オサレ

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オサレとは、ファッションなどライフスタイル全般における感覚のひとつ。

概要[編集]

概念としてはかなり古くからあったが、適切な表現がなかったため、「お洒落」としか呼べなかった。それが、ネットスラングとして「オサレ」(やや蔑称な意味)として使われたのちに、現在では「よく気づいてくれました」という「照れ隠し」、あるいは「狙ってるな?」という「ツッコミついでの誉め言葉」としての「オサレ」が用いられることも増えてきた。
「キマりすぎ」では掴まりどころがなく、「ツッコミどころ満載」だと「どこにツッコんでいいのかわからない」ので、「わかる人にはわかる」ような会話の糸口になるような感覚である。「愛嬌」「カワイイ」的な要素が味わいである。「遊び心」「余裕」が身についているとオサレに近づいてきているかもしれない。
具体的にはビッシリとキマった礼装ではあまり見られず(あたりまえだ)、仕事着・普段着っぽく、地元っぽいというか土地っ子らしいというか、そういう風情である。

ファッション小物[編集]

「ピンポイントで狙って、あえてハズしてくる」とオサレになる。
こうした「オサレ感覚」を最初に嗅ぎ取ったのは当時の女子高校生あたりで、昭和天皇陛下がミッキーマウスの腕時計を愛用していたことを知って「天ちゃん、カワイイ!」という声があったこともある[1]
理工学系や数学系の人には似合う(地球物理学者の竹内均先生の赤いプラスチックフレームの眼鏡を、タモリがかけてテレビ出演していたのを見た竹内先生が「どこから見つけてきたんでしょうねぇ」と笑っていらっしゃった)が、自衛隊関係者にもそれなりにいらっしゃる。防衛庁のPX で売っている安っすいタイ留めなどがお約束ネタである。
その後「遊び」はないものの「ペザント風(本来は「農民風」だが、「田舎娘風」とも訳された)」「チープ・シック」など、服飾センスのひとつの流れとして「オサレ」の下地となる土壌ができた。ただし、「狙ってハズしてくる」というのは女性ファッションとは相性が悪かったらしく、定着はしなかった。
男性が狙ってハズすのを許容するようになるのは二十一世紀に入ってからかもしれない。もっとも古くは数学者の森毅(京都大学)はジーンズで教壇に立ったり現代音楽家ジョン・ケージとの対談のネタが茸の話だったりと小まめにハズしてくるので手本になった。「さかなクン」は現・上皇陛下から「さかなクンさん」[2]と呼ばれる人物ではあるが、さかなクンは狙ってハズしているわけではないので参考にはなりづらい。
筆記用具などはファッションの小道具にもなるが、分かってくれる人が少ないため使いどころが限られる。ちなみに日大の航空宇宙工学科の記念品といえば「学科名入りの三菱のジェットストリーム」だが、卒業生でも年度の若い人には「どこでハズしているのか」がわからないと聞いた。もちろん三菱鉛筆は零戦を作った三菱重工とはなんの関係もなく、ジェット気流(日本人が発見し、風船爆弾はこれを利用した)とも何の関係もない(「ジェット」は「真っ黒」の意で、「流れるような書き心地」から命名)。昔のひとは「ツッコミを入れる」という風習がなかったので、「まっくろけ節」を鼻歌でうたって釣りにきたりする。
また、「漆芸関係はパイロット万年筆」などもお約束である。なお、理数系女子が「ジェットストリームと赤いフリクション(消せるボールペンペン)の二本差し」でリセエンヌっぽいファッションをしていたら、勝てる気がしない[3]
同業者だと「お約束」は何かしらあると思うので気にしてみよう。

オサレの基本姿勢[編集]

なんにせよ「対話の糸口」である。
「相手が目上の人だから、ツッコんでいいのかどうか迷った」みたいなのは言い訳にはならない。大御所がボケを振ってきたならば、すかさずスッコミを入れるのが若手の仕事であり、「どれだけ打ち返してこられるか」を計られていると思わなければいけない。
かつて皇居にミサイルが撃ちこまれた事件があり、日大航空宇宙の野口さん(助教授)がTVニュースでインタビューされ、キャスターが「(犯人は)おたくの学生さんじゃないでしょうね?」と振られて「うちの学生だったら、当ててます!」と言い放って教授会で話題になったというが、「間違ったことは謂ってませんね」ということで問題にはならなかったという。それより現場の女性リポーターが、前日まで一緒に小笠原の日蝕観測ツアーで乗り合わせていた人だったので、「放送業界って大変なんだな」と思ったのが印象的だった。
大御所のオサレにツッコミを入れて話が十五分以上繋げられればオサレが身についた証拠といえよう。

脚注[編集]

  1. おいおい、かつての「大元帥閣下」だぞ?
  2. いや、天皇陛下から「君」と「様」のダブルで呼ばれるってどういう人よ?
  3. いわゆる「消せるボールペン(パイロットの「フリクション」)」は当初フランスの学生の間で流行して話題となった。ただし、「メモパッド→ノート→ペーパー」という順序が研究ノートという順序があり、メモは公文書と同じく「消せない」油性ボールペンで書くというお約束があり、かつてはBICの速記用の黄色いボールペンが恰好よかった。それに朱(あか)を入れてノートに清書するのがスタイルであった。こうやって「攻めて」くる奴には用心するしかない。ごくまれにだが、取引先の窓口が女性であることもあり、これを女だと思ってナメてかかる馬鹿な営業がいるが、大きな間違いである。

関連項目[編集]