中1ギャップ
中1ギャップ(ちゅういちギャップ)とは、小学校から中学校へ進学した時に起きるとされる心理・学問・文化的ギャップとそれに起因するショックのこと。
概要[編集]
小学校と中学校では心理・学問・文化が大きく異なり、子供がショックを受けて学校に行けなくなったり、最悪の場合自ら命を絶ったりする事にも発展する。
中1ギャップは入学直後から1学期の間に起きる訳では無い。1年間生活を送っていく中で徐々に顕在化する場合もある。
原因[編集]
先輩・後輩の関係の出現[編集]
小学校では比較的希薄或いは存在しない先輩と後輩という関係が生じることもある。
過疎地の複式学級を編成している学校やインターナショナル・スクール、オルタナティブ・スクールを別にすれば先輩・後輩は絶対とされることもあり、その場合には最年少の1年生は校則で明文化されていない(学校としては守るべきルールと定めていない)暗黙のルールに縛られて不自由な生活を送らざるを得ない事がある。
いじめの発生・人間関係の構築失敗[編集]
建前上は対等な同級生であっても、成長の遅い早いなどで体格の違いが激しくなり、同級生間のいじめの発生率が高まりやすい。
また中学校の設置数は小学校に比べて少ないとされ、それに応じて学区が広がり、複数の異なる小学校から1つの中学校へ生徒が集まることもある。その場合は同じ学年・学級に異なる小学校の人間が混在して新しい人間関係が成立するため、従来の人間関係が崩壊する、新しい人間関係を築けずに孤立してしまう。
なお、一学区一小学校の中学校である場合はこの限りでない。また、小学校での悪い人間関係を中学校で引き継き、他小学校出身者を巻き混んで悪弊が拡大する場合は、進級時に生徒が過去の人間関係を断ち切る流動ができないことが問題となる。
学習負荷の増大[編集]
学習面でも、小学校に比べて授業の内容は難しくなり、教科ごとに担当教員が交代する教科担任制、英語など小学校では本格的でなかった科目が主要教科となる。また各教科のテストが単元ごとの実施から決まった時期に全教科一斉に行う定期考査に変わる。
このように小学校と比較すると学習負荷が高まり、勉強についていけなくなって不登校に陥る事例も出てくる。
対策[編集]
中1ギャップ対策として、小中学校間での連携対策や小6段階での中学校行事参加、義務教育学校化による一貫教育を行っているところがある。
学習負担の増大は習熟度別学習で解決を図る事例が多い。一方、本人から原級留置を申し出て、個々の消化能力に応じたゆとりを与え、習熟の適正化をする方法もあり、橋下徹が本人申出の原級留置許容の発言もしているが、ホームルームと授業クラスが一体化し、年齢別学年が定着している日本の文部科学省はあまり積極的でない。