東急1000系電車
東急1000系電車は、1988年に営業開始した東急電鉄の車両。
概要[編集]
営団日比谷線の乗り入れ車両として開発されたが、メトロ乗入終了で池多摩線専用が主となった。
車体[編集]
軽量ステンレス製。9000系のそれに準ずるが、18m級の3ドアとされ、扉間の窓は3枚ある。
車内[編集]
9000系と同じ化粧板が採用された。床面は茶色を採用。
走行機器[編集]
9000系と同じVVVFインバーター制御を採用。ただしメーカーは東洋、素子はGTOとされた。主電動機出力は、130kWに引き下げられている。
増備[編集]
1992年までに8連8本、4連4本、3連11本の合計113両を増備した。末尾09は欠番になっている。
1500番台[編集]
2013年に日比谷線直通から撤退した1500番台は、8連から3連に短縮されてリニューアルされ、1500番台となった。VVVFも、東芝IGBTに変更された。
2016年からは、池上線向けの3両にも普及したが、24年時点では、3本のみの改造にとどまっている。末尾06だけは、改造の種車がすでにいないことから欠番になっている。
廃車[編集]
日比谷線との直通取りやめや、新7000系投入による余剰で、2008年頃から廃車が進められ、2022年現在は1500番台合わせて3連16本が東急線内に在籍する。後述のように一部は地方に渡っている。
譲渡[編集]
18m3ドアで扱いやすいことから地方への引き取り手が多数現れた。譲渡先と形式名は以下の通り。
- 上田電鉄1000系電車 - 6000系も合わせて2連5本。うち2両は元中間車。
- 伊賀鉄道200系電車 - 2連5本。うち4両が元中間車。
- 一畑電車1000系電車 - 2連3本。すべて元中間車。
- 福島交通1000系電車 - 2連4本と3連2本。すべて元中間車。他に1両部品取りとして搬入。
廃車車両のうち、譲渡対象から外れた中間車24両は、すべて解体廃棄されている。
車両番号[編集]
- 1001 - 1008: 東横線用8両編成の1号車(Tc車)
- 1012 - 1024: 池上・多摩川線用3両編成の1号車(Tc車)
- 1101 - 1108: 東横線用8両編成の8号車(Tc車)
- 1201 - 1208: 東横線用8両編成の3号車(M車)
- 1212 - 1224: 池上・多摩川線用3両編成の2号車(M車)
- 1251 - 1258: 東横線用8両編成の2号車(M車)
- 1301 - 1308: 東横線用8両編成の5号車(M車)
- 1212 - 1224: 池上・多摩川線用3両編成の3号車(Mc車)
- 1351 - 1358: 東横線用8両編成の4号車(M車)
- 1401 - 1408: 東横線用8両編成の7号車(M車)
- 1451 - 1458: 東横線用8両編成の6号車(M車)
- 1501 - 1508: 池上・多摩川線用3両編成の1号車(Mc車)
- ※1001 - 1008の改番車。1506は欠番
- 1522 - 1524: 池上・多摩川線用3両編成の1号車(Tc車)
- ※1022 - 1024の改番車
- 1601 - 1608: 池上・多摩川線用3両編成の2号車(M車)
- ※1201-1208の改番車。1606は欠番
- 1622 - 1624: 池上・多摩川線用3両編成の2号車(M車)
- ※1222 - 1224の改番車
- 1701 - 1708: 池上・多摩川線用3両編成の3号車(Tc車)
- ※1101-1108の改番車。1706は欠番
- 1722 - 1724: 池上・多摩川線用3両編成の3号車(Mc車)
- ※1322 - 1324の改番車
今後[編集]
1500番台への改造ペースが鈍いことから、早いうちに置き換えが再開される可能性があるが、18m車で扱いやすいため、引き取り手は多数現れるものと予想される。特に、置き換え用の18m級中古車を捜している長野電鉄は、3両運用が可能かつ小改造で済む1500番台を、車齢こそ高いものの、確実に虎視眈々と狙っている可能性が高い。