外山滋比古
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外山 滋比古(とやま しげひこ、大正12年(1923年)11月3日 - 令和2年(2020年)7月30日)は、日本の英文学者、言語学者、評論家、エッセイスト。文学博士。お茶の水女子大学名誉教授。全日本家庭教育研究会元総裁。外山家は法海山龍護院妙光寺の旧檀家である。
略歴[編集]
愛知県出身。既婚者で長女あり。
東京文理科大学(現在の筑波大学)卒業。お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任する。読書のあり方が音読みから黙読へと変化する過程を考察した「近代読者論」で注目を集める。専門の英文学に留まらず、広く「言葉」の問題を考察し、幼児教育の重要性も提言した。自分で考えることの大切さを説いた「思想の整理学」は昭和61年(1986年)の文庫刊行から約30年たってもなお、学生など若い読者を獲得し、累型250万部以上のベストセラーとなった。
多くの著書を出しており、NHK放送文化賞を受賞。勲三等旭日中授章を授章した。
令和2年(2020年)7月30日午前7時18分、胆管癌のため、東京都内の病院で死去した。96歳没。
著書[編集]
単著[編集]
- 修辞的残像 読者の方法 垂水書房 1961 / 垂水叢書 / 増訂版 みすず書房 1979
- 近代読者論 垂水書房 1964 / みすず書房 1994
- 読者の世界 角川選書 1969
- 葦のずいから 角川書店 1970
- ことばの習俗 新しいコミュニケイション 三省堂新書 1971 / 三省堂選書
- ホモ・メンティエンス みすず書房 1971
- 外国語を考える ELEC出版部[エレック選書] 1972
- 省略の文学 れんが書房 1973 / 中央公論社 1976 / 中公文庫 1979
- 日本語の論理 中央公論社[中公叢書] 1973 / 中公文庫 1987
- 伝達の美学 「受け手」の可能性 三省堂ブックス 1973
- 女性の論理 中央公論社[中公叢書] 1974
- エディターシップ みすず書房 1975 / 新装版あり
- 改稿 新エディターシップ みすず書房 2009
- 日本語の感覚 中央公論社[中公叢書] 1975 / 中公文庫 1992
- 日常の言葉 みずうみ書房[みずうみ文庫] 1976
- 改題 日常のことば 広済堂出版[広済堂文庫] 1990
- 日本語の個性 中公新書 1976、改版2020
- 文学の方法 大修館 1976
- シェイクスピアと近代 研究社出版 1977
- 知的創造のヒント 講談社現代新書 1977 / ちくま学芸文庫 2008
- 裏窓の風景 編集歳時記 英潮社出版 1977
- 改題再編集 赤い風船 福武書店[福武文庫] 1986
- かたりべ文化 冬樹社 1978
- 新編かたりべ文化 ちくま文庫 1992
- 中年閑居して… ライフワークの思想 日本経済新聞社 1978
- ことばの作法 ダイヤモンド社 1978 / 三笠書房[知的生きかた文庫] 1987
- 新編ことばの作法 心を伝える“ひと言”の知恵 PHP文庫 1996
- 異本論 みすず書房 1978 - 著作目録あり/ ちくま文庫 2010
- ことばの心 ダイヤモンド社 1979
- 男の神話学 中央公論社 1979 / 中公文庫 1982
- 親は子に何を教えるべきか これからの家庭教育法 PHP研究所 1979 / PHP文庫 1991
- 日本の文章 北斗出版 1979 / 講談社学術文庫 1984
- フィナーレの発想 わがライフワーク論 講談社 1979 / 講談社文庫 1982
- ことわざの論理 東京書籍[東書選書] 1979 / 三笠書房[知的生きかた文庫]1988 / ちくま学芸文庫 2007
- 新版 ことわざの論理 東京書籍 2010
- 実のある話 北洋社 1979 / 旺文社文庫 1983
- 母乳語・離乳語・ほめことば 家庭のことば教育 主婦の友社[Tomo選書] 1979
- 現代にほんご草紙 PHP研究所 1980
- ことばの姿 芸術新聞社 1980 / 増補新版 芸術新聞社
- 外山滋比古の家庭教育処方箋 講談社 1980
- ことばの四季 毎日新聞社 1980 / 中公文庫 1989
- 読み書き話す 日本書籍 1980
- メモと日記の方法 潮出版社 1980 / 潮文庫 1984
- 聡明な女の話し方 ことばのエチケットから、おしゃれな会話まで 会話がぐんとうまくなる方法 主婦と生活社 1980
