花粉症

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花粉症(かふんしょう)とは、植物花粉によって起こるアレルギーである。

2003年12月現在までに報告されている花粉症(花粉喘息等も含む)は、一般的なものや職業性の特殊なものを含めて61種類となっている(1998年2月現在で80種類との説もある)。杉花粉による花粉症は日本の風土病と化しており、特にこれだけをスギ花粉症と呼ぶこともある。

起源[編集]

花粉症がいつ頃出現したかについては、花粉が肉眼で見ることができないこともあって明確には判っていない。紀元前500年ごろのヒポクラテスの著書『空気、水、場所について』の第三節にさまざまな風土病が述べられているが、季節と風に関係しており、体質が影響し、転地療養が効果的であるということから、現在でいうアレルギー(季節的アレルギー)の機序を考えてよさそうなもの、すなわち現在でいう花粉症もあるかもしれないとの考えもある。ローマ帝国時代の医師ガレヌス(紀元前130年 - 200年)も花粉症らしい疾患について述べており、紀元前100年ごろの中国の記録にも、春になると鼻水および鼻詰まりがよくあるとのことが示されているという。西暦1000年ごろのアラビアの医師によって、花粉症らしい疾患とその治療法が記録されているともいわれる。

原因に関する諸説[編集]

木材用にするために、山野にを植えすぎた。しかし、杉材の需用が減り、杉の木が伐採されずに大木に成長して放出する花粉が増えた。

環境が悪化したために、杉の木が子孫を残そうと花粉を大量に出すようになった。

対策[編集]

マスクをする、花粉症の薬を飲む、耳鼻科に行くなどの対策が一般的である。

喫煙を避ける、副流煙を避ける(呼気や衣服も)、ディーゼル車や工場排気などの大気汚染をさけることも対策になる[1]。大気汚染と花粉症の関係については、動物実験の結果から、この微粒子が体内に入ると抗体を産生する効果が増強(アジュバント)され、しかも IgE タイプの抗体が優位に産生されるという報告がある。ヒト細胞を使った実験でも、これが支持された。この仮説は 1970年代ごろから花粉症患者が増えた原因を、大気汚染の影響から説明するものとして注目されている。モータリゼーションの進行とともに花粉症患者が増えたこともよく説明する。最近は、遺伝的に炎症を回復させる抗酸化機能が弱い場合に、ディーゼル排ガスなどの影響を強く受けて症状がひどくなるという研究が日本国外でなされた。すなわち、自動車排ガスなどの大気汚染物質が症状を悪化させる要因(回復が遅れる要因)のひとつになり得ることが示唆されている。

タバコも避けたほうがよいといわれるが、もともとヘビースモーカーである患者がそのせいで症状が悪化するということはあまりないと考えられている(少量の喫煙はIgE産生をうながし、多量の喫煙は抑制するともいわれるが確実ではない)。汚染物質は症状を悪化させることもあるといわれており、自身のためだけではなく、他人のためにも避けることが推奨される。たとえば、「親が喫煙者である家庭の子供はアレルギーを発症しやすい」との統計もあり、妊娠中および幼小児のいる家庭では喫煙は避けるべきである。さらに、「花粉症に罹患したことで喫煙を控える傾向があることから、花粉症診断歴の有る群は喫煙率が低い傾向がある」という調査結果があ[2]

極論で言えば、春の季節日本に滞在しないというのも根本的な解決になりうる(特にスギ花粉症に対して)。しかし外国では花粉が飛ばないというのも間違いなのであくまでスギ花粉の対策になるというだけである。ちなみにヨーロッパのうち、大陸では各種の樹木による花粉症も少なくはないが、花粉症発祥(発見)の地であるイギリスではことにイネ科の花粉症が多く、人口の15 - 20%以上が発症しているという。文献的にはスペインにも多い。一般に北欧と呼ばれるスカンジナビア地域ではシラカバなどのカバノキ科の花粉症が多いといわれ、10 - 15%程度という数字がある。最近ではこうしたカバノキ科の花粉症をヨーロッパの花粉症の代表的なものとして述べることもある。地続きであるロシアでは極端に少ない。

花粉症に効く食べ物[編集]

  • ヨーグルトは花粉症に効くと言われており、春はヨーグルトが良く売れるらしい。店の人は「ヨーグルトは花粉症に効く」と言って売りたいけど、薬事法違反になるので言えないのである。
  • 寿司を食べると花粉症の症状が一時的に軽減する。サビヌキでは効果がない。
  • カラムーチョは一時的に結構効く。
  • キムチを食べると症状が一時的に収まる。
  • 激辛料理はなんでも効く。

※「カラムーチョ食べたから平気だもんね」と言って、に行って竹竿で杉の枝をかき回して遊んだら駄目である。

花粉症に効果があるものごと。逆効果があるものごと[編集]

  • ヤクザに絡まれている間は何故か花粉症の症状がピタリと止まる。嘘だと思ったらヤクザに喧嘩売ってください。なお、ヤクザが怖くない人には効果がありません。
  • 睡眠不足のときは花粉症の症状が酷い。

寄生虫と花粉症[編集]

寄生虫感染症との関連にも注目されている。IgEは本来、ぎょう虫回虫などの寄生虫が寄生したときに産生され、これらを排除するために働くものだとされる。1960年代以降の日本では衛生環境の改善によって寄生虫感染症が激減したが、このことによって「攻撃する相手」を失った IgE が、寄生虫の代わりに花粉を攻撃するようになったというものである。寄生虫に感染していると大量の IgE が産生され、それがびっしりと肥満細胞を覆うため、のちに花粉に対する IgE が産生されても肥満細胞に結合することができないという説明もなされる。寄生虫感染の多い東南アジアでアレルギーが少ないことなどが根拠のひとつとされる。また、ニホンザルにおける調査で、花粉症有病率が長年にわたり一定であることもこの説を支持するという。すなわち、寄生虫感染率も長年にわたり一定であるためであるという。

しかし、大きな話題となったこの仮説はその論拠が薄弱であり、ヒトでの疫学調査では相反する結果が得られたり、保存されている過去の血液の抗体検査をしても理論どおりの結果が出ない。寄生虫感染がほとんどなくなった現在でも、アレルギーがなお増加していることは説明がつかない。東南アジアにおいても、アレルギーは増加しているという事実も非支持的である。そのため、現在では市民レベルの噂話にのぼる程度のものになっている。この説を一般向け書籍を出版することによって大きく広めようとしたのは、著者自身の行う寄生虫学をもっとポピュラーにしようとの思惑があったのだと揶揄する人もいる。この説そのものは、社会的に話題になる以前より他の研究者によって提唱されていたものである。

ただし、寄生虫感染はIgE産生を亢進することは確からしく、この理論が完全に否定されたわけでもない。その理由として、あらかじめ寄生虫感染を起こしていると花粉症発症は抑制されるが、花粉症になってから寄生虫感染を起こしても症状は抑制されないという機序を考える場合もある。上記の衛生仮説に含むこともある。

なお、こうした寄生虫のエキスなどを投与して症状を改善しようという試みは、たしかに免疫のバランスが変化するものの、発ガン率が高まるおそれがあるなどの副作用の問題が生じたといい、断念されているようである。詳細は不明である。

その他[編集]

山野にキリもなく杉ばかり植えたため、山の保水力が弱まり水害が起こりやすくなった。極端すぎる行動は後で問題が起こる場合が多いのである。

脚注[編集]