岡山ラーメン
岡山ラーメン(おかやまラーメン)とは岡山県を中心として作られているラーメンの種別の一つである。
しかし、札幌ラーメンや博多ラーメンなどの「地方ラーメン」に独特な各店共通となる「一定の方向性」には乏しく、各店に独特のオリジナルラーメンも存在する。そのため岡山ラーメンは定義付けが困難となっており、店や地域によって「○×系岡山ラーメン」などと称される事も少なくない。
おもな系列と代表店[編集]
岡山系[編集]
岡山系岡山ラーメン。岡山市を中心として発達したラーメン。一般に「岡山ラーメン」と称する場合は、このラーメンを指す。岡山県内に幅広く普及している。
- トンカツラーメン - 醤油ラーメンの上に揚げたてのトンカツが載っている。全国区のテレビ番組や雑誌などで紹介されたことから、このトンカツラーメンを岡山ラーメン(岡山市のご当地ラーメン)と位置づける動きも一部にある[1][2]。
- 特徴
- スープベースは鶏がら醤油と豚骨醤油とがあり、魚介系ダシ材で各店独自のアクセントを加える場合もある。
- 麺は中細から細めのストレート麺がよく使われる。ちぢれ麺はない。
- 代表店
- 浅月本店(岡山市北区奉還町)
- 富士屋(岡山市北区奉還町)
- 丸天西店(岡山市北区奉還町)
- やまと(岡山市北区表町)
- だて(岡山市北区表町)
- 麺屋 たくみ(岡山市北区中央町)
- すわき後楽中華そば(県南チェーン店)
- 天神そば(岡山市北区天神町)
- 丸天(岡山市北区駅前町)
- あまいからい(岡山市北区駅前町)
倉敷系[編集]
倉敷ラーメンとも。JR倉敷駅前で古くから営業していた「又一」というラーメン店のラーメン、およびその姉妹店や影響を受けたラーメン店、またそれ以外でも同ラーメンと特徴の似たラーメンのことを言う。土産用に「倉敷ラーメン」としても販売されている。
津山系[編集]
作州黒豚を用い、スープに蜂蜜、麺に山芋といった津山市の特産品を生かした、主に土産用の「津山らーめん」という町おこし商品のことを指す。
1999年7月に産学官で発足した「美作女子大学技術交流プラザ」(現:美作大学技術交流プラザ)に参加したラーメン好きのメンバーが中心となり地場産の食材をふんだんに使った美味しい津山ラーメンを作り、街の活性化をも目的のひとつとして開発された商品。地元の食材を使ったスープの研究から始め、開発から3年後の2002年(平成14年)6月におみやげ用として発売開始。その後、津山市内の飲食店でも販売されている。
笠岡系[編集]
詳細は「笠岡ラーメン」を参照
岡山県西部の笠岡市に古くから伝わるラーメンで、いわゆる笠岡ラーメン。厳密には、「岡山(県)のラーメン」の一つではあるが、「笠岡ラーメン」と「岡山ラーメン笠岡系」は別物。笠岡系は笠岡市以外の岡山県内において、笠岡ラーメンに真似たもの、あるいはそれに近づけたもの。
笠岡ラーメンは、ごく浅く煮出した透明な鶏がらスープにストレート麺、チャーシューの代わりに「かしわ肉[3]」が載っているのが特徴。「備中笠岡鶏ラーメン」ともいう。 かつては「斉藤」という名店が存在し、ごく一部の地元の人にとっては伝説となっている。現在ではその伝統を守る店の他、新しい工夫を加える店も多くなっている。岡山県で「ご当地ラーメン」を標榜している稀有な例である。
- 代表店(笠岡ラーメン)
- 坂本
- 一久
- お多津
- 司
- おっつぁん
- 代表店(笠岡系)
- 笠岡鶏らーめんぼっけえ道場かみむら(倉敷市)
新見系[編集]
新見市で生まれた、猪を使ったラーメンで、新見ラーメンと呼ばれる。猪ラーメンともいう。新見市内のラーメン店が地元で害獣として暴れ回る猪を利用し、考案した。だし汁およびチャーシューに猪を使用しているのが特徴。基本は醤油スープ。地元商工会が猪料理を新見の名物にしようと運動し、その一環で新見ラーメンが市内の数店舗の飲食店でも提供されるようになった。土産物用にもインスタントが販売されているが、こちらはチャーシューのみ猪で、だし汁には猪が使用されていない。
他土地系[編集]
岡山外地の有名地元ラーメンの流れを汲む岡山ラーメンのことであり、元土地のラーメンと上記岡山ラーメンの特徴をハイブリッドさせたもの。元土地の名がつく。「九州系(博多系)」「北海道系(札幌・旭川系)」「和歌山系」「備後系(尾道・福山系)」などがある。
オリジナル系[編集]
上記各種ラーメンの一般的特徴を省みず、独自の流れを突き進む岡山ラーメンの総称。各種変り種が数多く、それ故に「岡山ラーメン」の存在をラーメン愛好者に強くアピールしてきた一団でもある。そのため、ラーメン愛好者にはこの「オリジナル系」こそが「岡山ラーメン」の真骨頂であるとする者も少なくない。そのため「オリジナル系」には各店共通の一般的特徴などは存在せず、各店の独自路線を貫徹している。それ故に各店において客の好き嫌いが分かれる。
- 代表店とメニュー
- 金八ラーメン(岡山市北区柳川):太肉ラーメン
- KEL2(岡山市北区神田町):クリームラーメン
- 支那そば一龍(岡山市北区十日市):支那そば(醤油味)
- とりそば太田(岡山市北区表町):とりそば
- ラーメン太郎(岡山市南区新保):レモンラーメン
- ベトコンラーメン(倉敷市帯高):ベトコンラーメン
- 烏骨鶏ラーメン龍(倉敷市福田町古新田):烏骨鶏ラーメン
- 夢や(美作市湯郷):げんこつラーメン
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 岡山ラーメン学会
- 笠岡のラーメン屋さん特集(岡山県笠岡市) All About 2004年2月25日
- 名物いのししラーメン 「さんようタウンナビ」 山陽新聞社 2007年9月21日
参考文献[編集]
- 岡山ラーメンキング (株式会社エディターズ)
- 岡山ラーメンキング2 (株式会社エディターズ)
- 岡山ラーメンキング3 (株式会社エディターズ)