サックス

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サクソフォンから転送)
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サックス(sax、またはサクソフォン=saxophone)とは、シングルリードの歌口を持つ金属製のボディ・管でできた木管楽器である。真鍮を主素材とした金属製でできているが、仕組み・発音源がクラリネットと同じで、キーが付いていて、リードを振動させて音を出すので、金属なのに木管楽器の種類で、見た目は金管楽器に見せかけている。音色的に木管楽器と金管楽器の中間の役割を担い、豊かで迫力のある音色。クラリネットとテナー音域の中間をつなぐ役割を果たす。音域・管の長さの違ういくつかの種類を持つ楽器で組んでいる。音色は、音域の異なった楽器によって異なる。運指はリコーダーと同じ。音孔は巨大で、半音順に並んでいて、それをキーによって間接的に操作する。

概要[編集]

金属製で、金色のものが多い。主な材質は、ボディは真鍮製で、管体とキイはイエローブラスで、表面仕上げはゴールドラッカー。ゴールドラッカーは、金色の塗料で、イエローブラスとクリアラッカーの組み合わせよりはオレンジがかっている。サクソフォンのラッカー塗料のみ、クリアラッカーではなく、ゴールドラッカーになっている。ゴールドラッカー仕上げは、実際の金の色に似ている金属の色。アルト以上の大きなものはJ字形であり、ストラップをつなぎ、ひもを首にかけて楽器を吊るして、楽器が身体の右にくるように斜めに構える。主に吹奏楽、ポピュラー音楽で使われる。オーケストラではあまり活躍されず、オーケストラではオプションの楽器である。

サクソフォンのキイは、指で押さえる白い部分を「指貝」という。

構造上は、ベル、2番管、U字管と分かれているが、一体化している。

ベルの部分は、飾りが彫刻されているものが多い。花模様、他にもいろいろなパターンがある。

歴史については、アドルフ・サックス(1814~1894)が1840年に考案し、1846年に特許を得た。1840年にベルギーのアドルフ・サックスによって開発された楽器。開発した当初は、C管、F管、B♭管、E♭管の4種類を製作していた。通常、B♭管、E♭管は吹奏楽向け、C管、F管はオーケストラ向けという2系統を区別して計画していた。1920年代には主にC管のサックスが結構作られた。結局のところ、B♭管とE♭管が一番良い音が鳴ると定着し、ソプラノはB♭管、アルトはE♭管、テナーはB♭管、バリトンはE♭管と決まった。オーケストラの需要は少なくなり、C管とF管は使いにくいところもあるため、残念なことにC管とF管は現在はあまり使われなくなった(?)。現在あるのはほとんどがE♭管とB♭管の2つの移調楽器である。それは、管楽器の基本の調は♭系が多いという考え方かもしれない。E♭管とB♭管のどれか1本で全ての調性に対応する音域の必要性が生じたことも影響している。記譜上の音域は全く同じである。

「サックス」「サクソフォン」の由来は、この楽器を発明したベルギーの楽器職人、アドルフ・サックスの名前と、「音」を意味する「フォン」を組み合わせたのが語源。サックスの発明者アドルフ・サックスが生まれたベルギーのディナンには、彼の生家が残り、家の前に銅像が建てられている。

C管サックスは、Cメロサックスともいう。

種類(同属楽器)[編集]

アドルフ・サックスが考案したもの
番号 サクソフォーン 調子(調性)
1 ソプラニッシモ=ピッコロ B♭
2 ソプラニーノ E♭
3 Cソプラノ C
4 ソプラノ B♭
5 メゾソプラノ F
6 アルト E♭
7 Cメロディー C
8 テナー B♭
9 バリトン E♭
10 バス B♭
11 コントラバス E♭
現在
ソプラニーノサックス

アルトサックスより1オクターブ高い。実音の音域は、Db3(C#3)~A5。

ソプラノサックス

高い音のサクソフォンは、ボディがクラリネットのように管がまっすぐになっている。明るくクリアな音色が魅力。ネックはストレートネックとカーブドネックがある。アルトサックスのようにカーブした管を持つ「カーブド・ソプラノ」もある。ソプラノサックスは、よく使われるサックスの中で最も小さく、ピッチが最も高い楽器である。サクソフォン四重奏では旋律を多く担当する。HighGキー付きのものもある。実音の音域は、HighGキー無しの場合は、Ab2(G#2)~E5、HighGキー付きの場合は、Ab2(G#2)~F5。

アルトサックス

サクソフォンを代表する楽器。女性の声に一番近い音色と言われている。中低音域から中高音域まで幅広い音域をカバーし、吹奏楽ではメロディー部分を担当することが多い。サックスの中で最も広く活躍している楽器で、一番ポピュラーなサクソフォン。あらゆるジャンルに普及しているサクソフォン。ネックはカギ括弧のような形をしている。実音は記譜より長6度低い。実音の音域は、Db1(C#1)~A4。記音での「ド(C3)」の音をアルトサックスで演奏すると、実音は「ミb(Eb2)」の音が出る。

テナーサックス

アルトサックスより一回り大きく、中低音域〜中音域を受け持つ楽器で、ちょっと低くて渋い音がするサクソフォン。ネックがひらがなの「つ」っぽい形をしたもの。実音は記譜より1オクターブと長2度低い。実音の音域は、Ab1(G#1)~E4。吹奏楽における木管群の中低音を受け持つ。

バリトンサックス

管の長さは、アルトの2倍の長さを持つ。低音で、主にハーモニーを支えているサクソフォン。使用頻度の高いサクソフォンの中ではベース担当楽器である。バスクラリネットやチューバやコントラバスと一緒に低音パートを担当する楽器である。サクソフォン四重奏、サクソフォンアンサンブルではベースラインを担当する。Low Aキーが付いているが、Low Aキーは、バリトンサックスしかなく、他のサクソフォーンに存在しないキーである。Low Aは、実音はC1。Low Aキーが付いていることにより、音域が低音側に半音1つ広くなっている。実音の音域は、C1~A3。音域を他の楽器で表すと、バスクラリネットが近い。バリトンサックスは、テナーサックスより音域が全体に5度低い。

バスサックス

テナーサックスより1オクターブ低い。キーは、High F#、Low Bb。実音の音域は、Ab0(G#0)~E3。サクソフォンアンサンブルで使用される。

一般的な種類は、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4種類の同属楽器。

サックスのトーンホールは、普通の音域は、Low B♭(記音はB♭2)からHigh F#(記音はF#5)を持つので、記音がB♭2〜F#5では、通常2つのレジスター管を含めて25個ある。

※オクターブ表記を使った音名=英語音名とする

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]

吹奏楽で一般的に使われる楽器
Aグループ バスクラリネット【コントラバスクラリネット】B - バリトンサックスE - ファゴット(バスーン)【コントラファゴット】C - チューバ【スーザフォン】B - コントラバス弦楽器
Bグループ テナーサックスB【 - アルトクラリネットE】 - ユーフォニアムB - ホルンF - トロンボーン【バストロンボーン】B
Cグループ B♭クラリネットB - アルトサックスE - オーボエ【イングリッシュホルン】C - トランペット【コルネット - フリューゲルホルンB
Dグループ フルートピッコロC【 - E♭クラリネット(エスクラリネット)E・ - ソプラノサックスB
右上のアルファベットは何管かを表す
(C=C管、F=F管、E=E♭管、B=B♭管)

また、【括弧内楽器】はオプション。