バント
本項目では野球のプレーで用いられるバントについて解説する。バントとは打者がスイングすることなく意図して走者を進塁させたり、自分が塁に出るために行うバントがある。ソフトボールでも野球と似たバントとなっている。
バントについては以下の戦術が用いられる。
種類[編集]
送りバント[編集]
打者が意図して走者を進め、チャンス拡大を狙うために用いられる。それぞれの点差、イニングによって意味合いが異なり、序盤は守備側はアウト1つ取るために敢えて打者走者をアウトにするが、終盤で均衡ないし劣勢の場合にはダブルプレーもしくは二塁封殺を狙った守備形態、投球が求められるため、打者も相当の技術を要する。
日本のプロ野球ではこの戦術が多用される。
セーフティーバント[編集]
ヒッティングの構えからバントへと移し、自分も生きるために用いられる。左右いずれも右足を使い、左バッターは一塁側に開き、右バッターは三塁側へ引いて、三塁線へと転がし時間を稼ぐ。状況によっては一塁側へのセーフティーバントも用いられる。俗に「ドラッグバント」とも言われる。メジャーリーグでは無駄なアウトを増やさずチャンス拡大を狙う意図からこの戦術が用いられやすい傾向にある。
送りバントとセーフティーバントの違いをざっくりと言えば、ボールを確実に当てに行ってるかそうでないかの違いである。
スクイズバント[編集]
1点を安全に取るために用いられる。投手の足が上がった瞬間に三塁ランナーがスタートし、打者はフェアーテリトリーに転がす。打者が安打を望めない場合や、強打者で守備側が無警戒時に使われることもある。
ただし、この戦術はハイリスクハイリターンであり、成功すれば問題ないが、スクイズを読まれて外される場合や小フライで三塁走者がアウトになってしまう可能性がある。一度ファウルで失敗してしまうと、バッテリーは警戒を強めるため一回限りの博打とも言える。
セーフティースクイズ[編集]
1990年代から用いられ始めた戦術で、走者は走らずに打者はバントし、三塁走者は打球の勢いや守備形態を判断してからホームに入る。スクイズよりリスクは遥かに低く、守備側が三塁走者に気を取られている間に、自分自身も生きることができる。
三塁側に転がしてしまうと三塁手と並走するように突入するので失敗する可能性が高い。なので一塁側に転がす技術が求められる。
スリーバント[編集]
第3ストライクをバントすることを指す。第3ストライクのバントを失敗してしまうと三振としてアウトになってしまうため、そのプレッシャーは計り知れなく、相当の練習と技術が求められる。特に終盤でのスリーバントは失敗するかしないかでは天と地の差がある。
スリーバント失敗の判断は球審が裁くことになる。よって、バントでもプッシュバントのように打者に打撃(スイング)の意思があればアウトにならない場合もある[1]。その逆も存在し、止めたバットにボールが当たり、球審がバントしたと判断すれば打者をアウトにすることができる。
脚注[編集]
- ↑ どのカウントでも同様ではあるのだが。