鈴木祥蔵
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鈴木 祥蔵(すずき しょうぞう、1919年2月17日[1] - 2009年7月30日[2])は、教育学者。関西大学名誉教授。
経歴・人物[編集]
宮城県白石市生まれ。1943年京都帝国大学文学部哲学科卒業[1]。同大学大学院に入学するが、兵役のため休学、中国東北部に派遣され、敗戦後はシベリア抑留を経験。復員後の1949年京都大学大学院に復学[3]。1951年同大学院教育学研究科退学、関西大学文学部助教授、1957年同教授。1967年の教育学科創設の中心となり、文学部長、部落問題委員会委員長[1]、部落問題研究室(1974年創設、1985年人権問題研究室に改組)初代室長を歴任[4]。
1989年定年退職、名誉教授。その他、大阪経済法科大学教養部教授[5]、社団法人部落解放研究所(現・一般社団法人部落解放・人権研究所)研究員[6]、所長[3]、社団法人乳幼児発達研究所(1977年設立、現・公益財団法人子ども情報研究センター)初代所長[6]、子ども情報研究センター研究員[1]、大阪同和保育研究協議会会長を歴任[7]。1990年時点で部落解放研究所副理事長、乳幼児発達研究所理事長、「子どもの権利条約批准の会」代表[8]。2000年時点で子ども情報研究センター所長、ブドリ舎主宰[9]。2009年7月30日、肺炎で死去、90歳[2]。
専門は教育哲学、部落解放教育[1]。部落解放教育運動の全国的指導者で、教職員組合運動や幼児教育運動などにも影響を与えた[10]。
著書[編集]
単著[編集]
- 『教育原理序説』 三和書房、1951年
- 『教育と人間形成』 峯書房、1955年
- 『教育学原論』 啓文社、1961年
- 『幼児教育入門』 福村出版、1971年
- 『「同和」保育の前提』 福村出版(教育選書)、1973年、新装版1975年
- 『人間の成長・発達と解放教育』 明治図書出版(解放教育全書)、1975年
- 『子どものからだを育てる』 解放出版社(解放保育シリーズ)、1980年
- 『共同『子育て』論――がんばれ、若いお母さん』 サンリード、1981年
- 『「同和」保育と子どもの人権』 明石書店、1985年
- 『「解放教育」からの提言』 明石書店、1985年
- 『解放教育のめざすもの――臨時教育審議会答申を考える』 部落解放研究所(人権ブックレット)、1987年
- 『平和・人権と教育』 解放出版社、1988年
- 『鈴木祥蔵幼児教育選集』全5巻 明石書店、1989-1990年
- 『すべての子どもに人権を――子どもの権利条約の解説』 部落解放研究所(人権ブックレット)、1990年
- 『お地蔵さんは語る』 ブドリ舎、1996年
- 『『ラーゲル』の中の青春――シベリア捕虜収容所 一学徒兵五十五年目の回想』 明石書店、1999年
- 『親鸞と人間解放の思想』 明石書店、1999年
- 『「保育一元化」への提言――人権保育確立のために』 明石書店、2000年
共著[編集]
- 『伸びゆく子らのために』 内海義夫、西村亮一、大阪教職員組合平和教育委員会共著、黎明書房、1953年
- 『千里ニュータウンにおける教育調査――特に「家族と教育」の問題を中心として』 本庄良邦共著、関西大学経済政治研究所(調査と資料)、1965年
- 『どの子もみんなすばらしいのに――NHK親と子の窓』 北口正尚、久喜吉和共著、三晃書房(家庭教育選書)、1968年
- 『どの子もみんなすばらしいのに――NHK親と子の窓 続』 北口正尚、久喜吉和共著、三晃書房(家庭教育選書)、1970年
編著[編集]
- 『美術教育の理論と実践』 明治図書出版、1972年
- 『現代教育科学原論』 田中欣和等著、福村出版(教育選書)、1973年、新装版1975年
