和音

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和音(わおん、英:chord,コード)とは、音高の異なる音を2つ以上組み合わせて同時に鳴らしたときの音のかたまり。
「最大5つの音まで作られる。しかし、何のコードかを決定付けるには少なくとも3つ以上の音が必要である。」という主張もある。
音階の項も参照のこと。

概説[編集]

音楽用語の一つである。起源は古代ギリシャにあると一般には云われている。
「協和音」は振動数が自然数比になっているものだが、1:1(ユニゾン)や1:2(オクターブ)は、あまり「和音とは呼ばれず、比の値が2未満のものがもっぱら和音と云われる。「不協和音」はグルジアやブルガリア民謡の合唱曲などでしばしば用いられ、藝能山城組の『地の響き』などで、日本でも知られている。
民族音楽・ポピュラー音楽・クラシック音楽などのあらゆるジャンルにおいてコードは重要なものである。それゆえ各々のコードは(符号系や「[[暗号系[[」でもない)「コード系(コード体形)」として整理して、それぞれのコードに「コード名」がつけられている。コードを決定するのは音同士の距離=音程である。異なる単音(単一の音)同士を同時に鳴らした響きのことで、複数の音が重なって成り立ったものである。

楽譜の読み方の一つでもある。もともとの音階は「黄金律」という自然数比だったが、複数の楽器が共演することになって「平均率」が生まれたために、ハーモニーがいはひとつという難はあるものの「移調」「変調」による表現の幅が広がった。そのため「譜面が読めないミュージシャン」も多く生まれた(笑)
和音の構成音の数は、最大で5つの音である理由は、手の数が、片手で5本だからである[1]。ただし、両手を使えばピアノで10個の音を出すことは可能であり、親指で2音を抑えると12個の音も出すことは可能である。

和音に付いて述べる場合、一般に、英語名の「コード」が使用されることが多い。

概要[編集]

二和音の高さの隔たりを「音程」という。音程は、コードを構成する音同士の距離でもある。音程を示す単位は「度」「度数」で表され、鍵盤上で、白鍵同士・幹音同士の二つの音を元にして、「1度」「2度」「3度」と数える。白鍵同士・幹音同士の音程は、楽譜上では、変化記号無しで、線と間を交互に組み合わせた位置に当たる。和音(コード)や、和音(コード)における各音程は、五度圏、調、音階、調号と関連している。和音の中で、一番下の音=最低音を「ルート(根音)」と呼ぶ。ルート(根音)は、第1音、1度、完全1度とも呼ばれ、根音は、和音の基礎・基準・基本・起点・元となる音。和音の一番下の土台となる音。ルートを土台にして、ルートの存在でほぼコード音程の度数が決まるといったぐらいである。音を積み重ねることにより、和音は楽曲の中でハーモニーを作り、メロディーを包み込む役割を果たしている。和音(コード)に対して、1つの音しか鳴っていない状態は「単音」という。

コード(和音)を鳴らす際に使用する楽器の音色は、各1つの鍵盤、各単音の音色は、基音のみの音色「サイン波」か、基音に奇数倍音を複合した音色「矩形波」か、基音に整数次倍音を複合した音色「ノコギリ波」の3つである。

3つの構成音から成る和音を「三和音」、4つの構成音から成る和音を「四和音」、5つの構成音から成る和音を「五和音」と呼ぶ。ルートから、音程が2回重なると三和音、音程が3回重なると四和音になる。和音の構成音は、低い音・下の音から順番に数える。

和音の構成音の確認は、基本的にピアノの鍵盤で表示する。

ピアノの鍵盤は、1オクターブ内に、12個の鍵盤があり、白鍵が7個、黒鍵が5個ある。ピアノの鍵盤の音名は、白鍵は「ド.レ.ミ.ファ.ソ.ラ.シ.ド」で、「ド.レ.ミ.ファ.ソ.ラ.シ.ド」は、『グレゴリオ聖歌』に由来するイタリア音名である。黒鍵には2つの呼び名があり、黒鍵1つに対して、白鍵の右隣の黒鍵になる#(シャープ)、白鍵の左隣の黒鍵になる♭(フラット)という2つの名前が付く。例えば、「ソ#とラ♭」というように、同じ音を#系と♭系で読んだ音名で、音名と記譜法の見かけは異なっても、平均律・実音では同じ音同士で、音的に鍵盤上の位置が同じになる関係である。これを「異名同音」という。

和音の基本はルート(根音)から3度ずつの音程を重ねたもので、ルートから全て3度間隔で進んでいる。3度堆積の和音。「ド.ミ.ソ」のようになる。このとき、ルートから第3音までの音程は3度、第3音から第5音までの音程も3度となる。3度の音程は、長3度短3度のいずれかになり、コードルートからの音程の基本で、コードの響きを決める役割がある。和音の音程には、協和するものと協和しないものに分類され、それぞれ「協和音」「不協和音」といわれている。3度の音程は、響きが比較的調和している感じで、比較的良い音がする。これには、長3度は2音の周波数の比が、短3度は2音の周波数の比がで、ほぼきりの良い比となることが理由にある。5度の音程は、完全5度が基本である。完全5度は、周波数比がほぼ2:3で、第2倍音と第3倍音の組み合わせとほぼ一致していて、響きとして最も調和しやすい音程で、最も良い音がする。コードの基本は、メジャーコードとマイナーコードである。

