禅宗
禅宗(ぜんしゅう)とは、仏教の一派。内観を重視し、般若系の舎利子(シャーリプットラ。「智慧第一」と云われた)系であり、阿弥陀系の阿難善子(アーナンダ。阿難陀)とはちょっと違って理屈っぽい。とはいえ阿弥陀系にも目配りしている。 大きく分けて曹洞宗、臨済宗、黄檗宗があるとされるが、このあたりにはあまり頓着ぜず、「うちは何宗だったかなぁ?」という住職もいたりする。
概要[編集]
「ただ座ってるだけ」みたいな印象があるが、それだとメンタルを病む(「禅病」という)ので、「作業療法」(「作務」という)も欠かせない。「修行」より「作務」のほうがどちらかというと上位にあり、掃除や炊事や農作業ができないと能無し扱いであり、乞食行(こつじきぎょう)や檀家回りはそこを卒業してからである。
ちなみに少林寺拳法の少林寺は禅宗である。
「不立文字(ふりゅうもんじ)」といいつつ般若経六百巻も学ぶので、経巻の多さは半端ではない。べつに阿弥陀系と仲が悪いわけではなく、お経を聞いていると「あーなんだー」がときどき入ったりする。いちばんコンパクトなお経である般若心経は代表的な経文である。
- 「数息観」(すそくかん)
- 「月輪観」(がちりんかん)
- 「阿字観」(あじかん)
- 「大周点」(だいしゅうてん)
- 「小周点」(しょうしゅうてん)
- 「軟酥鴨卵の法」(なんそおうらんのほう)
など、現代におけるシュルツの自律訓練法のさきがけとなった技法もあった。
創価学会は「真言亡国・律国賊・念佛無限・禅天魔」として、「ただ『お題目』を唱えればいいのだ」と誹謗した。つーても念佛宗は「ただ『お念佛』すればいいのだ」と主張したのでどっちもどっちである。
特徴[編集]
基本的には「チープ・シック」と「機能美」であるゆえに、オサレ感覚には近いのだが、「狙ってハズす」という洒落っけが欠けているために、いまひとつオサレ感に欠ける。まぁ、禅寺で修行している時点で、未熟ではあるのだが。
装束[編集]
いわゆる「作務衣」、すなわち作業着を着ることが多い。べつにジーンズでGジャンでまったく構わないのだが。
袈裟[編集]
別名を「糞拭衣」といい、幼児のオムツの再利用的なものが上とされる。もともと「ボロ切れを縫い合わせたもの」のような意味であり、ベッドカバーとしてのキルトと似た部分がある。
食器[編集]
座布団[編集]
そもそも「正座」というのが近代における創作であるため、座禅のときは座褥 (ざにく) (宗派によって名称は異なる)を用いることもある。「折式(おしき)」という折り畳み式の「正座椅子」などもある。「禅」は形式ではないため、笑止ではある。
椅子[編集]
四本脚の丸椅子が現代人には向いているとされる。椅子に座って「脳天が引っ張りあげられていると思って」「腰椎から脛骨までの脊椎の一個づつを積み上げるように」という指導が行われることもある。四本脚の丸椅子は「四本の足の先端が平面にあれば、九十度の範囲内で回転させるとかならず安定する点がある」ことが知られているため、プロの催眠術師にとっては必須のアイテムでもある。
警策[編集]
眠気覚ましの道具である。夏用と冬用がある。夏は薄着なので檜(杉だと重い)、冬は樫なども用いられる。竹を使った「しっぺい」(「しっぺ返し」の語源)もあるが、硬いために皮膚が傷つくことがあるので、どうせならハリセンで上斜め四十五度くらいの角度でツッコミを入れていただくとありがたい。[1]。
「眠気が覚めないので、一発お願いします」というので合掌して頭を下げるのが正式で、いきなり警策を喰らったりはしない。居眠りをしている者に対しては、「大丈夫か?」という意味で肩を軽く二回ほど叩き、「お願いします」というので叩くことが一般的である。このあたりの機微がわからないのに「禅僧」をな宣る馬鹿もいるので、「佛教が廃れた」という末世思想が勢いづいてテロが起きる。
名僧[編集]
- 道元 - 日本における曹洞宗の開祖。
- 明恵 - 鎌倉時代前期の華厳宗の僧。華厳宗は禅宗ではないが、一部で修行のうちに取り入れられている。
- 隠元 - こちらは「隠元禅士」として著名な黄檗宗の僧。臨済宗黄檗派を名のったこともある。中国は福建省出身で、「隠元豆」日本に齎したことでも風名。
- 白隠禅師 - 臨済宗。
- 愛宮真備(フーゴ・ラサール) - 正確に言うと、得度していないため「優婆塞」であるが、ローマ・カトリック教会の司祭である。廣島県幟町天主公教会(幟町教会)で被爆。のちに「神冥窟」という禅堂をひらいた。「禅を始めて最初に知ったことはなんですか」と新聞記者に尋ねられ、「脚が痛い」と答えたとか。
関連項目[編集]
その他[編集]
参考文献[編集]
- 道元『典座教訓』
- 道元『赴粥飯法』
脚注[編集]
- ↑ この角度がもっとも安全である。網膜剥離を起こしたり鼓膜が破れたりといった危険性が少なく、頭頂部や後頭部よりも脳血管などに与える影響が少ない。