内田康夫

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内田 康夫(うちだ やすお、昭和9年(1934年11月15日 - 平成30年(2018年3月13日)は、日本の推理作家。『浅見光彦(テレビドラマ版は「浅見光彦シリーズ」参照)』など数々の作品で有名である。は作家の早坂真紀(内田由美)。

生涯[編集]

東京都出身。CM制作会社の経営をしていた昭和55年(1980年)に自費で出版した長編小説・死者の木霊が注目され、46歳にして作家としてデビューする。これを機に出版社から注文が殺到するようになり、一躍専業作家となる。

昭和57年(1982年)から後鳥羽伝説殺人事件から始まった浅見光彦シリーズで人気が一気に高まり、西村京太郎と並ぶ旅情ミステリーの書き手として活躍する。浅見シリーズは映像化されてテレビドラマで人気を博し、天河伝説殺人事件では市川崑によって映画化されるほどであった。浅見シリーズは累計およそ9700万部、信濃のコロンボシリーズや歴史小説地の日、天の海などを含めて著作の累計発行部数はおよそ1億1500万部となる。

昭和58年(1983年)に長野県軽井沢町に転居した。

平成20年(2008年)に日本ミステリー文学大賞を受賞する。平成27年(2015年7月脳梗塞により倒れてリハビリに専念する。その2年後の3月に書き続けることが難しくなったとして休筆を宣言する。浅見シリーズは114作目の孤道を未完のまま出版し、完結編を公募した。

平成30年(2018年)3月13日午前8時25分、敗血症のため東京都内で死去。83歳没。

作品リスト[編集]

後ろの括弧内は執筆順である。また中には内田作品に登場する探偵の『競演もの』が多数存在する。

浅見光彦シリーズ[編集]

短編集「鏡の女」「地下鉄の鏡」「透明な鏡」
  • 美濃路殺人事件 (30)
  • 長崎殺人事件 (31)
  • 終幕(フィナーレ)のない殺人 (33)
  • 竹人形殺人事件 (35)
  • 軽井沢殺人事件 (36)
信濃のコロンボシリーズとのクロスオーバー作品
  • 佐用姫伝説殺人事件 (37)
  • 恐山殺人事件 (38)
  • 日光殺人事件 (39)
  • 天河伝説殺人事件[上・下巻] (40)
  • 鞆の浦殺人事件 (41)
  • 志摩半島殺人事件 (42)
  • 津軽殺人事件 (43)
  • 江田島殺人事件 (44)
  • 隠岐伝説殺人事件[上・下巻/上下合本あり] (46)
  • 城崎殺人事件 (48)
  • 隅田川殺人事件 (50)
  • 横浜殺人事件 (51)
  • 金沢殺人事件 (52)
  • 讃岐路殺人事件 (53)
  • 日蓮伝説殺人事件[上・下巻/上下合本あり] (54)
  • 琥珀の道(アンパーロード)殺人事件 (55)
  • 菊池伝説殺人事件 (56)
  • 神戸殺人事件 (58)
  • 琵琶湖周航殺人歌 (59)
  • 御堂筋殺人事件 (60)
  • 歌枕殺人事件 (61)
  • 伊香保殺人事件 (62)
  • 平城山(ならやま)を越えた女 (63)
  • 「紅藍(くれない)の女(ひと)」殺人事件 (64)
  • 耳なし芳一からの手紙 (65)
  • 三州吉良殺人事件 (66)
  • 上野谷中殺人事件 (67)
  • 鳥取雛送り殺人事件 (68)
  • 浅見光彦殺人事件 (69)
  • 博多殺人事件 (70)
  • 喪われた道 (71)
  • 鐘 (72)
  • 「紫の女」殺人事件 (73)
  • 薔薇の殺人 (74)
  • 熊野古道殺人事件 (75)
  • 若狭殺人事件 (76)
  • 風葬の城 (77)
  • 朝日殺人事件 (78)
  • 透明な遺書 (80)
  • 坊っちゃん殺人事件 (81)
  • 「須磨明石」殺人事件 (82)
  • 斎王の葬列 (84)
  • 鬼首(おにこうべ)殺人事件 (86)
  • 箱庭 (88)
  • 怪談の道 (89)
  • 歌わない笛(90)
  • 幸福の手紙(91)
  • 沃野の伝説[上・下巻] (93)
信濃のコロンボシリーズとのクロスオーバー作品
  • 札幌殺人事件[上・下巻] (94)
  • 軽井沢通信
  • イーハトーブの幽霊 (97)
  • 記憶の中の殺人 (99)
  • 華の下にて (100)
  • 蜃気楼 (101)
  • 姫島殺人事件 (102)
  • 崇徳伝説殺人事件 (104)
  • 皇女の霊柩 (106)
  • 遺骨 (107)
  • 鄙の記憶 (109)
  • 藍色回廊殺人事件 (112)
  • はちまん[上・下巻] (114)
  • 黄金の石橋 (115)
  • 氷雪の殺人 (117)
  • ユタが愛した探偵 (119)
  • 秋田殺人事件 (123)
  • 貴賓室の怪人「飛鳥」編 (124)
  • 不知火海 (125)
  • 鯨の哭く海 (126)
  • 箸墓幻想 (127)
  • 中央構造帯 (128)
  • しまなみ幻想 (129)
  • 贄門島[上・下巻] (130)
  • 化生の海 (133)
  • 十三の冥府 (134)
  • イタリア幻想曲 貴賓室の怪人II (135)
貴賓室の怪人「飛鳥」編の続きの話となっている。
  • 他殺の効用 内田康夫ミステリー・ワールド (136)
短編集「他殺の効用」「乗せなかった乗客」「透明な鏡」「ナイスショットは永遠に」「愛するあまり」
  • 上海迷宮 (137)
  • 風の盆幻想 (138)
  • 逃げろ光彦
  • 悪魔の種子 (140)
  • 棄霊島[上・下巻]
浅見光彦シリーズ第百作
  • 還らざる道
  • 長野殺人事件
信濃のコロンボシリーズとのクロスオーバー作品
  • 幻香
  • 壺霊
  • 砂冥宮
  • ぼくが探偵だった夏
信濃のコロンボシリーズとのクロスオーバー作品
  • 教室の亡霊
  • 神苦楽島[上・下巻]
  • 不等辺三角形
  • 風のなかの櫻香
  • 黄泉から来た女
  • 汚れちまった道
  • 萩殺人事件
  • 北の街物語
  • 遺譜 浅見光彦最後の事件[上・下巻]
  • 孤道
  • 孤道 完結編