マイナーコードは、メジャーコードの真ん中の音が半音下がっていて、ルートと完全5度は共通である。

四和音になると、三和音より響きが複雑になり、音に厚みや深み、豊かさが増す。これらを「密集和音」ということもあり、ときに用いられる。

音程の度数には別表記があり、短2度は♭2°、長2度は2°、短3度は♭3°、長3度は3°、完全4度は4°、増4度は#4°、減5度は♭5°、完全5度は5°、短6度は♭6°、長6度は6°、短7度は♭7°、長7度は7°となる。

和音(コード)の根音(ルート)の頭文字は、「R」または「1」と表記される。しばしばRで書かれたりする。

コードネーム[編集]

和音の構成音の種類を一目でわかるように工夫して表した和音の名称は「コードネーム」。コードネームとは、「コードシンボル」とも呼ばれ、ポピュラー音楽では通常根音(ルート)を英語音名で表し、ルートからの音程によってそれぞれの音を組み合わせたものを文字で分類して記号化し、和音の構成音の種類別を示したもの。コードネームは、ルートとコードタイプを組み合わせたもので、ルートの後ろ・右隣に、コードタイプを表す数字や英語を組み合わせたもの。コードの略記法でもある。コードタイプは、音の組み合わせ方の種類、構成音の記号で、数字や英語で表し、コードの種類が決まる。音名や構成音の記号といったコードネーム全般は英語により表記される。コードネームは、英語による和音の略記法である。

頭文字のアルファベットがコードのルートを表している。ルートは大文字のアルファベットを用い、一番左に表記し、「ドレミファソラシド」の「ラ」の音から「ABC~」と始まり、「ラ=A」「シ=B」「ド=C」となり、「ソ=G」まで行ったら、その次はまた「ラ=A」に戻る。英語のアルファベット「C~G」までと、「A~B」までが対応し、「A~G」の最初の7文字が使われる。大文字のアルファベットに#・♭の変化記号が付くことがある。ルートの上にどのような音が来るかによってコードの種類が決まる。コードネームの成立は、ルートからの音程を組み合わせた設計図で、箱の集合体で表す。これを「コードネームの表記図」「コードネームの設計図」という。ルート以外の文字は、和音の形態=コードタイプ(コードの種類)を示している。コードネームの左側はルート、右側は和音の形態を示している。

表記の仕組み[編集]

コードネームの表記・読み方・呼び方には、順番がある。コードネームの表記の仕組みの構造は、大きく分けると記入すべき場所は5つの箱(5ブロック、5セクション)で配列され、「①ルート」「②トライアド」「③セブンス及びシックス」「④第5音の変化」「⑤テンション」の5つの配列になっている。コードの構成音の度数は、「1つ目の音=最低音:ルート」「2つ目の音:第3音、4度、2度」「3つ目の音:第5音の変化」「4つ目の音:第7音、6度」「5つ目の音:テンション」である。#や♭の変化記号を付ける位置は、音名の場合は右側、音程の度数の数字の場合は左側に書く。コードネームの仕組みの配列の種類は次の通り。

  • 「ル一ト」=「A」~「G」、及び変化記号で半音ずれた音
  • 「トライアド」
    • 「(Maj)=空白」長調の第1,3,5音。
    • 「m」短調の第1,3,5音。長調より、第3音が半音低い。
    • 「aug」長調の第1,3,#5音。
    • 「dim」長調の第1,b3,b5音。
    • 「sus4」長調の第1,4,5音。
    • 「sus2」長調の第1,2,5音。
  • 「第5音の変化」=「無し」「(b5)」「(#5)」
  • 「セブンス及びシックス」=「無し」「6=(add6)」「7=(add#6)」「M7」
  • 「テンション」=「無し」「(b9)=(addb9)」「(9)及び(add9)」「(#9)=(add#9)」「(11)及び(add11)」「(#11)=(add#11)」「(b13)=(addb13)=(addb6)」「(13)=(add13)=(add6)」
ルート
トライアド
第5音の変化
四音目、セブンス及びシックス
テンション

それぞれのコードには、響きのイメージ、性質、役割、感じ方、印象、性格、機能を持っているのが特徴。それぞれのコード、音の組み合わせの種類によって、響きのイメージが異なる。実際、ピアノの鍵盤で音を出して響きを確認すればわかる。

コードの仕組みがわかると、曲を聴いたときに、どのコード(和音)が鳴っているかがわかるので、便利である。コードは、楽曲の中で実際どのように使われているかがわかるので、その名はコード進行である。

中には、コードの構成音の全てを押さえずに、コードの構成音のいずれかの音を省略したものを意味する、省略形の記号「omit」も使われる。「(omit□)」という形で表記される。omitを使うことにより、二和音になるものもある。二和音は、コードの構成音から1つの音を省略したもの、「omit」を使ったものしかありえないため、和音の感じが弱い。構成音を足したり引いたりすることで、いろいろなコードの響きが生まれ、響きの種類を区別することができる。

