減給
ナビゲーションに移動
検索に移動
減給(げんきゅう)とは、懲戒処分の一つである。
概要[編集]
複数の人間を労働者として雇っている使用者(企業・団体)の行う懲戒処分の一つで出勤停止に次いで重い処分。非違行為に対する制裁で、一定の期間、一定の割合で当該従業員の給与を減額する。
減らして良い金額は青天井ではなく、労働基準法で非違行為1つにつき1出勤日あたりの平均賃金の半額以下、複数の非違行為に対する減給処分でも給与計算期間あたり(概ね1ヶ月)で10分の1以下と定められている。
一例として月給36万円、1ヶ月の出勤日数が20日の従業員が1件の非違行為を行い、減給処分となった場合を考える。
- 1日あたりの平均賃金を求める。(360,000 ÷ 20 = 18,000)
- 1日あたりの平均賃金に0.5を乗算する。(18,000 × 0.5 = 9,000)
- 2.で求めた金額が減給できる金額となり、処分が下った月の給与は35万1千円となる。
続いて複数の非違行為で減給処分となる場合を考える。月給36万円、1ヶ月の出勤日数が20日の従業員に5件の非違行為が5月に発覚し、その月に減給処分が下ったとする。
- 上記の従業員の減額できる金額は1出勤日あたり9,000円。これに発覚した非違行為の件数を乗算する。 (9,000 × 5 = 45,000)
- このままだと1ヶ月の賃金の10分の1を超過するため、5月に減らせるのは36万円の10分の1である3万6千円まで。よって5月の給与は32万4千円
- 残りの9,000円は6月の給与から減額する。
しばしば減給◯ヶ月の懲戒処分と報じられる事があるが、労働基準法に基づいて活動する民間企業・団体で1件の非違行為で複数ヶ月に渡る減給処分を下す事はできない。ただし使用者である役員は別である。
公務員の場合[編集]
以上は民間企業・団体の例だが、公務員の場合は労働基準法ではなく、国家公務員法・自衛隊法・国会職員法・地方公務員法に基づいて減給処分が行われる。
国家公務員一般職、自衛隊員、国会職員の減給は1年以下の期間で月給の5分の1以下、地方公務員は各地方自治体が地方公務員法に基づいて懲戒の手続き、その効果に関する条例を定め、期間・割合の限度を規定している。