- 改題 聡明な女は話がうまい 会話上手になるためのワン・ウィーク・レッスン PHP文庫 1992
- 改題 聡明な女性の話し方 人前で恥をかかない会話のルールとエチケット(プラチナBOOKS) 主婦と生活社 2008
- 女のライフワーク論 これからの生活設計のヒント 大和書房 1980
- 日本語の素顔 中公新書 1981
- 話し方作法 こころの妙薬 実業之日本社[実日新書] 1981
- 改題 心と心をつなぐ話し方 PHP文庫 1993
- フェスティナ・レンテ(ゆっくり急げ) いそがば回れの生き方論 創知社 1981
- 増訂改題 人生を愉しむ知的時間術 “いそがば回れ”の生き方論 PHP文庫 1996
- 外国語の読みと創造 研究社出版 1981
- 初めに言葉ありき 文化と言語教育 講談社[講談社ゼミナール選書] 1981
- ことば春秋 毎日新聞社 1981
- 読書の方法 未知を読む 講談社現代新書 1981
- 増訂改題 「読み」の整理学 ちくま文庫 2007
- 美しい日本語 日常語はどうあるべきか 日本語シンポジウム1 共著 小学館 1982
- 昨日は今日の昔 118のさりげない話 講談社 1982
- 文章と表現 郵政省人事局要員訓練課編 通信事業教育振興会 1982
- ことば散策 毎日新聞社 1982
- 大人であることの面白さ PHP研究所 1982
- 思考の整理学 筑摩書房[ちくまセミナー] 1983 / ちくま文庫 1986
- 空気の教育 しつけのための七章 福武書店 1983 / 福武文庫 1989 / ちくま文庫 2011
- 日本の修辞学 みすず書房 1983
- ことばの力 毎日新聞社 1983 / 中公文庫 1990
- 生活の編集 創知社 1983
- 家庭という学校の先生 三修社 1983
- 英語辞書の使いかた 岩波ジュニア新書 1983
- 新・学問のすすめ アウトサイダーの世界 講談社学術文庫 1984
- ことばに遊ぶ 毎日新聞社 1984
- 子育ては言葉の教育から 幼児教育の秘訣・39章 PHP研究所 1984 / PHP文庫 1993
- 子どもとことば はじめにことばありき チャイルド本社 1984
- 現代人と言語 向学社[向学社現代教養選書] 1984 金田一春彦・大野晋とのアンソロジー
- 英語ことわざ集 岩波ジュニア新書 1984
- あ・かっぷ・おぶ・てぃ 現代書林 1986
- 文章を書く心 福武書店[福武文庫] 1986
- 改題 文章を書くこころ 思いを上手に伝えるために PHP文庫 1995
- 学校で出来ること出来ないこと 読売新聞社 1987 / PHP文庫 1994
- ホレーショーの哲学 研究社出版 1987
- 風の音 広済堂出版 1988 / 広済堂文庫 1990
- ことばのある暮し 中央公論社[中公文庫] 1988
- 文具百話 大橋彰版画 芸術新聞社 1988
- スモールトーク 読売新聞社 1988
- 思ったことを思い通りに書く技術 文章を知的におもしろく 青春出版社[プレイブックス] 1990
- 山茶花はなぜサザンカか ことばの観察 朝日新聞社 1990
- 同窓会の名簿 老いてなお愉快に生きる PHP研究所 1991
- 英語の発想・日本語の発想 日本放送出版協会[NHKブックス] 1992
- ことばと人間関係 「ひとこと」の重さを知っておきたい チクマ秀版社 1993 / 新装版
- 改題 心を伝える「ひとこと」の作法 人間関係がうまくいく「ことば」の知恵 PHP文庫 2002
- いま、家族に大切な60の話 やさしさを分かちあう心の作法 PHP研究所 1993
- 増訂改題 家族に大切な60の話 夫婦の作法、親子の作法 PHP文庫 2000
- 残照の風景 弥生書房 1995
- 「ことば」は「こころ」 もっと「日本語」が上手になりたい人へ 講談社〈ニューハードカバー〉 1997
- 文章を書くヒント 名文の秘訣から手紙の作法まで PHP文庫 1997
- 右往左往しない「生きる知恵」 講談社1998
- 俳句的 みすず書房 1998
- ことわざのこころ チクマ秀版社[チクマの実学創書] 1999
- ちょっとした勉強のコツ みくに出版 2000 / PHP文庫 2008
- 自分史作法 チクマ秀版社 2000
- 古典論 みすず書房 2001
- お山の大将 みすず書房:大人の本棚 2002
- わが子に伝える「絶対語感」 頭の良い子に育てる日本語の話し方 飛鳥新社 2003 / ゴマブックス[ゴマ文庫]2008
- ユーモアのレッスン 中公新書 2003
