勘定吟味役異聞

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

勘定吟味役異聞(かんじょうぎんみやくいぶん)とは、江戸時代中期(徳川家宣徳川家継)を舞台にした時代劇小説、及び漫画である。原作は上田秀人。漫画はかどたひろし

概要[編集]

上田秀人の原作の光文社時代小説であり、文庫化されている。また、株式会社リイド社から漫画化もされており、コミック乱ツインズで連載されている。

ストーリー[編集]

第6代征夷大将軍・徳川家宣の治世に幕政の実権を握った新井白石は、水城聡四郎を見出して勘定吟味役に登用する。白石は水城の剣の腕を買っており、その裏で蠢く様々な陰謀の調査を命じ、若き主人公・水城聡四郎はそれに巻き込まれてゆく。

登場人物[編集]

主要人物たち[編集]

水城聡四郎(みずき そうしろう)
本作の主人公。新井白石に見出されて勘定吟味役に登用される。白石の命令で幕府の不正を暴くのを役目としている。剣の腕は超一流。水城家の4男であったが長兄が急死したため、家督を相続している。急遽家督相続者になったため、26歳と当時なら結婚していておかしくない年齢であるがまだ独身である。
紅(あかね)
本作のメインヒロイン。江戸最大の人入屋・相模屋伝兵衛の1人娘。聡四郎と出会って好意を寄せてゆくが、そのために多くの事件に巻き込まれてゆく。美人だが男勝りな性格。
相模屋伝兵衛(さがみや でんのひょうえ)
江戸最大の人入れ屋である相模屋の主人。紅の父親。水城をよく支え助けている。
袖吉(そできち)
相模屋の職人頭。聡四郎や紅を手助けし、信頼されている。
大宮玄馬(おおみや げんま)
入江無手斎の弟子で聡四郎の弟弟子。水城家の家臣となる。
紀伊国屋文左衛門(きのくにや ぶんざえもん)
江戸幕府に大きな影響力を持つ豪商。聡四郎に不正を暴かれそうになりその始末にかかるが失敗。隠居するもなおも強大な影響力を保持している。通称は紀文(きぶん)。
太田彦左衛門(おおた ひこざえもん)
聡四郎とは親子ほど年齢差があるが下僚として働いている。勘定の知識に精通しており、勘定の知識に乏しい聡四郎を助けている。
入江無手斎(いりえ むてさい)
聡四郎の剣の師匠。一放流剣術指南で伝説的な剣術家。

江戸幕府[編集]

新井白石(あらい はくせき)
徳川家宣の側近で正徳の治といわれる幕政改革を実行する。非常によく頭が切れるが徳に欠けており、人使いが荒い。
間部詮房(まなべ あきふさ)
家宣に寵愛された側近で、老中側用人。家宣亡き後、家継のもとで幕政の第1人者となる。
荻原重秀(おぎわら しげひで)
幕臣で勘定奉行。綱吉の時代に辣腕を振るったが一方で不正もしており、新井白石から敵視されて聡四郎に不正を暴かれて失脚した。

尾張藩[編集]

徳川吉通(とくがわ よしみち)
尾張徳川家の当主で尾張藩主。第7代将軍の座を狙って暗躍する。
竹腰山城守(たけのこし やましろのかみ)
尾張徳川家の付家老。

紀伊藩[編集]

徳川吉宗(とくがわ よしむね)
紀伊徳川家の当主で紀伊藩主。第8代将軍の最有力者。

柳沢家[編集]

柳沢吉保(やなぎさわ よしやす)
第5代将軍・徳川綱吉の時代に権勢を振るった元大老格側用人。綱吉の死後は隠居しているが、なおも幕政に大きな影響力を保持して暗躍している。
永渕啓輔(ながぶち けいすけ)
幕府の徒目付であるが、吉保の腹心として働いている。恐るべき剣の遣い手。
浅山鬼伝斎(あさやま きでんさい)
永渕の師匠で恐るべき遣い手。入江無手斎に復讐を誓い、吉保の命令で江戸の各道場で試合の名を借りた殺人を繰り返す。