単音は、あえてコードネームで表すと「ユニゾン(unison)」という。

augコードは、ルートとその表記のみでコードの構成音全てを表す。

コードネームの表記法は、中には1つだけではなく、他の表記、別表記、複数の表記、いろんなパターンが存在するものもある。

メジャーコードを表す場合、「M=大文字のM」「(Maj)」と書かれるが、通常、「M」「(Maj)」は書かずに、「M」「(Maj)」は略され、ルート音名のみを用いて表記する。メジャーコードは、コードネームの読み方は、「メジャー」は付ける必要は無く、メジャーを略して、英語音名だけで「シー」「エー」「イーフラット」などというように、コードシンボル・コードタイプが何も付いておらず、空白で、ルート音名、英語音名のみがそのままコードネームになる。

マイナーコードは、ルートに小文字のmを付け、「Am(エーマイナー)」というふうに呼ぶ。

コードの構成音を分散して鳴らす奏法を「アルペジオ」という。

コード進行を理解するときに欠かせないのは、「調」と「音階」である。

コードネームの表記では、2つ目の音は、3度音程、または3度の代わりに4度音程と2度音程もある。3度の音程は、長3度だと空白・無印で、何も付けず、短3度だと小文字のmになる。3度の代わりに4度や2度を使う場合、完全4度だとsus4、長2度だとsus2になる。3つ目の音は、5度音程で、完全5度だと空白で、何も付けず、減5度だと(b5)、増5度だと(#5)になる。

四和音以上[編集]

四和音をまとめていうと、三和音に第7音、6度、テンションを付加したもの。「N.C.(ノンコード)」もあり、「N.C.(ノンコード)」は、ドラムソロや、演奏している楽器が単音のみで和音が鳴っていなかったり、複数の音が鳴っていても、コードタイプ一覧に無く、認識されないコードネーム及びコードネームを特定できない場合に用いられる。コードネームで表せない場合に用いる。

元になるコードがメジャーコードの場合、大文字のMやMajは省略して、ルート音名だけを表記する。上に乗る音が短7度の場合、小文字のmは省略して7のみを書く。短7度をもしm7と書くと、元になるコードが、第3音が短3度を意味するマイナーコードとかぶるからである。上に乗る音が長7度の場合、大文字のMまたはMajを書いてその後に7を書く。同じように、#・♭の変化記号は、ルート音名だけに付くのではなく、コードタイプにも付くので、ルート音名とかぶり、ルート音名に掛かる可能性もある。ルートの場合は、例として、「E♭」「C#」、コードタイプの場合は、「(♭5)」「(#5)」「(♭9)」「(#9)」「(#11)」「(♭13)」となる。メジャーやマイナーという言葉は、第3音の変化だけではなく、セブンスの音程にも付くということになる。コードタイプで、#・♭の変化記号、第5音の変化、テンションの記号、アドコードは、丸括弧( )を付けて、丸括弧( )の中に収めて書く場合もある。コードタイプにおける#・♭の変化記号は、丸括弧( )を付けずに書く場合は、#・♭の変化記号、第5音の変化、テンションの前に空白を入れて、離して書く場合もある。

コードタイプにおける#・♭の変化記号は、「#」は「+」、「♭」は「-」とも書かれる。例として、「♭5」は「-5」と表記される。

付加音(6度、7度)[編集]

付加音の音程は、「4つ目の音:第7音及び6度」と「5つ目の音:テンション」の2つになる。付加音に相当する音程は、短7度だと7、長7度だとM7、長6度だと6、無しの場合は空白となる。メジャーコードに付加音が加わる場合、「メジャー 〔Maj〕、〔M〕」という言葉は入らない。7度の付加音は、ルートから順番に規則正しく3度ずつの音程を3つ重ねたもので、セブンス系ともいう。コードネームの「7」は、幹音の7度より半音低い。コードネームの表記の「7〔セブンス〕」は、ルートから数えて短7度(フラットした7度)の理由は、第3音が短3度、第5音が減5度といった、ルートからの音程の上の音がb系の調性を持つので、短7度の方が全体的に調性感が近く、近親調で、様々なセブンス系のコードで使われるからである。7度音程の使用頻度は、短7度を使う機会が多い。短7度は、ルートからの音程、短3度からの音程、減5度からの音程、完全4度からの音程、完全5度からの音程関係では、調性感が近い。短7度は、白鍵のみの各音上の音程のうち、白鍵のみの音階であるハ長調の第5音「ソ」「ルート:G」から数えたときの白鍵の7度で、幹音ではドミナント上の7度で、「ドミナント・セブンス」とも呼ばれる。ハ長調の第1音「ド」「ルート:C」から数えると、ハ長調の音階から外れた音で、シ♭となる。ここで、勘違いしやすいのは、7度であり、「7」とだけ書いたときの意味は、コードネームの場合の7は短7度(b7度、フラットした7度)、度数の場合の7は長7度(フラットしない7度)であることに注意する。コードネームの表記で、長7度、幹音の7度、フラットしない7度、白鍵のみの音階であるハ長調の音階の第7音にする場合は、「M7(メジャーセブンス)」になる。付加音が短7度の場合、小文字のmは省略され、「7」のみの表記となり、付加音が長7度の場合、大文字のMまたはMajを書いてその後に7を書く。