浅見光彦シリーズ 紀行文・随筆[編集]

  • 浅見光彦のミステリー紀行 第1集 (79)
  • 浅見光彦のミステリー紀行 第2集 (85)
  • 浅見光彦のミステリー紀行 第3集 (87)
  • 浅見光彦のミステリー紀行 第4集 (92)
  • 浅見光彦のミステリー紀行 番外編1 (95)
  • 軽井沢通信 浅見光彦からの手紙 (96)
  • 浅見光彦のミステリー紀行 第5集 (98)
  • 浅見光彦のミステリー紀行 番外編2 (103)
  • 全面自供 浅見光彦と内田康夫 いいたい放題 (110)
  • 浅見光彦のミステリー紀行 第6集 (111)
  • ふりむけば飛鳥 浅見光彦世界一周船の旅 (113)
  • 浅見光彦を追え ミステリアス信州 (116)
  • 浅見光彦のミステリー紀行 第7集 (118)
  • 名探偵浅見光彦の食いしん坊紀行 (120)
  • 極秘調査ファイルシリーズ(内田康夫監修 / 浅見光彦倶楽部編著)
極秘調査ファイル1 浅見光彦の秘密 (121)
極秘調査ファイル2 浅見光彦の真実 (122)
  • 浅見光彦のミステリー紀行 第8集 (128)
  • 浅見光彦の日本不思議舞台地の旅(エッセイ集)

信濃のコロンボシリーズ[編集]

  • 死者の木霊(1)
岡部警部も捜査に参加している
  • 戸隠伝説殺人事件 (7)
  • 信濃の国」殺人事件 (19)
  • 北国街道殺人事件 (34)
  • 追分殺人事件 (45)

岡部警部シリーズ[編集]

  • 萩原朔太郎」の亡霊 (4)
  • シーラカンス殺人事件 (8)
  • 倉敷殺人事件 (11)
  • 多摩湖畔殺人事件 (12)
  • 横山大観」殺人事件 (17)
  • 十三の墓標 (32)

その他(ミステリー作品)[編集]

  • 本因坊殺人事件 (2)
  • 遠野殺人事件 (6)
  • 夏泊殺人岬 (10)
  • パソコン探偵の名推理 (14)
短編集
  • 明日香の皇子 (15)
  • 杜の都殺人事件 (21)
  • 王将たちの謝肉祭 (24)
  • 盲目のピアニスト (26)
短編集
  • 軽井沢の霧の中で (29)
短編集
  • 少女像(ブロンズ)は泣かなかった (47)
  • 湯布院殺人事件 (49)
  • 釧路湿原殺人事件 (57)
  • 死線上のアリア (83)
短編集
  • 存在証明 (108)
  • Escape 消えた美食家 (131)

その他(再録短編集)[編集]

  • 龍神の女 内田康夫と5人の名探偵 (132)
  • 浅見光彦と七人の探偵たち

その他(随筆など)[編集]

  • 我流ミステリーの美学 内田康夫自作解説第1集 (105)
  • 歌枕かるいざわ (129)

その他(ファンタジーロマン)[編集]

  • 靖国への帰還

オーディオブック[編集]

劇中人物としての内田康夫[編集]

内田康夫は自作の小説の中に「小説家・内田康夫」なるキャラクターを登場させている。プロフィールは作者である内田康夫のものに準ずる。小説内において『軽井沢のセンセ』という愛称で呼ばれており、交友範囲も広い。

主に『浅見光彦シリーズ』に登場し、浅見から事件のレポートを受け取りそれを小説にするという役柄を持つ(ただしめったに事件に首を突っ込まないし、浅見のために何かをするわけでもない。いわゆる「シャーロック・ホームズにおけるワトソン」役ではない)。「内田康夫」は浅見からすれば厄介事を持ってくる張本人の一人であり敬遠したい相手と設定されている。

内田本人が本人役として出演したことがあるほか、2008年のフジテレビ版浅見光彦シリーズでは伊東四朗が演じている[1]

映像化された作品[編集]

テレビドラマ[編集]

映画[編集]

出演[編集]

テレビドラマ[編集]

  • 月曜ドラマスペシャル浅見光彦シリーズ1
    • 『高千穂伝説殺人事件』(1994年4月25日、TBS) 本人役
  • 金曜エンタテイメント・浅見光彦シリーズ4
  • 金曜エンタテイメント・浅見光彦シリーズ7
    • 『恐山殺人事件』(1998年11月20日、フジテレビ)
  • 金曜エンタテイメント・浅見光彦シリーズ 14
    • 『黄金の石橋』(2002年4月12日、フジテレビ) 本人役
  • 金曜プレステージ・浅見光彦シリーズ29
    • 『熊野古道殺人事件』(2008年1月18日、フジテレビ)
  • 金曜プレステージ・浅見光彦シリーズ30

バラエティ[編集]

ドラマCD[編集]

脚注[編集]

  1. その作品では内田自身も別役として出演している。

外部リンク[編集]