長野電鉄3000系電車
長野電鉄3000系電車(ながのでんてつ3000けいでんしゃ)は、長野電鉄にて使用される旧・営団03系電車のこと。
登場の経緯[編集]
長野電鉄では製造から50年を超えて老朽化の進んでいた3500系・3600系の代替用中古車を探していたが、ちょうどその際に03系の代替が決定したため、この03系3連5本を購入し、3500系と3600系の置き換えが図られた。
なお、3500系も元は日比谷線の営団3000系であったことから、東京と全く同じ車両代替が信濃の地でなされることになった。
車両概説[編集]
譲渡対象となったのは03-104F - 108Fで、譲渡の際に2M1Tの3連化改造と、前面帯の赤帯化がなされている。5本ともチョッパ制御で登場したが、譲渡時点ではVVVF化が済んでいた。
沿革[編集]
当初は2020年のGW中に営業運転を開始する予定だったが、コロナ禍の影響もあり4月14日に延期を発表。その後5月30日にM1編成が運行を行ったあとしばらく運用がなく、6月22日にM5編成とともに予告なく運用を開始した。
最終的に2022年3月24日にM3・M4編成が出揃ったことにより増備は完了し、3500系は2023年1月に引退した。
基本的に長野電鉄の全線で運用され、特に信州中野以北の列車はすべて本系列が運用を担う。2023年10月に2100系が故障した際は初めて特急運用の代走にも就いた。
今後[編集]
2028年までに長野電鉄の保有する45両のうち、約73%を本形式を含めた省エネルギー車両にする方針を示し、更に信濃毎日新聞が取材を進めたところ、「車齢20年程度、車体幅2.8m、車両長18mの、2 - 3両編成化が容易」な車両を探していると担当者は語った。この時点で車体長20mの営団05系や東急9020系、車体幅2744mmの名鉄車、車齢40年を超えた営団8000系は対象から外れる。
なお、未譲渡・未解体の03系は2023年時点で残り先頭車6両[注 1]しかないことから8500系の代替には不適当であり、それくらいなら車齢30年を迎えてもリニューアルから10年しか経たない東急1000系1500番台[注 2]を信濃の地で本系列と再会させるか、まだ車齢の浅い東急新7000系を交渉の末恵んでもらうべきではなかろうか[注 3]。
近い世代の車両[編集]
- 長野電鉄1000系電車 - 特急用。移籍時期は大きく異なるが、新造時期は近い。
- 国鉄211系電車 - JR東日本車(篠ノ井線用)
- JR東日本キハ110系気動車 - JR東日本車(飯山線用)
脚注[編集]
- ↑ これらは後に上毛電気鉄道800形電車として再起することになった。
- ↑ 1000系の未更新車は1M方式を採用しており、2両化や両運転台化がユニット方式の1500番台より容易なため他の事業者に奪われる可能性が高い。また、1500番台は元々3両編成なので長野電鉄への導入時は抑速ブレーキ搭載など、小改造で済む。
- ↑ ただし、一応20m車は「入れなくはない」ため、東急1000系1500番台が養老鉄道や伊豆箱根鉄道大雄山線、豊橋鉄道渥美線などに合計5 - 6本以上奪われたら、一度候補から外した05系や9020系を改造するしかなくなる。