ニホンスッポン
ニホンスッポン | |
---|---|
分類 | |
目 | カメ目 |
科 | スッポン科 |
亜科 | スッポン亜科 |
属 | スッポン属 |
種 | ニホンスッポン |
名称 | |
学名 | Pelodiscus japonicus (Temminck et Schlegel, 1838) |
和名 | ニホンスッポン (日本鼈) |
保全状況 | |
環境省レッドリスト | 情報不足 |
ニホンスッポンとは、カメ目スッポン科に属するスッポンの一種である。
形状[編集]
ニホンスッポンは、甲羅が丸く35㎝以上になる個体もいるが、チュウゴクスッポンの甲羅は細長く25cm以上になることは少ない[1]。
他のカメとは違って甲羅が柔らかい。また各足に3本の爪がある[2]。
首が長くて、シュノーケル状になっている。
生態[編集]
日本固有種で、自然分布は本州と四国、九州・壱岐列島・五島列島であり、北海道には分布しない[3]。砂底域を好む。
魚類や甲殻類、水生昆虫などを食べる。
分類[編集]
本種は、コンラード・テミンクとヘルマン・シュレーゲルにより「日本動物誌」内で記載された。記載年は1935年であるとされていたが、実際には1938年とされる[4]。
ニホンスッポンをチュウゴクスッポンのシノニム(=同種)とする説やチュウゴクスッポンの亜種とする説もあったが、近年の遺伝子解析によって独立種とする説が浸透しつつある[4] 。
だが、独立種説はちゃんと精査されているとは言い難く、核DNAデータは種とされている集団の分化は不鮮明である[4]。
2014年の調査によると日本列島内には、チュウゴクスッポンとP. maackiiが生息するとされた。P. maackiiが日本にいることからニホンスッポンと同一であり、P. maackiiの学名は無効で、Pelodiscus japonicusが有効となる可能性が指摘されている[4]。
人間との関係[編集]
ニホンスッポンは、国内で古くから食用になり、養殖も行われている。
河童の正体は、ニホンスッポンとする説もある。
養殖場から逃げたしたり、放流も行われており、遺伝子撹乱が実際に起こっている。
沖縄島以南の琉球列島に生息するスッポンは、1950年代~1980年代に食用・養殖用として台湾から移入されたチュウゴクスッポン(シナスッポン)である。また奄美群島以北の南西諸島にはニホンスッポンが人的移入されている[3][4]。
養殖場から逃げ出したり、放流されたりして、チュウゴクスッポンや他地域のニホンスッポンと交雑しており、遺伝子汚染が起きている[2]。
脚注[編集]
- 出典
- ↑ 矢部隆「ニホンスッポンPelodiscus sinensis (Wiegmann, 1835)」、『愛知県における主要移入種の現状』、愛知県、2012年3月、 71頁。
- ↑ a b 疋田努 (2015年). “ニホンスッポン”. 京都府レッドデータブック2015. 2023年8月7日確認。
- ↑ a b “ニホンスッポン”. 国立環境研究所 侵入生物DB. 2022年8月7日確認。
- ↑ a b c d e 岡本 卓、竹内 寛彦、鈴木大「2013年以降の日本産爬虫類の分類の変更および関連する話について」、『爬虫両棲類学会報』第2019巻第2号、日本爬虫両棲類学会、202-207、 2019-11頁。