コードトーン[編集]

コードの構成音で、1オクターブ内の音で構成されるものをコードトーンという。コードトーンは単音程である。

テンションノート、テンションコード[編集]

ルートからオクターブを超えた音程=複音程の音の付加音、9度以上の音程を、「テンションノート」といい、テンションの音、コードトーン以外の音、ノンコードトーンを意味する。テンションノートの種類は、9th、11th、13thがあり、それぞれに加え、変化記号で半音上げたり下げたりすることがあり、♭9th、#9th、#11th、♭13thがあり、全部で7種類のテンションノートがある[2]

コードの構成音で、ルートからテンションノートを付加したコードを「テンションコード」という。テンションノートの度数は、ルートから順番に3度間隔で進んだままオクターブを超えた音程で、簡易度数は9度、11度、13度の音である。構成音が四和音のときのテンションコード=三和音に付加するテンションは、「アドコード」で表記する。テンションコードの表記は、わかりやすく書く場合は、和音の構成音の数に関係なく、「アドコード」で表記した方が無難である。「add□」という形で表記され、「add9」「add11」「add13」のような表記になる。テンションコードは、押さえ方が、ピアノの鍵盤で片手で弾いてコード入力する場合は、テンション音をオクターブ下げて弾く。これは、ルートからの音程が1オクターブ以内の入力で、構成音の配列の別例であり、テンションノートの複音程を単音程に変換したもので、「9度=2度」「11度=4度」「13度=6度」となる。テンションノートは必要に応じて1オクターブ下げることがある。テンションノートの条件は、元になるコードトーンに含まれていない音程で、非和声音扱いである。「アドコード」は、テンション以外の音に使われることもある。テンションの付加音が無しの場合は空白となる。テンションコードは、テンションノートをオクターブ下げて単音程にすることにより、コードの構成音のトップの音(最上音、最上声)が違ってくる。

コードの発見・認識[編集]

コード(和音)の発見の仕方は、音楽用語全体を見なればならない。

コードの認識・検出、コードを構成、コード入力するときは、鍵盤の数は、最少24個=2オクターブ未満である。コード入力、和音入力とは、鍵盤でコードの構成音を入力したときに、画面上にコードネームとコードの構成音が表示され、コードが鳴るものである。コード入力モードは、コード検出域、フィンガード、伴奏鍵域と呼ばれる。フィンガードで検出・認識できるコード。コードを押さえる鍵域。電子ピアノ・電子キーボードの自動伴奏機能、DTMのコードトラックに使われている。伴奏鍵域は、伴奏鍵盤の範囲、伴奏鍵盤の音域の略である。鍵盤でコード入力するのを、「コードの押鍵」、単に「押鍵」ともいう。

コード検出域・フィンガードで、コードの構成音を鍵盤で入力したとき、実音は、鍵盤で押さえた音だけ鳴るとは限らない。

電子ピアノで、オクターブ(完全8度)の押鍵では、ルート音のみによる伴奏が演奏されるものもある。

電子ピアノで、左手の伴奏鍵域と右手のメロディー鍵域を境をスプリットポイントという。コード検出域・フィンガードは、スプリットポイントより左側の鍵域である。

決まった調性の音階の中の各音の上に、全て3度ずつの音程を2回~3回重ねたものを「ダイアトニックコード」という。コード進行を理解するときに欠かせないものである。

ある楽曲で、旋律やコード(和音)の連なりによる和声、一部分のフレーズとコード進行を聴いたときに、それが何調であるかを考えて分析するものを「調判定」という。

ルートがCのときの各コードにおけるテンションノートとして使用可能な音。加えることができるテンションノート
add b9th=Db add 9th=D add #9th=D#=Eb add 11th=F add #11th=F# add b13th=Ab add 13th=A
C
Cm
C7
Cm7
CM7
CmM7
C6
  • add 9thは、どんなコードにも加えることができる。普通のセブンスコード(C7)では、いろんなテンションを乗せることができる。

基本形と転回形とオンコード[編集]

ルートを最低音・ベース音に配置したコードの形を、「基本形」という。基本形となる構成音の押さえている鍵盤の最低音はルートである。最低音がルート以外の音を「転回形」という。転回形は、コードの構成音をそのままにして、最低音をオクターブ上に移動させ、重なる順序を入れ替えて、ルート以外の音をバスに用いたもの。押さえたコードの中で転回形を利用し、押鍵の最低音がベース音になり、ルート以外の音がベース音・最低音になるものを「オンコード」「分数コード」「スラッシュコード」「オンベース」という。転回形、オンコードの押さえ方が、ピアノの鍵盤で片手で弾いてコード入力することもできる。オンコードには、コードの構成音のどれかをベース音にするタイプのものと、コードの構成音以外の音(構成音に無い音)をベース音に指定するタイプ、ベース音が変化するものがある。つまり、ベースの音高を固定するものである。オンコードの表記法は、コードを分数で表記し、分母を最低音、ベースとなる音名、分子をコードネームで表記する。「コード/指定ベース音」の表記になる。分母の音名は、コードではなく単音を意味する。例として、Cのメジャーコードの構成音のうち、「ミ」を最低音に指定すると「C/E」となり、構成音は、「ミ.ド.ミ.ソ」→まとめると「ミ.ソ.ド」となる。ベース音が、構成音に無い音の場合、例として、Fのメジャーコード「ファ.ラ.ド」と、ベース音をソ(G)に指定すると、コードネームは「F/G」となる。「FBassG」「F on G」「FonG」とも表記される。このベース音に指定されたソは、Fのメジャーコードの構成音には含まれていない。ベース音を「ソ」にし、その上に「Fコード(ファ.ラ.ド)」を乗せたコードで、「ソ.ファ.ラ.ド」→まとめると「ソ.ラ.ド.ファ」となる。オンコードは、ベース音が変化するコードである。

