等妙寺
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等妙寺(とうみょうじ)とは、愛媛県北宇和郡鬼北町芝612にある寺院である。山号は奈良山。
概要[編集]
鎌倉時代後期の元応2年(1320年)、理玉(恵鎮の孫弟子)が郭公岳に開いた天台宗系律宗の寺院である。戒律復興を目的に、当時の天皇であった後醍醐天皇の勅命で創建された「四箇戒場」(戒壇)の一つである。安土桃山時代の天正16年(1588年)に火災により焼失したが、2年後の天正18年(1590年)に麓の現在地で再建が開始され、江戸時代に宇和島藩主伊達氏の庇護で再興された。旧境内地は平成20年(2008年)3月28日に国の史跡に指定されている。北に開く谷が造成された旧境内地は、礎石建物等が伴う平坦面が計20箇所ほどみられ、その中で最も広い平坦部が本坊で、谷を隔てた東方地区には集石墓群が二つある。貿易陶磁器、国産陶器、土師器、金属製品等多様な遺物が出土している。天台律宗の地方伝播の実態については、具体的な寺院の所在地を含めて不明な点が多いが、鎌倉仏教の戒律復興運動の具体的な様相を示し、保存状態もよく重要といえる。