ケンプヒメウミガメ

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ケンプヒメウミガメ
分類
カメ目
亜目潜頸亜目
上科ウミガメ上科
ウミガメ科
亜科アカウミガメ亜科
ヒメウミガメ属
ケンプヒメウミガメ
名称
学名Lepidochelys kempii
(Garman, 1880)
和名ケンプヒメウミガメ
タイセイヨウヒメウミガメ
英名Kemp's ridley sea turtle
Atlantic ridley sea turtle
保全状況
IUCNレッドリスト近絶滅種
ワシントン条約附属書Ⅰ


ケンプヒメウミガメとは、ウミガメの一種である。

概要[編集]

甲羅の大きさは、55~70cm。背甲は灰色で、腹部は白い。

肋骨板と椎骨板は5枚ずつある。

ヒメウミガメに似ているが、甲羅は平べったくて広い。またヒメウミガメの肋甲板は6~9対である。

生態[編集]

メキシコ湾アメリカ合衆国東岸などの北大西洋西部に生息する。

主に甲殻類を捕食し、ハマグリウニも食べる。

4月から6月にメキシコのランチョ・ヌエボの砂浜で産卵する。産卵時は、数万匹のメスが集まって、集団で産卵する。

他種のウミガメは夜間に産卵するが、本種は日中に産卵する。

分類[編集]

本種は、サミュエル・ガーマンによりThalassochelys kempiiとして記載された。模式産地はフロリダ州キーウェスト

和名や英名、種小名の「ケンプ」は標本を採取した米国の漁師のリチャード・ムーア・ケンプ氏に由来する。

ケンプヒメウミガメをアカウミガメとタイマイ、またはアオウミガメの雑種とする説のあった。

人との関係[編集]

1940年代後半にエビトロールでの乱獲が盛んになり、本種が大量に死亡した。1980年代には5,000~50,000体のケンプヒメウミガメが死亡している。

1987年にウミガメ排除装置が実用化されるようになってからは、エビトロールによる乱獲は少なくなった。

また卵の大量採掘も個体数が減少した原因である。1940年には4万匹以上のケンプヒメウミガメがランチョ・ヌエボに来て産卵していたが、1980年代後半には数百匹しか産卵に来なくなった。

1965年からはケンプヒメウミガメの巣が保護されるようになり、個体数が回復した。