スッポン
スッポン | |
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分類 | |
目 | カメ目 |
科 | スッポン科 |
亜科 | スッポン亜科 |
属 | スッポン属 |
種群 | スッポン種群 |
名称 | |
学名 | Pelodiscus sinensis species complex |
和名 | スッポン (鼈・鼇) スッポン種群 |
保全状況 |
概要[編集]
北海道以外の日本、朝鮮半島、ロシア沿海州・中国東部・台湾・インドシナ半島東部・ベトナム北部の河川や池沼に生息する[1][2]。
4月~5月に交尾をし、6〜7月の夜明けから早朝に産卵する。卵は直径20mm程度で、産卵数は10〜50個[1][3]。
形状[編集]
甲長20~40㎝ほど。甲羅はオリーブ色から灰色で暗色の斑紋がある[2]。甲羅は柔らかい皮膚で覆われている。甲羅中央部は隆起している。
首が長く、シュノーケル状になっている。手足に水上を持ち、それぞれに三本の爪がある。
オスの尻尾はメスより、長く太くなる[2]。
分類[編集]
スッポンは、長らく単一種とされていたが、近年は複数種に分かれるとされ[4]、TTWGは2021年現在、5種としている[5]。
フリッツらが2010年に発表した論文で、スッポンをmtDNA分析にかけた結果より、少なくとも7つの遺伝系統が存在し、そのうち3群はチュウゴクスッポン (狭義のP. sinensis)とアムールスッポン (P. maackii)・P. axenariaであるとした。
2011年に、Ping Yangらは、長らくチュウゴクスッポンのシノニムとされてきた「ナイリクスッポン (P. parviformis)は有効である」とした。
2019年にはナイリクスッポンとされていたものの中に新種おり、P. variegatusと命名された。記載論文内でまだ知られていない隠蔽種がいることが示唆されている[6]。
分割する説で根拠としているのはミトコンドリアDNAの塩基配列の分化である。なお核DNAデータの種とされている集団の分化は不鮮明である[4]。
2014年の調査によると日本列島内には外来系統のチュウゴクスッポンと在来系統のP. maackiiが生息することが判明した[4]。
P. maackiiが日本にいることからニホンスッポンP. japonicusと同一で、P. maackiiの学名が無効になる可能性が指摘されている[4]。
人間との関係[編集]
古くから食用になっており、養殖もよく行われている。
見た目から河童の正体はスッポンであるという説もある。
護岸工事によって生息地が減っている。またチュウゴクスッポンが外野に放流され、ニホンスッポンと交雑しており、遺伝子汚染が起きている[1]。
名前[編集]
朱盆が訛って「スッポン」になったとされている。
「ニホンスッポン」「チュウゴクスッポン」「シナスッポン」「ヒガシアジアスッポン」という別名がある。
日本産爬虫両生類標準和名リストでは、「Pelodiscus japonicus」に『ニホンスッポン』、「Pelodiscus sinensis」に『チュウゴクスッポン』という和名を当てている[7]。
脚注[編集]
- 出典
- ↑ a b c 疋田努 (2015年). “ニホンスッポン”. 京都府レッドデータブック2015. 2022年8月6日確認。
- ↑ a b c 岡山健仁 (2014年). “ニホンスッポン”. 愛媛県レッドデータブック. 2022年8月6日確認。
- ↑ 矢部隆 (2015年9月17日). “ニホンスッポン”. 岐阜県公式ホームページ. 2022年8月6日確認。
- ↑ a b c d 岡本卓、竹内寛彦、鈴木大「2013年以降の日本産爬虫類の分類の変更および関連する話題について」、『爬虫両棲類学会報』第2019巻第2号、日本爬虫両棲類学会、2019年11月、 202-217頁。
- ↑ Anders G.J. Rhodin; John B. Iverson; Roger Bour; Uwe Fritz; Arthur Georges; H. Bradley Shaffer; Peter Paul van Dijk (2021-11). Turtles of the World: Checklist and Atlas (9th Ed.). Turtle Taxonomy Working Group. .
- ↑ Farkas, Balázs; Thomas, Ziegler; Cuong, ThePham; An Vinh, Ong (February 2019). “A new species of Pelodiscus from northeastern Indochina (Testudines, Trionychidae)”. ZooKey 824 (1). .
- ↑ “日本産爬虫両生類標準和名リスト(2023年11月1日版)”. 日本爬虫両棲類学会 (2023年11月1日). 2023年12月8日確認。