab
保全状況

サワガニは、淡水産のカニの事で、赤いものと青いものがいる。唐揚げにすると美味いらしいが、子供がいる家庭ではペット用に購入されることが多い。卵が大きく観察しやすいが、高温に弱いため都会では夏越しが難しいのが欠点といえば欠点である。

そのため、「サワガニのいる自然環境を保全する」ということになってくれることを願う。

形状[編集]

甲は楕円形。背面は縦に出ていて、横に平滑である。

G1がほぼ直線的で、横方向に強く湾曲している。

体色[編集]

サワガニにはいつくかのタイプが知られる。

BL型
甲羅は灰青色または灰緑色。これに暗赤色が入ることもある。
錯脚や歩脚は、甲羅と同様の色もしくは、淡黄色である。
ボーイズラブとは関係無い。
BL1型
甲皮は灰青色か灰緑色。前域は灰青色か灰紫色で、後域は灰色か淡灰褐色。
前側縁は白色または淡黄色。
釦脚・歩脚は白色 or 淡黄色 or 灰青色。
BL2型
甲皮の前域は灰褐色や灰赤褐色で、後域は灰色や灰黄色。
前側縁は淡賞色。
甜脚 ・歩脚は半透明で淡黄色
BLa3型
甲皮は褐色。 甲皮の前域は暗赤紫色で、後域は暗緑褐色か黄褐色。
前側縁は淡黄色か淡赤紫色。
鉛脚 ・歩脚は淡赤紫色か暗赤紫色。
RE型
甲皮の前部は黒褐色。
後部と錯脚、歩脚は撞黄色か朱赤色もしくは茶褐色。
REl型
甲皮の前域は黒褐色で、後域は燈黄色か朱赤芭。
前側縁は朱赤色。
鉛脚 ・歩脚は黄褐色 or 撞黄色 or 朱赤色。
RE2型
甲皮の前域は黒褐色で、後域は茶褐色。
前側縁は赤褐色か茶褐色。
鉛脚・歩脚は茶褐色。
DA型
甲羅や鎖脚、歩脚は黒褐色か緑褐色、暗紫色。
DAl型
甲皮は黒褐色。
前側縁は赤褐色か茶褐色。鉛脚・ 歩脚は茶褐色 or 紫褐色。
DA2型
甲皮は緑褐色か暗緑色。
前側縁は赤褐色か茶褐色で、鉛脚・歩脚は緑褐色 or 紫褐色。
DA3型
甲皮は暗紫色。
前側縁は赤褐色か茶褐色。鉛脚・歩脚も暗褐色。

分布[編集]

本州四国九州の沿岸域の清流から高山の渓流まで生息している。

模式産地は日本で、長崎県の可能性が指摘されている[1]

生態[編集]

卵はメガロパ幼生にならず、孵化して稚ガニになる。

分類[編集]

本種は、ホワイトが1847年に新種として学名が命名された。

模式標本[編集]

現在、種の基準となるホロタイプ標本の所在は不明になっている。

Yamaguchi & Baba (1993)によりサワガニのパラレクトタイプ標本が指定された。然し、保管してあった施設に2匹の標本が存在し、どちらが実際のレコタイプなのか不明である。このため、Yamaguchi & Baba (1993)の型式指定は無効であるとされる。

模式産地は、日本と記述してあるが、詳しい場所はわかっていない。然し1823年8月から1829年12月に採集された事は確実である。

Naruse & Ng (2024)は、長崎県本河内産のものとレクトタイプ、パラレクトタイプを比較した結果より長崎県本河内模式産地の可能性である可能性が高いとした[1]

隠蔽種[編集]

2023年にHuervanaらが発表した論文で、サワガニをmtDNA分析した結果から、本州と四国のクレードI、九州北東部のクレードII、九州南部のクレードIII、九州北西部のクレードIVの4グループに分かれるとされた。特にクレードIVは遺伝子的にかけ離れており、隠蔽種の可能性が指摘された[2]

Naruse & Ng (2024)は、青森県のサワガニを“G. mutsu“と、天草諸島のサワガニを“G. amakusa“として新種記載した[1]

人間との関係[編集]

名称[編集]

地方名として「カニ」「カニッコ」「シミズガニ (茨城県など)」 「ミゾガニ (和歌山県新宮市)」「イワガニ」がある。

利用[編集]

主に山岳部で食用となる。海辺では食用としない。

寄生虫がいるため、生食はしない方が良い。

注釈[編集]