ジョナサン店長のパワーハラスメントによる従業員肋骨骨折事件

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ジョナサン店長のパワーハラスメントによる従業員肋骨骨折事件
場所日本国旗.png日本東京都港区ジョナサン芝公園店(すかいらーくグループ
日付2020年9月 - 2022年4月
標的従業員A(男性・30代)
攻撃手段暴力(肋骨骨折・打撲)・暴言・パワーハラスメント
損害重度ストレス障害
犯人店長B

ジョナサン店長のパワーハラスメントによる従業員肋骨骨折事件(ジョナサンてんちょうのパワーハラスメントによるじゅうぎょういんろっこつこっせつじけん)は、すかいらーくグループが運営する「ジョナサン芝公園店において、2020年9月から2022年4月まで、従業員A(男性・30代)が当時の店長Bから暴力暴言土下座等のパワーハラスメントを繰り返され、店長Bの暴力によってAが肋骨骨折した事件である[1][2][3][4][5]。すかいらーくグループは事実を認めている[5][6]

経緯[編集]

被害者のAは、アシスタントマネージャー(店長候補の正社員)として大学卒業後から新卒でジョナサンの複数の店舗に勤務していた[1]。複数の店舗で経験を積んだ後、2020年9月に芝公園店への異動を命じられた[1]

Aはその後、芝公園店の店長Bより極度のパワーハラスメントを受けるようになり、些細なことでも店舗でミスが発生すると「死ね、殺されてえのか」と怒鳴られ暴言を吐かれ、頭などを殴打されたり足蹴りを受け、骨折打撲に至るほどの暴力が日常的に行われていた[1][2][3][4]。殴られて激痛の状態で土下座させられることも何度もあったという[1][2][2][3]

2021年8月の肋骨骨折事件[編集]

2021年8月には肋骨を骨折する事件までが発生した[3][1]。店長Bが「どれだけ無駄なことをやっているか、わかってるのか」と怒鳴り、アルバイト店員の管理がなっていないとして激怒し、Aのネクタイを引っ張って店舗控え室に引きずりこむと、Aの右肋をで力強く殴りつけ、Aの肋骨を折った[1]。Aは恐怖のあまり涙が止まらなくなり、痛みすら感じられないまま22時まで働き続けたという[1]。Aは帰宅後にようやく激しい痛みに気付き、翌日整形外科を受診して骨折が発覚したが、2日間休んだだけで痛み止めの薬を服用しながらサポーターを巻いて勤務を続けた[1]。Aは恐怖で労災保険の申請ができず、誰かに相談することすらできなかったという[1]

2021年10月の蹴り事件[編集]

店長BはAを骨折させても態度を改めることがなく[2]、2021年10月にはアルバイトへの指導方法が悪いとして、店長BがAの左足の太ももを強烈に蹴り、Aはその場に倒れこんだが、狭い室内であったために腰と肩を強くぶつけた[1]。痛みのためにしばらく立てず、当日は足を引きずりながら勤務を続けることとなった。店長Bは「また(肋骨を)折られてえか」「お前は喉元すぎれば忘れるから、勉強になったな」とも暴言を吐いた[2]。更に同僚の前で「こいつは動物だから、痛みを与えねえとわからねえから」とも暴言を吐いたという[2]

痛さがひかないため店長に電話をかけ、「明日休ませてください」と頼んだが、店長Bは「お前がマネージャーだったら骨折しても休むのか。松葉杖ついてでも来るのが責任だ」と発言したという[1]

すかいらーく本社の対応不備[編集]

2021年5月から2022年3月までの約1年間に、ジョナサン芝公園店を利用した消費者からパワハラを告発する「通報」が少なくとも4回にわたり、すかいらーくのカスタマーセンターに届いていたという[2][3]。「おめー頭わりーから」「殺すぞテメー」「ゴミ野郎」「くそ野郎」という声が響いてきていたという[2][5]

カスタマーセンターからの連絡により、ジョナサンの営業本部長(当時)、営業部長(当時)ら上層部、そして店舗スタッフにも共有されたというが、店長へ口頭で注意したのみで[5]、まともな調査はなかったという[2][3]。Aは心身の限界に達し、社外相談窓口にパワハラ被害を通報し、パワハラ被害の苦痛から少し休みを取らせてほしいと打ち明けたが、営業部長は「調整しないといけないから」と答えて棚上げにしてしまったという[2]。会社への信用を失ったAはNPO法人に電話し、サポートを受けたAは心療内科で「重度ストレス障害」と診断を受け、すかいらーくに休職を通知して療養に入った。休職後も夜などに店長Bの暴力が突然フラッシュバックするという[2]

また、Aは勤怠記録を付けずに働くよう事実上指示されており、多い時には店長Bから月190時間ほどの残業を強いられ、過重労働も発生していたという[5]

店長Bは2022年4月に解雇された[3]懲戒解雇[6])。AとNPO法人は2022年7月22日に記者会見を行い[5]、店長Bに対し傷害容疑での刑事告訴を検討していると発表した[3][5]。Aは「毎日のように怒鳴られ、罵倒され、殴られ、胸ぐらを掴まれたりして、日々生きるのがつらかったです。私に対して休日出勤やら、深夜残業、休憩不取得などをほとんど認めてくれていません。私が必死に働いた時間を認めていただきたいんです」と述べた[5]

三田労働基準監督署がいずれも労働災害であると認定し、2022年7月26日に療養補償給付(治療費)の支給を決定した[1][7]

すかいらーくホールディングスは、2022年7月22日付でプレスリリース「ハラスメントに関する報道について」を発表して謝罪するとともに、店長Bに懲戒処分を下したこと、被害者Aに対し誠実に対応すること、ハラスメント防止を一層強化し再発防止を徹底することを表明した[6]

脚注[編集]

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  1. a b c d e f g h i j k l m 今野晴貴 (2022年8月19日). “ジョナサンの傷害事件で「労災」認定 店長の暴力で肋骨骨折も「休むな」”. Yahoo!ニュース. Yahoo!Japan. 2022年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月19日確認。
  2. a b c d e f g h i j k l 今野晴貴 (2022年7月27日). “「ジョナサン」店内で暴力事件 肋骨骨折も「勉強になったな」「また折られてえのか?」”. Yahoo!ニュース. Yahoo!Japan. 2022年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月19日確認。
  3. a b c d e f g h 「ジョナサン」店長が暴力 部下の肋骨折る、4月に解雇―東京”. 時事ドットコム. 時事通信社 (2022年7月30日). 2022年7月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月19日確認。
  4. a b すかいらーく、店長を懲戒解雇 社員にパワハラ、殴って肋骨骨折も”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2022年8月19日). 2022年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月19日確認。
  5. a b c d e f g h 「ジョナサン」店長が暴力、部下は骨折 「こいつは動物」「痛みを与えねえとわからねえ」暴言も”. 弁護士ドットコム (2022年7月30日). 2022年7月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月19日確認。
  6. a b c ハラスメントに関する報道について 株式会社すかいらーくホールディングス プレスリリース、2022年7月22日、2022年8月30日閲覧。
  7. ジョナサン店長から暴行受け骨折、労災認定 被害男性「人生で経験したことのない怖さだった」”. 弁護士ドットコム (2022年8月19日). 2022年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月19日確認。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]