2019年J1第34節 横浜F・マリノス対FC東京

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このページでは、2019年12月7日に行われたJ1リーグ第34節の試合のうち、横浜F・マリノス (以下、横浜FM) とFC東京の試合についてまとめる。

2019明治安田生命J1リーグ 第34節
2019年12月7日
14:04
横浜F・マリノス 3 - 0 FC東京
ティーラトン 前半26分にゴール 前半26分
エリキ 前半44分にゴール 前半44分
遠藤渓太 後半32分にゴール 後半32分
公式記録
日産スタジアム
観客数: 63,854人
主審: 木村博之

前節までのあらすじ[編集]

横浜FMは、序盤はリーグ中位に下がることがあったが、後半戦に入ると22節・23節を除き3位以上に位置した。そして第24節に名古屋グランパスに勝利すると、以降33節まで10試合負けなし (9勝1引き分け) の好成績を収め、第32節に今季初の首位に立った。なお、本拠地の日産スタジアムラグビーワールドカップの試合会場となった[1]ため、第23節を最後にホーム最終戦までの間のうち、4試合のホームゲームはニッパツ三ツ沢球技場で試合を行っていたが、ホーム最終戦となったJ1最終節を日産スタジアムで迎えることができた。

一方、FC東京は第2節に2位になると、第8節にサンフレッチェ広島に勝利してから第27節まで首位をキープ。第28節にサガン鳥栖に敗れて、かつ鹿島アントラーズが勝利したことにより首位を明け渡されるも、結果的に2位以上を維持。この年のFC東京は、本拠地の味の素スタジアムラグビーワールドカップが開催される[2]ことに伴い第24節から第31節までアウェイ8連戦を強いられていたが、その8連戦の最後となったジュビロ磐田戦に勝利し、再び首位に立った。しかし、ホーム最後の2連戦となった第32節では湘南ベルマーレに引き分けたため2位に下がるも、第33節で浦和レッズに引き分けたため、優勝の可能性を残した状態で最終節を迎えた。

これにより、2006年のJ1最終節 浦和レッズガンバ大阪戦以来となる、「優勝の可能性を残す2チームによる優勝決定直接対決」が実現した。ただし、得失点差で横浜FMが7点分上回っていたため、FC東京が優勝するためには4点差以上での勝利が必須条件となった[3]

結果[編集]

横浜FMは扇原貴宏が、FC東京は室屋成がどちらも出場停止、さらにFC東京はディエゴ・オリヴェイラが前節の怪我により欠場したため、どちらも主戦力を欠いた状態でのゲームとなった。さらにFC東京は永井謙佑が前節の負傷を押して出場し、満足のいかないコンディションの中でのゲームとなった。

前半26分、まずはティーラトンのゴールにより先制。なおも優勝が懸かっている両チームの試合であるだけに白熱した戦いがが続く。前半44分にはエリキがゴールし、前半は横浜FMが2対0で折り返した。これにより、FC東京が優勝するには、後半で最低でも6点を決めなければならなくなった。

後半は、FC東京は東慶悟に代わって田川亨介が、ナ・サンホに代わってユ・インスが出場。一方横浜FMは交代なし。引き続き白熱した戦いにはなるが、どちらもゴールをなかなか決められない。後半14分にはFC東京が、アルトゥール・シルバに代わって三田啓貴を、後半16分には横浜FMが、マテウスに代わって遠藤渓太を投入する。が、後半17分、自陣でFC東京・森重真人がボールをカットし、前線の田川へボールを送ると、田川はディフェンスラインの裏へ浮き球を放り込むチアゴ・マルチンスに先に触られるが、このバックパスに反応したFC東京・永井謙佑が横浜FMのゴールキーパ、朴一圭の手前でカット。永井はペナルティエリア手前の中央で朴に倒されてフリーキックを獲得。朴にはイエローカードが出されたが、この判定を巡り試合は一時中断。主審と副審が協議したのちに、朴のこのプレーが決定的な得点機会の阻止 (DOGSO) と判断され、イエローカードを取り消されるもすぐさまレッドカードを提示され退場となる。守護神を失った横浜FMは、マルコス・ジュニオールに代わってGKの中林洋次が出場。結局、横浜FMはフィールドプレーヤー9人で残り時間を制しなければならなくなった。しかしながら後半32分、遠藤渓太が3点目を決め、得点差は3対0に広がった。アディショナルタイムでは後半46分に、横浜FMが和田拓也に代わって渡辺皓太を投入するも、数的不利な状況を乗り切り横浜FMが3対0で勝利し2004年以来のJ1優勝を勝ち取った。

エピソード[編集]

  • この試合の入場者数である6万3854人は、2013年のJ1第33節 横浜FM対アルビレックス新潟戦 (会場は同じく日産スタジアム) の入場者数である6万2632人を抜き、歴代1位となった。なお、2013年も横浜FMの優勝が懸かった大一番だったが、この時は横浜FMが0対2で敗れている[4]
  • この試合は横浜FMのJ1通算450勝を達成した試合である。奇しくも、通算450勝目の試合で15年ぶりの優勝を達成した。
  • 試合後には横浜FMの優勝セレモニーがあり、明治安田生命保険根岸秋男社長やJリーグ・村井満チェアマンからトロフィーが手渡された。ここにはレッドカードで退場したパクや出場停止となった扇原、さらには2019シーズンで引退する栗原勇蔵も姿を見せた。その後、栗原が松田直樹のユニフォーム[5]を着ると場内のサポーターから歓声が上がり、さらには松田のチャントが流れた。
  • この試合では朴一圭がレッドカードで退場になったが、この試合の16年前の2003年J1リーグ2ndステージ第15節でも、前半15分にGKの榎本哲也が退場になったが、その後にF・マリノスは勝利、他会場の結果により2003シーズンの完全優勝を決めた。また2001年のナビスコカップ決勝でも、GKではないが、後半41分に永山邦夫が退場になった後、延長戦・PK戦を制し優勝している。

脚注[編集]

  1. ただし、ラグビーワールドカップでは試合会場のネーミングライツの使用が禁止されているため、正式名称である 「横浜国際総合競技場」 が主に用いられた。
  2. ただし、ラグビーワールドカップでは試合会場のネーミングライツの使用が禁止されているため、正式名称である 「東京スタジアム」 が主に用いられた。
  3. 2006年に関しても、今回と同じく前節首位の浦和が得失点差で6点分上回っていたため、G大阪が優勝するためには3点差以上での勝利が必須条件だった (実際の試合では3対2で浦和が勝利) 。
  4. リーグ優勝自体も、翌週の最終節で川崎フロンターレに1対0で敗れ、さらにサンフレッチェ広島が鹿島に2対0で勝利したことにより広島の優勝が決定、横浜FMは優勝を逃した。
  5. デザインは2019年シーズンのものではあるが、背番号が松田の番号である3になっている。なお、横浜FMでは3を永久欠番としている。

関連項目[編集]