カーブース・ビン・サイード
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カーブース・ビン・サイード・アール=サイード(Qābūs bin Sa’īd Āl Sa’īd、1940年11月18日 - 2020年1月10日)は、オマーンの国王(在位:1970年7月23日 - 2020年1月10日)。首相(在任:1972年1月2日 - 2020年1月10日)、国防相、外相、財務相を兼任した。18世紀から続くブーサイード家の第14代君主にあたる。
経歴[編集]
父はサイード・ビン・タイムール。在位は50年近くに及び、中東の歴史上では2020年1月現在で最長の在位期間と見られている。
50年に及ぶ在位期間の間、イスラム教シーア派と良好な関係を保ち、アメリカなど欧米やスンニ派アラブ諸国との重要なパイプ役を果たしたり、イランの核合意につながったアメリカ・イランの秘密接触を仲介したりするなど、アメリカとイランの対立に仲介する役目を長年務めていた。オマーンは世界の海上交通の要衝に当たることから、周辺諸国と巧みな平和外交を行い、その存在は大きく見られていた。
2020年1月10日に死去した。79歳没。死因は不明であるが、晩年は結腸癌を患ってドイツやベルギーなどで療養していた。
カーブースには子女が無かったので、生前に公式に後継者は指名されていなかった。死後の1月11日、後継者を選ぶ王族評議会で、従弟にあたる遺産文化相のハイサム・ビン・ターリク・アール=サイードが指名され、同日に即位を宣言した。これはカーブースの遺言とされている。ただ、生前に後継者として有力視されていたのは国王代理兼副首相で従兄弟のアスアド・ビン・ターリク・ビン・タイムール・アール・サイードであった。