- 『戦後同和教育の歴史』 横田三郎、村越末男共編、解放出版社、1976年
- 『戦後同和教育の歴史 資料編』 横田三郎、村越末男共編、解放出版社、1977年
- 『講座部落解放教育』1-5 横田三郎、海老原治善共編、明治図書出版、1977-1978年
- 『子どもは集団のなかで育つ――部落解放保育と親の任務』 解放出版社(解放保育シリーズ)、1978年
- 『部落解放保育の創造 第5集 上巻 創造力を育てる』 大阪同和保育連絡協議会、1981年
- 『地域からの教育改革――大阪の解放教育の点検と再構築』 第二次解放教育計画検討委員会共編、部落解放研究所、1985年
- 『共同子育てをすすめるために』 乳幼児発達研究所(子育てブックレット)、1988年
- 『『せいかつ』の研究と指導――人権教育読本』小学校1-3年編・小学校4-6年編・中学生編 横田三郎、中村拡三、今野敏彦、中野陸夫、森実共編集、明治図書出版、1988-1990年
- 『せいかつ――人権教育読本』4年・5年・6年 解放教育研究所編、横田三郎、中村拡三、今野敏彦、中野陸夫、森実共編集委員、明治図書出版、1988年
- 『せいかつ――人権教育読本』1-6年 横田三郎、中村拡三、今野敏彦、中野陸夫、森実共編集、明治図書出版、1990年
- 『現代産業社会と教育』 明石書店、1991年
- 『入門・同和保育』 玉置哲淳共編著、解放出版社、1992年
- 『「子どもの権利条約」を読む』 山本健治共編著、柘植書房、1993年
- 『おとなのための子どもの権利条約――新しい発想これからの実践』 桂正孝、森実共編、部落解放研究所、1996年
- 『知っていますか?「エンゼルプラン」一問一答』 解放出版社、1996年
- 『人権保育カリキュラム』 堀正嗣共編著、明石書店、1999年
訳書[編集]
- 『教育と社会体制』 バートランド・ラッセル著、黎明書房(現代教育新書)、1952年
- 『世界教育学選集 第8 教育と社会体制』 バートランド・ラッセル著、明治図書出版、1960年
- 『教育の過程』 J.S.ブルーナー著、佐藤三郎共訳、岩波書店、1963年、新装版1986年
- 『社会主義の教育』 E.J.キング編、西村亮一共監訳、福村出版、1970年
- 『バートランド・ラッセル小伝――自由なる世界人の教育』 ヘルベルト・ゴットシャルク著、明石書店、1989年
監修[編集]
- 『子どもの人権と保育・教育』 岩堂美智子、吉田洋子編著、保育出版社、2005年
脚注[編集]
- ↑ a b c d e 日外アソシエーツ編『現代日本人名録 1998 4. ひろ~わ』日外アソシエーツ、1998年、694頁、1589頁
- ↑ a b 「鈴木祥蔵さん死去 【大阪】」『朝日新聞』2009年7月31日付朝刊31面(1社会)
- ↑ a b 田中欣和、岡村達雄、玉田勝郎、山本冬彦編『教育の解放を求めて――鈴木祥蔵・竹内良知先生関西大学退職記念論集』明石書店、1990年、384頁
- ↑ 『人権問題研究室室報』第38号(2007年3月発行) 関西大学人権問題研究室
- ↑ 紀田順一郎ほか編『新現代日本執筆者大事典 第3巻(す~は)』日外アソシエーツ、1992年、37頁
- ↑ a b 組織概要 公益財団法人子ども情報研究センター
- ↑ 『知っていますか?「エンゼルプラン」一問一答』編著者紹介
- ↑ 『すべての子どもに人権を――子どもの権利条約の解説』著者紹介
- ↑ 『「保育一元化」への提言――人権保育確立のために』著者略歴
- ↑ 『教育の解放を求めて――鈴木祥蔵・竹内良知先生関西大学退職記念論集』4頁
参考文献[編集]
- 紀田順一郎ほか編 『現代日本執筆者大事典77/82 第3巻(す~は)』 日外アソシエーツ、1984年、33頁
- 佃實夫ほか編 『現代日本執筆者大事典 第3巻 (人名 す~は)』 日外アソシエーツ、1978年、46頁