西関東方言

西関東方言とは、栃木県南西部（足利市付近）、千葉県、東京都（島嶼部を除く）、山梨県の郡内地方（笹子峠以東）、群馬県・埼玉県・神奈川県のほぼ全域で話される日本語の方言群である。

分類

東関東方言（茨城弁・栃木弁）、北部伊豆諸島方言とともに関東方言を構成する。 東関東方言とは、アクセントや音韻の点で大きく異なる。

また、主な下位分類は以下の通り。

• 群馬弁（上州弁） - 群馬県。
• 足利弁（両毛弁） - 群馬県東毛地域、栃木県足利市付近。
• 千葉弁（房総弁） - 千葉県。東関東方言に分類されることもある。(地理的にも千葉は東より)
  • 東総弁 - 千葉県北東部。
  • 房州弁 - 千葉県旧安房国など房総半島南部。
• 武州弁 - 東京横浜周辺を除く旧武蔵国。
  • 埼玉弁 - 埼玉県。
    • 秩父弁 - 埼玉県秩父地方。
  • 多摩弁 - 東京都多摩地域。
• 相州弁 - 神奈川県旧相模国。
• 東京横浜方言 - 東京23区・川崎・横浜。西日本方言の影響がある。
  • 江戸言葉（下町言葉） - 東京下町地域。
  • 山の手言葉 - 東京山の手地域。
  • 横浜弁 - 横浜市街地。
• 郡内弁 - 山梨県郡内地方。

方言の駆逐

いわゆる"標準語"は西関東方言の特徴をもつため、似ていて置き換えが進みやすく方言の駆逐が進んだと考えられる。東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県の多くは、東京通勤圏として各地方から人々が集まるため戦後には共通語をベースに西関東方言の特徴を一部引き継いだ「首都圏方言」が成立し、伝統的な方言のほとんど失われた。

また、発展著しく他地域からの流入が多かったためのも、方言を駆逐する原動力になった。特にかつて横浜で使用された方言は、江戸時代末期の開港以来、他地域から多くの人々が集まったため、明治時代初期に既に失われたとされる。

現在伝統的な方言のほとんど失われており、"標準語"あるいは"標準語"に同化する側が優勢である。 関西弁などに見られる"標準語"に対する反発は少なく、方言は訛りとして認識される。