ヒョウタンハダカカメガイ

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ヒョウタンハダカカメガイ
分類
動物界
軟体動物門
腹足綱
翼足目
上科ハダカカメガイ上科
ハダカカメガイ科
亜科ジュウモンジハダカカメガイ亜科
ジュウモンジハダカカメガイ属
ヒョウタンハダカカメガイ
名称
学名Thliptodon akatukai
Tokioka, 1950[1]
和名ヒョウタンハダカカメガイ (瓢箪裸亀貝)
保全状況

ヒョウタンハダカカメガイとは、翼足目ハダカカメガイ科に属する浮遊性巻貝の一種である。

形状[編集]

2009年に撮影された写真では、通常のクリオネを太らせたような雪だるまもしくはヒョウタン型の形状をしている。

体全体が透明で、体中に斑紋がある[2]。蝶の羽根のような「翼足」を使って泳ぐ[3]

翼足は、丸く広がっており、ヘラ状である。同属他種のトリプトドン・ゲゲンバウリ(Thliptodon gegenbauri)に非常に良く似る[2]

生態[編集]

ハダカカメガイナンキョクハダカカメガイが寒冷な海を好むのに対し、本種は比較的温暖な海に生息すると考えられており、鹿児島県和歌山県沿岸、駿河湾で確認されている[3][2]

クリオネと言えば「バッカルコーン」を出して餌のリマシナを捕獲するシーンを思い浮かべる人もいるが、ヒョウタンハダカカメガイはバッカルコーンを持たない。

発見[編集]

1933年時岡隆ときおか たかし京都大学名誉教授と学生らによって、和歌山県の京都大学付属瀬戸臨界実験所近くの海域でプランクトンネットによって採集され、1950年10月5日に発行された論文「Droplets From the Plankton Net」 で報告された[1]

それ以降は論文中のスケッチが残るのみで、新たな標本も報告されず、和名もなかった[3]

2009年静岡県沼津市大瀬崎にて潜水中の水中写真家の峯水亮みねみず りょう氏により撮影・捕獲され、同定は東京海洋大学名誉教授である奥谷喬司が行い、約60年ぶりの再発見とされ[3]、76年ぶりの報告であった。再発見に伴い、「ヒョウタンハダカカメガイ」の和名が奥谷喬司教授によって朝日新聞の紙面上で提唱された[3]

なお2024年現在、仮の学名が付いているだけで、まだ未記載種状態である。

種小名は、ジュウモンジハダカカメガイ属であると同定したAkatukai博士に由来する。

脚注[編集]

出典
  1. a b T., Tokioka (05 Oct 1950). “Droplets From the Plankton Net”. PUBLICATIONS OF THE SETO MARINE BIOLOGICAL LABORATORY (Seto Marine Biological Laboratory) 1 (3): 151-157. doi:10.5134/174437. http://hdl.handle.net/2433/174437. 
  2. a b c 奥谷喬司「わが国近海に見られる浮遊性巻貝類―Ⅶ 裸殻翼足類」、『うみうし通信 No.94』、水産無脊椎動物研究所、2017年3月
  3. a b c d e 山本智之 (2009年1月21日). “海にふわふわ、幻の「雪だるま」60年ぶり確認”. www.asahi.com. オリジナル2009年1月21日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090123223353/http://www.asahi.com/science/update/0121/TKY200901210176.html 2023年7月28日閲覧。