基本形は、豊かで堂々としたストレートな響きをしている。

四和音以上の構成音は、オンコードに書き換えもできる。例として、「シ.レ.ファ.ラ=Bm7(b5)」は「Dm/B」となる。

転回形から元のコードの出し方は、例えば、「ド.レ.ファ#」の三和音は、「レ.ファ#.ド」と並び替え、「D7(omit5)」となる。

コードディクショナリー[編集]

電子ピアノ・電子キーボードでは、コードディクショナリー(和音辞書)(Dict.)ボタンが付いている。コードの入力の仕方、コードの押さえ方、コードの構成音を調べることができ、響きも確認できる。パソコンのソフトにおけるピアノコードディクショナリーがあれば、便利である。

電子ピアノ・電子キーボードにおけるコードディクショナリーの構造は、コード検出域は、鍵盤24個以上、コードタイプ用鍵盤は、鍵盤17個以上、ルート用鍵盤は、12個である。鍵盤は左から順に、コード検出域、コードタイプ用鍵盤、ルート用鍵盤となっている。鍵盤数やコードタイプの数が足りない場合、ルート用鍵盤は、ピアノの鍵盤の代わりに、コードディクショナリー用のボタン式ルート用鍵盤(コードディクショナリー用のルート用鍵盤ボタン)でも可。テンションコードの一部だけは、コードディクショナリーでは、鍵盤数の都合により、表示されないものもある。

コード検出域の鍵盤数が最少24個の場合は、左端の音はドである。鍵盤のドの位置を全て同じ左端に固定することにより、コードタイプとコードの位置関係がよくわかる。

コード検出域の鍵盤数が24個の場合のコードタイプは、(Maj),(add9),6,mM7,M7,m,m(add9),m6,m7(9),m7,m7(b5),7,7(b9),7(9),7(#9),7(b13),7(13),7(#11),dim7,dim,M7(#5),aug,7sus4,sus4。

ディグリーネーム[編集]

決まった調性の中で、スケールの始まりの音から順にローマ数字を振っていき、ローマ数字をルートにして、ローマ数字の順にコードタイプを付記したもの。決まった調性のスケールにおけるコードのルートを、基準音から順にローマ数字に置き換えたもの。言い換えれば、決まった調性の中で、どのコードタイプが鳴っているかを表現したもの。キーを変更してもディグリーネームが変わらないため、ある調のコードタイプを表す際に使われる。調名は英語で表記する。トニックからの度数を表すローマ数字を使って表す。

和音記号[編集]

調性に応じて相対的に決まる。実用的なスケール音度上に構成される和音を表現するためのもので、調性の根音に対して、N度、N+2度、N+4度の音の組合せを、Nのローマ数字で書く。ディグリーネームと共通なのは、ローマ数字をルートにしたものだけである。四音のダイアトニックコードを表す場合は、和音記号の右下に小さい数字で7と書く。調名は、ドイツ音名で表記する。例えばCのコードは、ハ長調でI、ト長調でIV、ヘ長調でVと書かれる。

コードの種類[編集]

