村田栄一

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村田 栄一(むらた えいいち、1935年12月23日 - 2012年1月21日)は、小学校教員、教育評論家。教育工房主宰、現代学校運動JAPAN代表[1]

経歴[編集]

横浜市生まれ。1958年横浜国立大学学芸学部卒業。川崎市立小学校の教員となり[2]、村田学級と呼ばれる独自の教育活動を展開した[3]川崎市立藤崎小学校1年2組を担任した1969年度に学級通信「ガリバー」を発行し、これをまとめた『学級通信・ガリバー』(社会評論社、1973年)で世に知られるようになった。この本に触発されて教員になったり、学級通信を発行したりした人は少なくない。1980年退職してスペインに1年間暮らし、セレスタン・フレネの自由教育運動に触れる。帰国後は教師を対象とする教育工房を主宰し、教育評論家として活動。1996年~2004年國學院大學講師(教職課程/教育原理)[2]。2012年1月21日、急性心不全のため死去、76歳[4]

主著に『戦後教育論』(社会評論社、1970年)、『無援の前線』(社会評論社、1972年)、『じゃんけん党教育論』(社会評論社、1978年)、『教室のドンキホーテ』(筑摩書房、1982年)、『教育戯術』(明治図書出版、1986年)、編集した雑誌に『教育労働研究』1-10号(社会評論社、1973年~1978年)がある。

人物[編集]

  • 1960年代以降、持田栄一岡村達雄玉田勝郎安藤紀典池田祥子らとともに、マルクスの『資本論』に依拠しながら公教育の国家のイデオロギー支配、労働力商品の再生産機能を強調して「国民教育論」批判を展開した[5]
  • 教師となった1958年から1960年代末まで仲間と協力して機関誌『教育労働者』を発行していた。同誌は現下教育問題研究会(1958年4月から1959年2月頃まで)、全日本青年教師集団(1962年8月頃まで)、マルクス主義青年労働者同盟教育労働者委員会(1970年頃まで)の機関誌で、当時国民教育論批判を展開する論稿が発表された数少ないメディアであった[6]
  • 川村徹のペンネームを持ち、『国民教育論批判』(私家版)を出したり[7]、マルクス主義青年労働者同盟教育労働者委員会機関紙教育労働者編集部編『現代と教育――革命的左翼の闘い』(前進社、1966年)に執筆したりした。

著書[編集]

単著[編集]

  • 『飛びだせチビッコ――ガリバー先生と子どもの対話』(エール出版社[YELL books]、1969年)
  • 『戦後教育論――国民教育批判の思想と主体』(社会評論社、1970年)
  • 『無援の前線――教育へ逆射するもの』(社会評論社、発売:ぺりかん社、1972年)
  • 『闇への越境――教育奪回の展望』(田畑書店、1973年)
  • 『学級通信・ガリバー』(社会評論社、1973年、新装版1979年、増補改訂版1999年)
  • 『教育現論』(明治図書出版、1975年)
  • 『飛べない教室』(田畑書店、1977年)
  • 『じゃんけん党教育論』(社会評論社、1978年)
  • 『学級通信・このゆびとまれ』(社会評論社、1979年)
  • 『ことばのびっくりばこ』(さ・え・ら書房、1980年)
  • 『学級通信・このゆびとまれ 続』(社会評論社、1980年)
  • 『戦後教育の現在――学校教育を見直す』(教育出版、1981年)
  • 『どの子も100点をとる権利がある――ガリバー先生のこどもと生きる教室』(主婦と生活社、1981年)
  • 『教室のドンキホーテ――ぼくの戦後教育誌』(筑摩書房、1982年)
  • 『シエスタの夢/私のスペイン』(理論社、1983年)
  • 『教育戯術』(明治図書出版[シリーズ・教育をひらく]、1986年)
  • 『社会科はこばれてくるしくみシリーズ(全20巻)』(文、PHP研究所、1989年)
  • 『スペイン・ロマネスク巡礼』(社会評論社[シリーズ旅の本]、1989年)
  • 『ことばあそびをしよう』(さ・え・ら書房[さ・え・ら図書館]、1989年)
  • 『生きているこども共和国――ドンキホーテの末裔たち』(風媒社、1991年)
  • 『授業からの解放――フレネ教育運動の試み』(雲母書房、1994年)
  • 『ことばが子どもの未来をひらく』(筑摩書房、1997年)
  • 『ことばあそびをしよう』(さ・え・ら書房、2005年)
  • 『大学の授業記録・教育原理1 戦後教育の検証そして』(社会評論社、2005年)
  • 『大学の授業記録・教育原理2 学校神話からの解放そして』(社会評論社、2005年)
  • 『石も夢みるスペインロマネスク』(社会評論社、2007年)
  • 『教育実践再考』(教育工房[教育工房ブックレット]、2008年)

共編著[編集]

  • 『教育実践の記録 1 ことば教育』(編集・解説、筑摩書房、1981年)
  • 『もうひとつの学校へ向けて』(里見実共著、筑摩書房、1986年)
  • 『21世紀の教育基本書総解説――明日の教育と教育界を考える』(碓井正久共監修・編集、自由国民社 1987年)
  • 『教育現場事典』(教育工房共編著、社会評論社、1988年)
  • 『ことばの野性をもとめて――こどもことば物語』(河合雅雄、鶴見俊輔、本田和子共著、筑摩書房、1992年)
  • 『いま語る戦後教育』(編、三一書房、1996年)

訳書[編集]

  • 『クルリンたちのゆかいなくらし』(コンスエロ・アルミホ作、マルタ・バラグエル絵、福音館書店[世界傑作童話シリーズ]、1990年)

出典[編集]

  1. 大学の授業記録・教育原理2 社会評論社
  2. 2.0 2.1 [増補改訂版]学級通信・ガリバー 社会評論社
  3. 村田栄一(むらた えいいち)とは コトバンク
  4. 村田栄一氏が死去 教育評論家 日本経済新聞(2012年1月22日)
  5. 池田祥子「高校全入運動と大衆教育社会の到来-戦後教育を問う(その5)」『現代の理論』第10号(2016年11月1日)
  6. 西口正文「教育の<当事者>性と人間関係へのまなざしの可能性 : 村田栄一の場合」『人間関係学研究』1号、2002年
  7. NO1598 村田さんのこと(1) 2012.01.23NO 1599  村田さんとぼくのこと(2) 12.01.24 代表・木幡ブログ(ジャパンフレネ)

関連文献[編集]

  • 芝田進午『教育労働の理論』(青木書店、1975年)
  • 海老原治善『戦後日本教育理論小史』(国土社、1988年)
  • 五十嵐良雄『教育カルトの時代』(現代書館、1992年)