- 頭のよい子は「ことば」で育つ 海竜社 2004 / PHP文庫 2008
- アイデアのレッスン 仕事、勉強、発想を豊かにする あさ出版 2004 / ちくま文庫 2010
- 子どもを育てる絶対勉強力 幻冬舎 幻冬舎文庫 2004
- 外山滋比古「少年記」 展望社 2004
- あたまの目 人生の見かた みすず書房 2004
- わが子に伝える「絶対語感」練習帳 飛鳥新社 2004
- 「普通」で育つわが子の人間力 これだけ守れば大丈夫!育児の基本26 海竜社 2005
- 大人の日本語 30歳からの「絶対語感」の磨き方 ビジネス社 2005
- アテンション・プリーズ! 賢い子を育てる「耳ことば」 アートデイズ 2005
- 老楽力 展望社 2006、新装版2012
- 俳句の詩学 沖積舎 2006
- 中年記 みすず書房 2007
- 日本語の作法 日経BP社 2008 / 新潮文庫 2010
- ことばの教養 中公文庫 2008 (『ことばのある暮し』『男の神話学』から再編集。)
- 人に聞けない大人の言葉づかい 中経出版 2008
- コンポジット氏四十年 展望社 2008
- 忘却の力 創造の再発見 みすず書房 2008
- 忘却の整理学 筑摩書房 2009
- 自分の頭で考える 中央公論新社 2009、中公文庫 2013
- 第四人称 みすず書房 2010
- 「マイナス」のプラス 反常識の人生論 講談社 2010
- 頭の旅 毎日新聞社 2010
- 「人生二毛作」のすすめ―脳をいつまでも生き生きとさせる生活 飛鳥新社 2010
- 裏窓の風景 展望社 2010
- 省略の詩学 俳句のかたち 中公文庫 2010。『省略の文学』と『俳句の詩学』を改題再編し合本
- 朝採りの思考 シンプルな目を育てる 講談社 2010
- 文章力 かくチカラ 展望社 2010
- ゆっくり急ぐ 毎日新聞社 2010
- 「いつ死んでもいい」老い方 講談社 2011
- 今昔有情 毎日新聞社 2011
- 失敗の効用 みすず書房 2011
- たくましい子が育つ親の習慣 海竜社 2011
- 幼児教育でいちばん大切なこと 聞く力を育てる 筑摩書房、2012
- 考えるとはどういうことか 集英社インターナショナル、2012
- 「忘れる」力 潮出版社、2012
- 人間的 芸術新聞社 2012
- 傷のあるリンゴ 東京書籍 2012
- ことば点描 大修館書店 2012
- 失敗談 東京書籍 2013
- 20歳からの人生の考え方 海竜社 2013
- 思考力 さくら舎 2013
- エスカレーター人間 新思考の道 芸術新聞社 2013
- 人生複線の思想 ひとつでは多すぎる みすず書房 2014
- 茶ばなし 展望社 2014
- 寸言力 本阿弥書店 2014
- 乱読のセレンディピティ 思いがけないことを発見するための読書術 扶桑社 2014
- 人に聞けない大人の言葉づかい 角川書店 2014
- 国語は好きですか 大修館書店 2014
- リンゴも人生もキズがあるほど甘くなる 幻冬舎 2014
- 元気の源五体の散歩-「知」を支える頭と体の整え方 祥伝社 2014
- 老いの整理学 扶桑社新書 2014
- 聴覚思考 日本語をめぐる20章 中央公論新社 2014
- 知的生活習慣 ちくま新書 2015
- 三河の風 展望社 2015
- 日本の英語、英文学 研究社 2017
編著・共著[編集]
- 人間の発見 全6巻 共編 三省堂 1974
- 伝える さまざまなコミュニケーション 外山滋比古対談集 ダイヤル社 1980
- ことばと教育 広い視点から 講談社[人間の教育を考える] 1981
- 英語名句事典 共編 大修館書店 1984
- 観光文化と「奥の細道」 松田義幸共編 誠文堂新光社 1986
- 日本名句辞典 鈴木一雄共編 大修館書店 1988
- 日本の名随筆 別巻 22 作品社 1992
- 現代ことわざ辞典 ライオン社 1995
- 佐々木邦 心の歴史 佐々木邦著 みすず書房[大人の本棚] 2002
- ものの見方 思考の実技 外山滋比古 著 栗原裕 編 2010
- 頭脳の散歩 デジタル教科書はいらない 田中眞紀子 共著 2010
著作集[編集]
- 『外山滋比古著作集』 全8巻 みすず書房 2002-2003
- 第1巻『修辞的残像』2002
- 第2巻『近代読者論』2002
- 第3巻『異本と古典』2003
- 第4巻『エディターシップ』2002
- 第5巻『日本の言葉』2002
- 第6巻『短詩型の文学』2003
- 第7巻『シェイクスピア考』2002
- 第8巻『風の音 エッセイ集』2002