金芝河
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金 芝河(キム・ジハ、Kim Chi-Ha、本名:金 英一(キム・ヨンイル、1941年2月4日 - 2022年5月8日)は、大韓民国の詩人・思想家。
生涯[編集]
1941年に木浦で生まれ、1966年にソウル大学を卒業する。1970年、当時の朴正煕政権の特権層の振る舞いを批判する風刺詩「五賊」を発表。これにより投獄された。民主化運動を弾圧した1974年の民青学連事件で死刑判決を受けるが、後に減刑されて通算7年間を獄中で過ごした。この減刑には日本の大江健三郎らによる救援活動があったとされ、また当時野党の政治家であった金大中とともに韓国の政治犯救援運動のシンボルとなった。2013年、ソウル中央地裁は犯罪行為が存在しないとして再審で無罪を言い渡した。
出獄した後の1980年代以降は、生命を尊重する生命運動を提唱し、環境運動などを展開する。そして、かつては自身を弾圧した朴正熙の娘・朴槿恵を応援し、民主化運動の流れを組む革新系からは距離を置かれた。作品も多く執筆している。
死去する1年ほど前から闘病していたとされ、2022年5月8日午後に江原道原州市の自宅で死去した。81歳没。
日本語訳書[編集]
- 『長い暗闇の彼方に』(渋谷仙太郎 訳、中央公論社、1971)
- 『五族黄土蜚語』(姜舜 訳、青木書店、1972)
- 『金芝河詩集』(姜舜 訳、青木書店、1974)
- 『民衆の声』(金芝河作品刊行委員会 編訳、サイマル出版会、1974)
- 『不帰』(李恢成 訳、中央公論社、1975)
- 『良心宣言』(井出愚樹 編訳、大月書店、1975)
- 『わが魂を解き放せ』(井出愚樹 編訳、大月書店、1975)
- 『深夜』(鄭敬謨 訳、土曜美術社、1976)
- 『金芝河作品集』(1,2)(井出愚樹 編訳 青木書店、1976)
- 『獄中から』(井出愚樹 編訳、大月書店、1977)
- 『苦行 獄中におけるわが闘い』(金芝河刊行委員会 編訳、中央公論社、1978)
- 『飯・活人』( 高崎宗司・中野宣子 訳、御茶の水書房、1989)
- 『金芝河 生(いのち)を語る』(高正子 訳、協同図書サービス、1995)
- 『傷痕に咲いた花』(金丙鎮 訳、毎日新聞社、2004)