1両編成

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1両編成(1りょうへんせい)は、鉄道車両がたったの1両だけで運転される列車のこと。
単行運転とも言われる。俗称としてはタンコロもある。

概要[編集]

列車は需要に応じて車両数を増減できるが、1両で事足りる場合も少なからず存在する。路面電車の他、ローカル線の電車・気動車において顕著である。

もっとも1両編成以下の減車は不可能であり、これ以上輸送力を減らす場合はLRT化、車体長の短い車両もしくはDMVへの置き換えが必須となる。

また、機関車けん引の列車でも1両編成というのは厳密には不可能である。また、単機運行の機関車に旅客を便乗させることはできない。

実例[編集]

ほとんどの路面電車[編集]

路面電車では法律により全長を30m未満とするように定められている。そのため、元から連結運転を行わない仕様で製造されたものが多い。無軌条電車と称され、かつての都市交通の一翼を担ったトロリーバスも同様である。

また、連接車についても台車が3つや4つあるものもあるが、これも1両として扱うことがほとんどである。

ちなみに、1960年代の札幌市電鉄北線で、エンジン動力の「路面ディーゼルカー」が運用されたことがある。

ローカル線[編集]

需要に応じて増車、減車するが、とてつもなく輸送力が少ない場合、常に1両編成で運用されることも多い。また、総括制御を前提としない場合は2両以上の増結を行わない。

かつて国鉄はキハ01系レールバスを導入して運用の合理化を進めていたが、2両以上への増結が困難であったことからいち早く淘汰された。

一方で、1980年代前半に成立した国鉄再建法で、輸送人員の少ない特定地方交通線の鉄道路線としての存廃が焦点になると、レールバスが見直され、富士重工業がバス車体構造を取り入れた「LEカー」を発表し、数線区で取り入れられたが、輸送力不足や総括制御可能な構造から2両以上での運行が常態化した会社もあった他、約10年ほどで軽量気動車に置き換えられ単行用の主流から外れた。

1980年代後半に国鉄分割民営化の道筋が付くと、荷物電車の原則全廃が決まり、これまで単行専用車の無かった国鉄電車でも123系が改造車として投入され、JR化後も84形吊り掛け単行車として復活を遂げている。

1両編成は、気動車と直流電車に限られる。JRの1両編成の旅客電車は123系と125系、7000系7000形がある。交流電化対応の設備を1両編成の電車に積むのは困難なので[1]、交流車は全て2両以上である[2]

2021年現在でもすべての定期列車が1両編成となっており、増結を全く行わない、路面電車以外の路線は以下の通り。

車両[編集]

車両の両側に運転台が必要なので、2両以上の固定編成用とは異なる車両となる。1両編成に使われる車両の例は次の通り。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 交流600V対応であれば変圧器不用で大きなスペースを必要としないが、そもそも交流600Vは輸送量の多い都市部でしか採用されず、1両編成導入の必要が無い。
  2. 一応牽引車では過去にクモヤ740など1両編成が存在したが、あくまで旅客用ではないことに留意。