西武2000系電車

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西武2000系電車
Seibu-2081F.JPG
2081F (2010年1月)
基本情報
製造年1977年 - 1992年(新2000系を含む)
主要諸元
主電動機出力130kW
駆動方式中空軸平行カルダン駆動
制御装置界磁チョッパ制御
制動装置回生併用電気指令式空気ブレーキ
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西武2000系電車(せいぶ2000けいでんしゃ)は、1977年に登場した西武鉄道の通勤型車両である。

概要[編集]

西武鉄道で最も製造数が多い(444両)が、全車が同時に在籍したことはない。 新宿線拝島線国分寺線池袋線秩父線豊島線狭山線西武園線で運用されている。製造時期によって2つのグループに分けられる。

旧2000系[編集]

1977年に、西武鉄道2度目の4ドア車両として登場した。1987年まで製造された。西武では国鉄63系譲渡の初代401系以来の4ドア車で、初めて非常扉を設置、界磁チョッパ制御に電気指令式ブレーキを採用するなど異彩を放つ車両となった。

1979年までに6連17本の計102両が落成したが、2031Fと2033Fについては1983年に若番の4本の8連化のために中間車2両ずつを提供し、残った先頭車のうち2両を方向転換。新たにMc車を製造して2両編成を組んだ。同時に2連4本が落成している。

1986年には田無事故で2415Fを2両丸ごと失い、同時に2017Fの4両と2023Fの2両も事故廃車された。これにより翌年に新たに6連、2連各2本ずつが落成し、1989年には2017Fと2023Fの残存車で新2023Fを組んだ。

こうして最終的に6連12本、8連4本、2連9本、合計122両の陣営となった。先述の通り全車が同時に在籍したことはなかったが、田無事故で8両を失ったためである。

新2000系[編集]

1988年以降の増備は新2000系に移行し、1992年まで製造された。基本的なシステムは旧2000系に準ずるが、一段下降窓の採用や黒縁取りなどのモデルチェンジが図られた。

このグループは4連から落成したのが特徴で、4連4本と6連1本を新宿線に投入したことを皮切りに導入が進んだ。1990年以降は8連の2065Fを皮切りに池袋線にも導入されていった。

車両番号も4連が2500番台、6連と8連が2050番台、2連が2450番台を基準にしており、旧2000系との番号重複はない。

台車の一部については廃車された旧2000系や701系101系VVVF試験車から流用している。後に3000系の廃車発生品に換装された車両も存在すると推測される。

2055Fについては初代が2045Fに改番され、現在の2055Fは2代目となっている。

2097Fに関してはモハ2197とモハ2198にVVVFを搭載して落成している。

こうして最終的に8連22本、6連5本、4連23本、2連8本、合計314両の陣営となった。うち池袋線に8連15本、2連8本が、新宿線に8連7本、6連5本、4連23本が配置された。

各種試験[編集]

緩衝ゴム式台車やボルスタレス台車、シングルアーム式パンタグラフやLED前照灯の試験にはこの新2000系が抜擢されているが、後にすべて元に戻された。

リニューアル[編集]

旧2000系については1996年から2006年までに全編成に対して施工された。スカートの取り付けや8連のパンタグラフの撤去、一部編成の行先表示のLED化などが施工されている。2004年以降は床材や化粧板の交換、LED車内案内表示器やドアチャイム、盲導鈴の設置なども施工された。

新2000系に対しても2007年以降リニューアルが行われており、旧2000系のメニューを基本として行先表示器のフルカラーLED化や冷房装置の交換なども施工された。しかし、全編成には及ばず、未更新で廃車になった編成も存在する。

なお、いずれも制御方式は界磁チョッパ制御のまま手を加えられず、当然のごとくVVVF化が行われた車両は1両も存在しない。

廃車[編集]

旧2000系は製造から35年を経過したことからさすがに老朽化は否めず、田無事故以外での廃車が2015年より始まった。最初に廃車されたのは6連かつ田無事故の残党であった2023Fで、続いて2009Fや2013Fもすべて廃車解体された。

2017年には8連の2005Fが廃車。その後2015Fの廃車後しばらく廃車はなかったが2021年より2021Fが廃車されたのを皮切りに廃車が再開。2021年10月以降は2407Fを皮切りに2連にも廃車が発生している。

そして2022年4月26日をもって2007Fが引退し5月頃から搬出開始。旧2000系8連は全滅した。6連についても最後まで残った2031Fが2023年10月に引退し、以降は2連のみの存在となる。

新2000系についてもVVVF車を組み込んでいた2097Fが2016年9月に廃車されたことを皮切りに廃車が発生。2021年11月2日にはリニューアル未施工であった2063Fが廃車となり、2022年2月9日からは2519Fを皮切りに4連にも廃車が発生、2023年以降は2077Fを皮切りに8連の6連短縮が開始され、余剰中間車のみの廃車も始まった。2097Fについては藤久ビル東5号館(丸善池袋店)にクハ2098の前頭部がカットボディとして保存されている。

ラッピング車両[編集]

茶色い2000系[編集]

西武鉄道110周年を記念し、2069Fが西武鉄道の前身の武蔵野鉄道の車両をイメージした茶色に塗りかえられた。Twitterでは阪急などと言われていたが、実際はかなりのこげ茶で旧客などと色が似ている(というか一緒な気がする)。 また、8連+2連の組成については「ポッキー」「チョコバナナ」と呼ばれた(ダイヤ改正にて運用そのものが消滅)。

2色塗りの2000系[編集]

上記茶色に次いで、西武鉄道の戦時中の標準色であるの黄色と茶色の2色塗りの塗装が2071Fになされた。もっとも、2色塗りとなったのは前頭部のみであり、それ以外は黄色のままである。

今後[編集]

今後も新車の他、サステナ車両により置き換えが進むものと見られ、特に2030年度までに西武はVVVF車以外を全滅させる指針を発表したので、本系列もそれまでの命となる。当初は本系列のVVVF化を計画していたもののボツになったという噂があるが、鋼製車体では先が見えているため新車で置き換える方針となったようにも感じる。

なお、譲渡車は出ていないが、MG搭載車は間違いなく対象から外れると思われる他、サステナ車両による代替分は公式が譲渡対象から外している。譲渡先としては秩父鉄道流鉄流山線、伊豆箱根鉄道駿豆線、近江鉄道など複数存在するが、そのうち少なくとも伊豆箱根鉄道駿豆線への譲渡は、3ドア都市型ワンマン大国で車両数も少ない以上好ましくない

その後、近江鉄道への譲渡が確実となりどうやら800系10編成を置き換えるようであり、2451・53Fを皮切りに譲渡が始まった。VVVF車を狙っていたはずの近江鉄道では界磁チョッパ制御のまま運用されることが確定しているが、既存の300形に合わせて全電動車に改造されるかどうかは気になるところ。台車自体は対応している他、主電動機自体も3000系の解体発生品により捻出できると思われるため全電動車化は不可能ではない。

編成一覧[編集]

詳細は「西武2000系の編成一覧」を参照

近い世代の車両[編集]

関連項目[編集]