5人内野シフト
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5人内野シフト(ごにんないやしふと)とは、野球やソフトボールで、外野手のうち一人が内野を守るような守備シフトをいう。
投手・捕手のバッテリーを除けば、内野手は通常、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手の4人であるが、それに一人加わって5人になることから名付けられた。守備側がどうしても1点も取られたくない時に行う戦術である。
メジャーリーグや日本の高校野球ではたまに見られる。最近の日本プロ野球では、広島・楽天で監督を務めたマーティ・ブラウンがたびたび用いていた。
5人内野シフトの方法[編集]
状況[編集]
最終回、または延長戦の守備のとき、同点で1点取られたらサヨナラ負けとなる状況で、無死あるいは一死で三塁に走者がいる場合に行う。
裏の守備である場合が行いやすいが、どうしても1点を守りたいという場合であれば表の守備や9回、延長戦以外の回の状況でもありうる。
戦術[編集]
三塁走者の生還を阻止しやすくするため、守備側は満塁策をとる。その後、特にスクイズや内野ゴロを警戒するため、外野手のうち一人が、投手から少し離れた真横付近で強打やバントの警戒に当たる形が多い。
打者に、2人しかいない外野へ打たれるのを防ぐため、投手は速球を低めに投げ込むことが必要となる。外野手は、犠牲フライでもサヨナラ負けの場面では、5人内野シフトの有無に限らず、外野の前に落ちる安打を防ぐべく前進して守る(深い位置でフライを捕っても犠牲フライで得点されて無意味であるため)。
ブラウンが用いた例[編集]
- 2006年4月22日、対中日ドラゴンズ戦
- 一塁・栗原健太、二塁・東出輝裕、三塁・新井貴浩、遊撃・山崎浩司に加え、中堅・福井敬治が二塁上を守る5人内野シフトをとった。打者の井端弘和は三塁ゴロに打ち取ったが、次の福留孝介に対しての場面で捕手・倉義和のパスボールなどがあり敗戦。なお、福井の投入でカープは控え外野手がいなくなり東出がセンターを守った。基本的に後先考えないのがブラウン流である。
- 2006年7月14日、対横浜ベイスターズ戦
- 10回裏に一塁・栗原、二塁・東出、三塁・新井、遊撃・梵英心に中堅・井生崇光が加わり、更に打者の古木克明の引っ張り長打に警戒してレフトががら空きの右寄りシフトまで敷いたが、永川勝浩の暴投でシフト云々言いようのないサヨナラ負け。
- 2009年3月29日、対福岡ソフトバンクホークス戦(オープン戦)
- 9回裏無死3塁の場面で一塁・喜田剛、二塁・小窪哲也、三塁・スコット・シーボル、遊撃・石井琢朗に左翼・木村昇吾のシフトをとったところ、一死から中西健太が左翼ゴロ(木村が処理したため)を放ち、初めて打ち取りに成功した。結局この回を無失点で終えることにも成功。
- 2009年6月14日、対埼玉西武ライオンズ戦[1]
- 延長12回無死満塁で、一塁・喜田剛、二塁・東出、三塁・石井、遊撃・梵に左翼・小窪を加える。黒瀬春樹が小窪の正面にゴロを打ち、左翼ゴロ併殺打というおよそ野球の試合で残りようのない記録がついた。2死2・3塁となった後、シフトは解除されG.G.佐藤を敬遠四球(2死満塁)で歩かせ、江藤智を遊飛に打ち取った。
- 2010年3月10日、対広島東洋カープ戦(オープン戦、ここから楽天時代)
- 9回表無死満塁で喜田剛を打席に迎えたところで、一塁・大廣翔治、二塁・西村弥、三塁・草野大輔、遊撃・渡辺直人に加え左翼・塩川達也が二塁ベース上に構えるも、鉄平が中堅寄りの位置を守っていたためがら空きのライトへ走者一掃適時打を許す。しかし、9回裏途中に7-10となっていた所で降雨コールドとなり、9回の記録は無効に。5-4で楽天の勝ちに転じた。
- 2010年6月7日、対読売ジャイアンツ戦
- 両チーム無得点で迎えた10回裏1死満塁で、一塁・山﨑武司、二塁・高須洋介、三塁・中村紀洋、遊撃・渡辺直に左翼・内村賢介が二塁右に構えるが、小笠原道大に中堅後方へ犠飛を許し、サヨナラ負け。
脚注[編集]
- ↑ 日刊スポーツ新聞社 (2009年6月14日). “【広島】内野5人、左翼ゴロ併殺でドロー”. 2009年6月14日確認。
関連項目[編集]
- ONE OUTS(これを応用した7人内野シフトを戦術の一つとして用いた)