懲戒処分

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懲戒処分(ちょうかいしょぶん)とは、組織内の秩序維持及び特別の監督関係または身分関係にある者が一定の義務に違反した場合に科す制裁である。

概要[編集]

学校・企業・団体などで行われ、生徒・教職員・社員・従業員の不祥事・触法行為に対する処分として行われる。

処分の重さは戒告譴責減給出勤停止(企業・団体)/停学(学生)・降格諭旨解雇(諭旨退職)懲戒解雇の順に重くなる。

民間企業において懲戒処分を行う場合、予め就業規則にその種類・程度を記載し、当該規則に定めた手続きを経て行わなければならない。またその就業規則を労働者に周知させなければならず、これらを遵守していても処分が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合処分は無効となる。懲戒処分の無効を求めて労働者から使用者に向けて民事裁判が起こされる事も多く、使用者側は慎重な対応を求められる。

こういった事もあって直接懲戒処分を下す事は少なく、上司によるお説教・昇給の見送り・昇進取りやめ・左遷で済ませることが多い他、懲戒処分を下した場合も当該社員・従業員の行った非違行為が社会通念上許されないものでない限り公表することも少ない。

公務員の場合、国家公務員法、自衛隊法、外務公務員法、国会職員法、地方公務員法、裁判所職員臨時措置法でそれぞれ定めがある。

公務員の懲戒処分[編集]

2021年度に国家公務員一般職で懲戒処分となった者の人数は252人[1]、2020年度に地方公務員で懲戒処分となった者の人数は3,696人[2]であった。

懲戒事由[編集]

  1. 国家公務員法・国家公務員倫理法またはこれらの法律に基づく命令に違反した場合
  2. 地方公務員法に規定する特例を定めた法律またはこれに基づく条例、地方公共団体の規則・機関の定める規定に違反した場合
  3. 職務上の義務に違反・職務を怠った場合
  4. 国民全体の奉仕者として相応しくない非行に走った場合

種類[編集]

  1. 免職 - 最も重い処分で、職員の意に反してその職を失わせる。要するにクビ。
  2. 降任 - 現在の職務の等級・階級を1または2下のものに下げる。
  3. 停職 - 一定期間仕事をさせない。職場に来させない。その間の給料はゼロ円。
  4. 減給 - 一定期間給与の一定割合を減らして支給する。
  5. 戒告 - 要するにすごく重いお説教。非違行為の責任を確認し、その将来を戒める。

以上の懲戒処分を下す程ではないが、不問には出来ない場合は軽微な処分として以下の処分を行うことがある。

  1. 訓告 - 通常のお説教より重いお説教。
  2. 厳重注意 - 通常のお説教よりやや重いお説教。
  3. 口頭注意 - 通常のお説教。

学校における懲戒処分[編集]

子供の非違行為が発覚した場合に懲戒処分を行うが、義務教育である小学校中学校で学習権を侵害する停学退学処分を下すことは出来ない。私立の小中学校では退学処分を規則に定めているが、当該学校を退学になった場合、児童・生徒の居住地を通学区域に含む公立学校へ即座に転校するため、学習権の侵害にはならない。

  1. 退学放学 - 退学と放学の違いは、退学はその学校に入学・在籍していた事実は残るが、放学は入学・在学の事実すら消し去る。
  2. 退学勧告 - 問題行動を起こした生徒に自ら退学するよう促す。
  3. 停学 - 授業に出席させない。
  4. 訓告
  5. 謹慎 - 停学同様授業に出席させない処分だが、学校によってはホームルームとは別の生徒指導室や図書室・会議室などで勉強する「学校謹慎」というものがある。
  6. 特別指導 - 校長・総長からのお説教。

脚注[編集]