コードネームの読み方は、次のように読む。

  • (Maj)=メジャー。4-3-5半音間隔
  • 7=セブンス。4-3-3-2半音間隔
  • M7=メジャーセブンス。4-3-4-1半音間隔
  • 6=シックス。4-3-2-3半音間隔
  • m=マイナー。3-4-5半音間隔
  • m7=マイナーセブンス。3-4-3-2半音間隔
  • mM7=マイナーメジャーセブンス。3-4-4-1半音間隔
  • m6=マイナーシックス。3-4-2-3半音間隔
  • m7(b5)=マイナーセブンスフラットファイブ。3-3-4-2半音間隔
  • aug=オーギュメント。4-4-4半音間隔。増三和音とも言い、音が全て半音4個分の等間隔で並んでいて、オクターブを3等分したものになっている。オクターブを3等分したものの名は、「aug(オーギュメント)」という特有の名前が付いている。構成音の度数を確認・書き出した場合、メジャーコードの5度がシャープしたもので、ルートがCなら「C (#5)」という具合にもなる。
  • dim=ディミニッシュ。3-3-6半音間隔
  • dim7=ディミニッシュセブンス。3-3-3-3半音間隔。減七の和音とも言い、音が全て半音3個分の等間隔で並んでいて、オクターブを4等分したものになっている。
  • (b5)=フラットファイブ。4-2-6半音間隔
  • 7(b5)=セブンスフラットファイブ。4-2-4-2半音間隔
  • M7(#5)=メジャーセブンスシャープファイブ。4-4-3-1半音間隔
  • sus4=サスフォー。5-2-5半音間隔
  • 7sus4=セブンスサスフォー。5-2-3-2半音間隔
  • sus2=サスツー。2-5-5半音間隔
  • (add9)=アドナインス
  • m(add9)=マイナーアドナインス
  • 7(9)=セブンスナインス
  • M7(9)=メジャーセブンスナインス
  • 6(9)=シックスナインス
  • m7(9)=マイナーセブンスナインス
  • mM7(9)=マイナーメジャーセブンスナインス
  • 7(b9)=セブンスフラットナインス
  • 7(#9)=セブンスシャープナインス
  • m(add11)=マイナーアドイレブンス
  • m7(11)=マイナーセブンスイレブンス
  • 7(#11)=セブンスシャープイレブンス
  • M7(#11)=メジャーセブンスシャープイレブンス
  • 7(b13)=セブンスフラットサーティーンス
  • 7(13)=セブンスサーティーンス
まとめ

*(Maj) *7 *M7 *6 *m *m7 *mM7 *m6 *m7(b5) *aug *dim *dim7 *7(b5) *M7(#5) *sus4 *7sus4 *sus2 *(add9) *m(add9) *7(9) *M7(9) *6(9) *m7(9) *mM7(9) *7(b9) *7(#9) *m(add11) *m7(11) *7(#11) *M7(#11) *7(b13) *7(13)

ルートがCの場合(鍵盤上の位置)

ルートCから数えたときの度数

コードの種類、コードの構成音は、ルートをCに固定して考えてみればわかる。

──────┐
       
   ■──┤
       13
b13■──┤
       
♯11■──┤
       11
──────┤
       
 ♯9■──┤
       9
 b9■──┤
       Oct
──────┤
       7
 b7■──┤
       6
 ♯5■──┤
       5
 b5■──┤
       4
──────┤
       3
 b3■──┤
       2
   ■──┤
       1
──────┘

