士農工商
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士農工商 (しのうこうしょう)とは、江戸時代から太平洋戦争終結まで日本国内に存在した思想である。
概要[編集]
かつては江戸時代にこのような身分制度があったという考え方があり、教育現場でも教えられていたが、実際は武士とそれ以外の身分というのが実情であった。これには官尊民卑の思想が強く結びついた。また、「士農工商えた非人」という被差別部落の階級も含めて言われることもあった。明治時代になり、四民平等と言われてから生まれた言葉であったが、被差別部落への差別はなくならなかった。
この思想が強まったのは太平洋戦争に入ってからであり、陸軍士官学校、海軍兵学校は定員を増やしていった。昭和十八年の学制改革では実業学校令が廃止され、男子の公立商業学校は各県に一つだけ残されたほかは工業学校に転換させられ、高等商業学校は専門学校令によって専門学校となったが「商」の文字が忌み嫌われて「経済専門学校」、あるいは「工業経済専門学校」となった。このため、官立の高岡高等商業学校、彦根高等商業学校、和歌山高等商業学校、私立の青山学院専門部、福知山高等商業学校、甲陽高等商業学校に至っては工業専門学校に転換させられ、高岡高商、福知山高商、甲陽高商は旧学制の学校として復活しなかった。江戸時代に始まった士農工商思想が行き着くところまで行った政治政策である。