音高

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
音の高さから転送)
ナビゲーションに移動 検索に移動

音高(おんこう、英:pitch)とは、音楽用語の一つで、音の高さの略。音の周波数に依存し、周波数によって音の高さが変わる。音の高さは周波数で表すことができる。基音周波数の絶対的な基準に基づいた音の高さを「絶対音高」という。実音として聴こえる音は音色、音域、音程差、音名、周波数、音感(絶対音感、音程感)、音階、チューニング、倍音、調性、移調、音量に影響される。「音名」もよく似た言葉である。音名は、音高を表す呼称のことである。実音の音高のオクターブ表記を厳密に区別する場合は「基音周波数:何Hz」で表す。

絶対的な音高を示すのは、音部記号と周波数である。

音高が高くなると明るく華やかで、軽快で、輝かしいクリアな響きで、音程感がわかりやすくなり、低くなると暗く重厚な響きで、音程感がだんだんわかりにくくなり、その分エネルギーが強くなる。高音部はメロディーラインや和音(コード)を担当し、低音部は和音(コード)の最低音のみを担当する仕組みになっている。逆に音高が高すぎても音程感がわかりにくくなる。絶対音感(音程感)として認識できる上限は、周波数4kHz辺り(正確には約4186.01HzのC音)である。この上限を超えると、絶対音感がほとんど無い音となり、簡単にはどれを聴いてもほとんど同じような音名・音高に聴こえてしまう。SoundHoundの鼻歌検索の音域の上限は、周波数約3.3kHzである。

基準ピッチ

チューニングする時の基準ピッチは、基音周波数が440HzのA音ラの音)である。440Hzに対するチューニングのセント単位の割合は、A音から見たら0セント。440Hzは、楽譜上で、ト音記号の第2間に位置する音である。同じ音名を持つ音高を「オクターブ」といい、例えば周波数440Hzから1オクターブ上げると周波数2倍の880Hzになり、440Hzから1オクターブ下げると周波数1/2倍の220Hzになる。

楽譜上、ト音記号で下第一線に書かれるドと、ヘ音記号で上第一線に書かれるドは、全く同じで、真ん中のド(C3)である。

音高の範囲を音域といい、音域名は、高い音から順に、ピッコロ=クライネソプラニーノ、ソプラニーノ、ソプラノ、メゾソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バス、コントラバス、そしてサブコントラバスである。MIDIでは、ノートナンバー0(C-2)~127(G8)で、周波数約8.18Hz~約12543.85Hzまでを扱うことができる。

典型的な音域名の範囲は、全て1オクターブ半で、ピッコロはC5(約1046.5Hz)~F#6(約2959.96Hz)、ソプラニーノはF#4(約739.99Hz)~C6(約2093Hz)、ソプラノはF#3(約369.99Hz)~C5(約1046.5Hz)、メゾソプラノはC3(約261.63Hz)~F#4(約739.99Hz)、アルトはF#2(約185Hz)~C4(約523.25Hz)=ほぼ中音域、テナーはC2(約130.81Hz)~F#3(約369.99Hz)、バリトンはF#1(約92.5Hz)~C3(約261.63Hz)、バスはC1(約65.41Hz)~F#2(約185Hz)、コントラバスはC0(約32.7Hz)~F#1(約92.5Hz)となる。

音域を1オクターブの範囲内で表現すると、

  • 第5オクターブ、C5(約1046.5Hz)~B5(約1975.53Hz)(ノートナンバー84~95)=ソプラニーノオクターブ、ピッコロオクターブ、3ラインオクターブ
  • 第4オクターブ、C4(約523.25Hz)~B4(約987.77Hz)(ノートナンバー72~83)=ソプラノオクターブ、2ラインオクターブ
  • 第3オクターブ、C3(約261.63Hz)~B3(約493.88Hz)(ノートナンバー60~71)=アルトオクターブ、アルトの音域のドレミファソラシ、1ラインオクターブ
  • 第2オクターブ、C2(約130.81Hz)~B2(約246.94Hz)(ノートナンバー48~59)=テナーオクターブ、スモールオクターブ
  • 第1オクターブ、C1(約65.41Hz)~B1(約123.47Hz)(ノートナンバー36~47)=バスオクターブ、ベースオクターブ、グレートオクターブ
  • 第0オクターブ、C0(約32.7Hz)~B0(約61.74Hz)(ノートナンバー24~35)=コントラバスオクターブ、コントラオクターブ

オクターブ単位で隔てられたサイン波を、ノートナンバーの全音域(0番〜127番)または最低音20Hz〜最高音10kHzの範囲内で重ね合わせ、最低音の音高を上または下に1音ずつ移動させたものを「シェパード・トーン」「無限音階」という。音高がオクターブ上がっても下がっても、実際には、オクターブ高くも低くもなく同じ音高に聴こえるという錯聴を引き起こす。つまり、オクターブを不明瞭・不可解にしたものである。シェパード・トーンは、まるでオルガンのような迫力満点のある響きがする。

Wikipedia-logo.pngウィキペディアの生真面目ユーザーたちが音高の項目をおカタく解説しています。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]