ルートをCとしたときのコードネームとその表記をまとめてある。構成音は下記のとおりである。

コードタイプ 和名、日本語訳 度数・押鍵 ルートがCの場合(記載例) 構成音(音の配列)
メジャー 長三和音 1-3-5 C ド.ミ.ソ
セブンス〔7〕 属七の和音 1-3-(5)-b7 C7 ド.ミ.(ソ).シb
メジャーセブンス〔M7〕 長七の和音 1-3-5-7 CM7 ド.ミ.ソ.シ
シックス〔6〕 1-3-5-6 C6 ド.ミ.ソ.ラ
マイナー〔m〕 短三和音 1-b3-5 Cm ド.ミb.ソ
マイナーセブンス〔m7〕 短七の和音 1-b3-5-b7 Cm7 ド.ミb.ソ.シb
マイナーメジャーセブンス〔mM7〕 短三長七の和音 1-b3-5-7 CmM7 ド.ミb.ソ.シ
マイナーシックス〔m6〕 1-b3-5-6 Cm6 ド.ミb.ソ.ラ
マイナーセブンスフラットファイブ〔m7(b5)〕 減五短七の和音、半減七の和音 1-b3-b5-b7 Cm7(b5) ド.ミb.ソb.シb
オーギュメント〔aug〕 増三和音 1-3-#5 Caug ド.ミ.ソ#
ディミニッシュ〔dim〕 減三和音(ディミニッシュトライアド) 1-b3-b5 Cdim ド.ミb.ソb
ディミニッシュセブンス〔dim7〕 減七の和音 1-b3-b5-bb7(6) Cdim7 ド.ミb.ソb.シbb(ラ) or シ#.レ#.ファ#.ラ
フラットファイブ〔(b5)〕 1-3-b5(#4) C(b5) ド.ミ.ソb(ファ#)
セブンスフラットファイブ〔7(b5)〕 減五属七の和音 1-3-b5-b7 C7(b5) ド.ミ.ソb.シb
メジャーセブンスシャープファイブ〔M7(#5)〕 増七の和音、増五長七の和音 1-3-#5-7 CM7(#5) ド.ミ.ソ#.シ
サスフォー〔sus4〕 1-4-5 Csus4 ド.ファ.ソ
セブンスサスフォー〔7sus4〕 1-4-5-b7 C7sus4 ド.ファ.ソ.シb
サスツー〔sus2〕 1-2-5 Csus2 ド.レ.ソ
アドナインス〔(add9)〕 1-3-5-9 C(add9) ド.ミ.ソ.レ
マイナーアドナインス〔m(add9)〕 1-b3-5-9 Cm(add9) ド.ミb.ソ.レ
セブンスナインス〔7(9)〕 1-3-5-b7-9 C7(9) ド.ミ.ソ.シb.レ
メジャーセブンスナインス〔M7(9)〕 1-3-5-7-9 CM7(9) ド.ミ.ソ.シ.レ
シックスナインス〔6(9)〕 1-3-5-6-9 C6(9) ド.ミ.ソ.ラ.レ
マイナーセブンスナインス〔m7(9)〕 1-b3-5-b7-9 Cm7(9) ド.ミb.ソ.シb.レ
マイナーメジャーセブンスナインス〔mM7(9)〕 1-b3-5-7-9 CmM7(9) ド.ミb.ソ.シ.レ
セブンスフラットナインス〔7(b9)〕 1-3-5-b7-b9 C7(b9) ド.ミ.ソ.シb.レb
セブンスシャープナインス〔7(#9)〕 1-3-5-b7-#9(b10) C7(#9) ド.ミ.ソ.シb.レ#(ミb)
マイナーアドイレブンス〔m(add11)〕 1-b3-5-11 Cm(add11) ド.ミb.ソ.ファ
マイナーセブンスイレブンス〔m7(11)〕 1-b3-5-b7-11 Cm7(11) ド.ミb.ソ.シb.ファ
セブンスシャープイレブンス〔7(#11)〕 1-3-5-b7-#11 C7(#11) ド.ミ.ソ.シb.ファ#
メジャーセブンスシャープイレブンス〔M7(#11)〕 1-3-5-7-#11 CM7(#11) ド.ミ.ソ.シ.ファ#
セブンスフラットサーティーンス〔7(b13)〕 1-3-5-b7-b13 C7(b13) ド.ミ.ソ.シb.ラb
セブンスサーティーンス〔7(13)〕 1-3-5-7-b13 C7(13) ド.ミ.ソ.シb.ラ
  • メジャーセブンスコードの場合、メジャーコードに長7度が乗るが、元になるメジャーコードの大文字のMやMajが省略され、表記は「CM7」「CMaj7」になる。Cm7のmは元になるマイナーコードを表すもので、CM7のMは長7度の付加音を表すものである。コードネームに登場する小文字のmは、前のルート音名に掛かって、元になるマイナーコードを表し、大文字のMまたはMajは、後ろの音程の数字に掛かって、付加音が長7度であることを表している。Mとmの決まりは、大文字のMと小文字のmは、混同され、どっちがどっちかわかりにくい場合もある。
  • ディミニッシュセブンス〔dim7〕コードは、ルートがCの場合、Cdim7の7thが、長6度のラの理由は、シ♭♭、音程は♭♭7度=減7度で考え、減7度は長6度を7度音程の考え方で書いたもので、短7度を更に半音狭めた音程であり、ディミニッシュセブンス〔dim7〕コードの度数は、「ルート、短3度、減5度、減7度(♭♭7度)」で、Cdim7の構成音のスペルは「ド.ミ♭.ソ♭.シ♭♭」となる。ルートから、短3度を規則正しく3回重ねた四和音となる。トライアドがdimの場合、7はdimに掛かり、ディミニッシュ〔dim〕とセブンス〔7〕が組み合わさって、7は減7度(♭♭7度)になる。「dim=減音程」という意味で、減音程が、5度だけではなく7度にも掛かる。ルートから短3度を2回重ねた三和音だと、短3度重ねが不完全一致で、オクターブ内に収まっていないため、減5度の上に更に短3度を乗せるためである。ルートから規則正しく短3度上がると、ルート→短3度→減5度と来て、減5度の更に短3度上は、長6度とは呼べず、減7度になるからである。長6度だと、減5度と長6度の音程関係は、短3度とは呼べず、#2度=増2度になり、3度堆積を崩し、短3度を規則正しく重ねたことにならないからである。音符のバランスが崩れた並びになり、音符の位置が一つ横にはみ出して、ずれてしまう。4つ目の音が減7度なのは、ルートからの音程が全て3度間隔で進んでいくもので、セブンス系で考えるからである。減音程が7度にも掛かることにより、減7度から更に短3度上がると、またルートに戻るので、ディミニッシュセブンス〔dim7〕コードは、オクターブを4等分したもので、構成音の音程間隔が全て短3度(半音3個)で、転回しても構成音が同じで、等間隔音程和音となる。ルートから短3度を3回重ねたことにより、短3度重ねが完全に一致し、オクターブ内に収まる。ディミニッシュセブンスの響きは、これ単体だと、減7度は実音長6度で、ディミニッシュセブンス〔dim7〕コードは、鍵盤上同じ音であれば、例外として#・♭が異名同音で書き換えられることもある。よって、Cdim7(ディミニッシュセブンス)=Cm6(♭5)(マイナーシックスフラットファイブ)と読むこともできる。コードネームの構造で、「Cm6(♭5)」という組み合わせで「Cdim7」になる。よくある素朴な疑問は、オクターブを4等分したコードは、「□m6(♭5」で正しいと思いますか?がよく知られている。
