銃夢ハンドル事件

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銃夢ハンドル事件(がんむハンドルじけん)は、2000年に漫画『銃夢』の作者の弟が、「銃夢」という文字を含んだハンドルを偶然使用していた無関係の人物に対して、「作品名と類似している」としてハンドルの使用中止を要求したことに端を発した一連の騒動である。その要求が正当なものであるとしたら、インターネットをはじめとするネットワークで活動するほとんどの人が無関係ではないという危惧もあり、多くの人が関心を示した。

後に偽春菜事件へも影響を与えることとなる。

経過[編集]

事件内容[編集]

2000年3月16日、漫画家木城ゆきとの公式サイト『ゆきとぴあ』を管理していた実弟である木城ツトムが兄の意を体し、連載作品『銃夢』のタイトルが含まれた「××銃夢」(××は伏字)というハンドルを以前から使用していた無関係の人物に対して、著作権商標などを侵害している、混同の恐れがある、としてハンドルの使用中止を要求する電子メール[1]を送った。この人物は要求を受け入れてハンドルを変更し、これに伴う修正のため自身のウェブサイト(内容はまったく無関係)を一時閉鎖した。

また、この時『ほごのま』と称するガイドラインにおいて、この電子メールと、それに準じた内容の著作権に関する規約、各キャラクター名を商標登録する意思を『ゆきとぴあ』上に掲載した。

事件に対する反応[編集]

これに対し、東芝クレーマー事件の影響や、電子メールの内容に横暴・横柄という印象を持たれたことから、2ちゃんねるを中心にネット上で批判が噴出した。2ちゃんねる管理人ひろゆきも関心を示してロビーのタイトルを一時的に「時代の最先ターン!超銃夢」に変更し、また、2ちゃんねらーの間では「銃夢」というハンドルを使うことが流行した。

この事件は多くの人の興味をひき、ネット上では関連する電子メールに書かれた内容の法的な分析が行われた。著作物の題名で著作権や商標権は主張できない。銃夢は、木城とその関係者ではなく玩具関連の企業の商標として登録されている[2]。というのが社会の一般的認識である。また、銃夢というハンドルを使用して木城ゆきと本人と誤解される恐れがある、銃夢というハンドルの使用者の言動が名誉毀損の恐れがある。と木城側が指摘しているが、これは杞憂だと思われる。

また、木城側の横柄傲慢な態度にも批判があった。先者優先と木城も認めているが、社会的道義で対処を要求。使用してはいけない語句の提示要請に対して「自分でお調べなさい。面倒なら自分の本名かそれをアレンジしたものを使いなさるがよい」と発言。また、反論や指摘に対して木城ゆきと側がしばらく発言しない期間があったことが木城側への非難や騒ぎに拍車を掛けた。

銃夢という語にとどまらず、木城ゆきとやその作品に関してさまざまな指摘もおこなわれた。 たとえば『銃夢』にフランク・ミラー作のアメリカンコミックからの模写疑惑があると指摘する海外サイト[3]の紹介や、公式サイト名である『ゆきとぴあ』は木城ゆきとと無関係の法人日本リフト・サービス登録商標である[2]という指摘などである。もっとも後者はスキー施設関連の登録商標で、マンガ家がインターネット上のサイト名として同音の語を使用しても法律上の権利侵害にはあたらない。これはおもに木城ゆきと側のマナーについて批判するために言及されたものである。このような経緯から、ネット上の掲示板などで「自分の権利擁護には厳しいが、他者の権利は平気で侵害するダブルスタンダード」という批判が木城ゆきと側に集中することとなった。

事件の収束[編集]

騒動はネット内だけではなく一般の雑誌(週刊宝島)でも取り上げられた[4]。『銃夢』の出版元である集英社のサイトにも抗議が殺到、同社サイトの運営に支障を来たす事態になった。この時『ゆきとぴあ』では荒らし行為が続いていた。

その後、木城ゆきと及び関係者は方針を変更し、2000年5月謝意を表すため『ゆきとぴあ』を一時休止しハンドルを使用していた人物に対して面会して謝罪し和解を申し入れた。

また、事件当初掲載されていたガイドラインは撤回され、『ゆきとぴあ』の商標をもっていた会社に使用許可を正式に申し入れ、同社もこれを受け入れ商標問題も解決したことから、事件は収束していった。

事件に対する主な論争[編集]

  1. 著名人の名前や漫画、アニメなどのキャラクター名、その口癖などに重複・類似するハンドルは法的に問題があるのか?
  2. もし問題があるなら名前の重複・類似についてどこまで調べればよいのか? 類似の判断基準は?
  3. もしハンドルを決めるにあたり、当初の要求通り、世界中のありとあらゆる著作物や商標や著名人の名前を調べる必要があるということになると、調査に必要なコストが膨大なものとなり、事実上ハンドルやペンネームでの活動が不可能になるのではないか?
  4. 商標やキャラクター名が類似する本名を持つ人がいた場合、どのような問題があるのか?
  5. 個人対企業でこの種のトラブルとなった場合、裁判にかかるコストを負担できる資力のある企業側の都合ばかりが通り、個人が圧倒的に不利・不当な要求を受け入れざるを得なくなるのではないか?
  6. キャラクター名やその口癖などを商標登録することに関する法的な事柄、または道義的な是非。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. [1]
  2. a b 2011年1月現在、日本国内において商標登録はされていない。
  3. [2]
  4. 夏原武「ネット社会の実録事件簿 週刊ネットパトロール FILE.002「ネット著作権ヒステリー症候群」」『週刊宝島』第28巻第15号、宝島社、2000年5月24日、29ページ。

外部リンク[編集]

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