カスピトラ

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カスピトラ
Panthera tigris virgata.jpg
かつて、ベルリン動物園で飼育されていたカスピトラ
分類
食肉目 (ネコ目)
ネコ科
ヒョウ属
トラ
亜種Panthera tigris tigris
個体群カスピトラ
名称
学名Panthera tigris virgata
(Schwarz, 1816)
和名カスピトラ・ペルシアトラ・ペルシャトラ
英名Caspian tiger・Balkhash tiger・Hyrcanian tiger・Turanian tiger・Mazandaran tiger
保全状況

カスピトラとは、絶滅したトラの亜種もしくは、トラ大陸産亜種の地域個体群である。

形状[編集]

全長は、2.4~2.95mで、体重85~240kgである。

体色は、アムールトラよりも明るく、橙色を帯びた赤土色で、背が黒ずんでおり、腹面が白い。

縞は暗褐色で、細くて、数が多い。ライオンのようなたてがみが少しある。

アムールトラ、ベンガルトラに次いで世界で3番目に大きなトラである。ベンガルトラより小型であり縞模様の間が狭い。

シェイクスピアのハムレットにはカスピトラが登場する。

生態[編集]

コーカサスからアフガニスタンにかけて生息していた。

夜行性だが、北部に生息していたカスピトラは、昼間にも活動していた。行動圏は広くて、縄張りははっきりとマークする。水を好み、10キロの川を泳ぐことが出来る。

分類[編集]

2009年の研究では、アムールトラとの遺伝子的な差は1bpと少ない為、同亜種であるとされた[1]

頭骨の比較や分子系統解析からユーラシア大陸産のトラを全てP. t. tigrisと同亜種とする説もある。ロプノールトラは、カスピトラと同亜種である。

絶滅[編集]

綿花などの作物を植えるために、生息地が農地になり、カスピトラの生息地が減少していき、餌となる動物も少なくなっていた。

また毛皮や骨を取るために、狩猟が行われるようになっていった。

その結果、個体数が激減し、1958年を最後に目撃が途絶え、1970年代には絶滅したとされる

脚注[編集]

  1. Carlos A., Driscoll; Nobuyuki, Yamaguchi; Gila Kahila, Bar-Gal; Alfred L., Roca; Shujin, Luo; David W., Macdonald; Stephen J., O'Brien (2009). “Mitochondrial Phylogeography Illuminates the Origin of the Extinct Caspian Tiger and Its Relationship to the Amur Tiger”. PLoS ONE 4 (1). doi:10.1371/journal.pone.0004125.