  • ちなみに、dimコードを楽譜に書くときは、実際の演奏はdim7で演奏される。dim7コードを楽譜に書くときは、表記上の7を省略して、「□dim」と書くことが多い。例:譜面の表記”Cdim”→実際の演奏”Cdim7(ド.ミ♭.ソ♭.シ♭♭)”。楽譜上、7の表記がついていなくても、♭♭7thが入った四和音で演奏される。実音が、ルート、短3度、減5度の三和音の場合は、楽譜上は、「□m(♭5)」と表記する。
  • aug(オーギュメント)コードは、増5度から更に長3度上がると、またルートに戻るので、オーギュメント〔aug〕コードは、オクターブを3等分したもので、構成音の音程間隔が全て長3度(半音4個)で、転回しても構成音が同じで、等間隔音程和音となる。ルートから長3度を2回重ねたことにより、長3度重ねが完全に一致し、オクターブ内に収まる。増5度は実音短6度で、aug(オーギュメント)コードは、鍵盤上同じ音であれば、例外として#・♭が異名同音で書き換えられることもある。「aug」の読み方については、「aug=augment(ed)」の略で、「augment」の読み方は、フォニックス読みでは、正しい発音は「オーグメント」であるが、日本語のカタカナ表記では「オーギュメント」と表記される場合が多い。
  • sus4(サスフォー)コードに短7度を付加したコード、sus4(サスフォー)のセブンスは、表記は、「sus4 7(サスフォーセブンス)」ではなく、「7sus4(セブンスサスフォー)」になる。もし、「sus4 7」と書くと、4と7を離して書いても、4と7をくっ付けて「sus47」と書いても、4と7が区別できず、4と7の数字が続いて「47」に見え、わかりにくくなるため、sus4(サスフォー)のセブンスは、表記の順番が逆になる。「ドミナントセブンスサスフォー」とも呼ばれるからである。
  • aug(オーギュメント)、dim7(ディミニッシュセブンス)の転回形は、押鍵・鍵盤の最低音はルート(根音)とみなされる。
  • 普通のセブンス〔7〕コード=ドミナントセブンスコードは、完全5度が省略されることがよくある。メジャーコードの完全5度を短7度に変えると、ドミナントセブンスコードになる。ドミナントセブンスコードの完全5度は、特徴音以外の音で、実体の無い音で、関係が無い音である。ドミナントセブンスコードの完全5度省略は、三和音扱いである。三和音なのに基本は四和音の性質である。構成音の全てを押さえなくても、5度省略の3つ押さえただけで四和音扱いとなる。ドミナントセブンスコードは、完全5度があれば完全形、完全5度が無ければ不完全形である。
  • テンションコードで、「7(#9)〔セブンスシャープナインス〕」は、音楽の教科書によっては混乱を避けるために「7(b10)〔セブンスフラットテンス〕」と書かれることもあると書いてあった。「7(#9)〔セブンスシャープナインス〕」コード表記の解釈は、無理矢理書けば「7(b10)〔セブンスフラットテンス〕」と捉えることはあるまいが。ローランドの電子ピアノでは、「C7(#9)」のテンションコードを入力した場合は、「C7(b10)」になっているものもあった。C7(#9)は、C7とCmが同時に鳴った状態と解釈できる。#9thは、9th系のテンションとは扱えない。音程は、長3度と短3度の2つの3度音程の共存である。バンドスコアの楽譜では、短10度の音程で統一されている。
  • マイナーコードに完全11度のテンションを付加したコード、m(add11)〔マイナーアドイレブンス〕コードは、ヤマハの電子ピアノでは、m(add11)〔マイナーアドイレブンス〕コードの構成音を入力すると、m7(11)〔マイナーセブンスイレブンス〕と認識され、ヤマハの電子ピアノでは、m7(11)〔マイナーセブンスイレブンス〕コードとm(add11)〔マイナーアドイレブンス〕は同じコードとみなす。m(add11)〔マイナーアドイレブンス〕に短7度を付加したコード。ルートがCなら、コード「Cm(add11)」の構成音「ド.ミb.ファ.ソ」を入力→画面表示と実音は「ド.ミb.ファ.ソ.シb」「コードネーム=Cm7(11)」と出る。m7(11)〔マイナーセブンスイレブンス〕コードとm(add11)〔マイナーアドイレブンス〕は、構成音は違うが、実質的な使い方には響きはあまり差が無いので、同じコードネームを使うことが多い。ヤマハの電子ピアノでは、通常「Cm(add11)」と書かれていても「Cm7(11)」で演奏する。譜面の表記:「Cm(add11)」→実際の演奏:「Cm7(11)」。
  • スマホのアプリには、「My Piano Assistant」などがある。

ピアノコード表では、ルートが黒鍵の場合、「G#/A♭」のように、各コードネーム部分は、2種類の音名表記のルートが記されている。□の部分に入るのはルートとしている。

  • しかし、最近のヤマハの電子楽器が検出・認識できるコードの種類では、例えば、ルートがCなら「C(b5)」、「CM7(b5)」、「CmM7(b5)」のフラットファイブ(b5)系のコードが3つ増えている。なので、DTMが検出できるコードの種類には、この新しく追加された3種類のコードは対応していないということになる。

脚注[編集]

  1. とはいえギターは弦が六本あるが。
  2. ♭11thは10thと同じで、実質メジャーコードの第3音と同じになるので、♭11thは事実上存在しない

外部リンク[編集]

関連項目[編集]