片持ち式座席

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片持ち式座席(かたもちしきざせき)は、座席下の床上に脚台や機器が設置されていない鉄道車両座席。座席のフレームは壁面に固定されており、片持ち状になっていることからこうよばれる。「カンチレバーシート」とも称す。

概要[編集]

ロングシートおよび固定クロスシートで採用されている。転換式クロスシートや回転式クロスシートでは車体剛性など強度上の都合で若干異なった形状となっている。腰掛を固定する部分の側構体を補強する必要があるが、腰掛フレームや床構造を単純化しやすい。

座席下に脚がないことから清掃が容易であるが、座席下に機器を搭載しないことが前提のため、座席下に収納されていた機器は他の場所に移設の必要がある。なお、座席下の暖房機については小型化され、吊り下げ方式となるのが主流である。

日本においては、東日本旅客鉄道が1991年より運行開始した「成田エクスプレス」に使用される253系電車の普通車において、座席の下も荷物置き場とするためにこの構造が採用されたのが最初である。その後、通勤形車両においても、901系(その後209系に形式変更)のロングシートに採用された。

座席の素材はリサイクル性向上を狙いとしたが、座席の硬さから不評であった。その後E231系の一部やE233系などではSバネを入れ座席を若干柔らかくしている。

京浜急行電鉄では1500形を更新する際アルミ車の座席を片持ち式としたが、クッションは柔らかめのものを使用している。

採用している鉄道車両[編集]

など多数あり、2007年以降でも増備されている。なお横浜市営地下鉄など機器移動スペースがない理由で採用しない事業者もある。