神津朝夫
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神津 朝夫(こうず あさお、1953年[1] - )は、著述家、茶道史研究家。
略歴[編集]
東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。在学中より労農派のマルクス経済学者向坂逸郎に師事した[1]。
早稲田大学大学院修了[2]。大学院博士前期課程修了後[1]、アデナウアー財団奨学金を得て[2]、ドイツ・マンハイム大学経済学部に2年間遊学[1]。
外資系金融機関調査部[1]・大学助教授を経て、著述業に[2]。帝塚山大学大学院人文科学研究科博士後期課程修了[3]。2001年「台子の研究 : その歴史と点前」で博士(学術)(帝塚山大学)[4]。
帝塚山大学非常勤講師[2]、茶書研究会副会長も務めた[5]。
人物[編集]
学部生時代から向坂逸郎の自宅で開かれていた研究会で『資本論』を学ぶ。本人曰く、この研究会の中では珍しく政治運動にはほとんど関わらなかったという。1979年のソ連のアフガニスタン侵略を契機に向坂やその人脈から距離を置くようになり、1990年代からは日本文化史・茶道史の研究を専らとしている[6]。マルクス経済学の論文に「『資本論』体系の成立をめぐって―プラン問題への一視点」(『唯物史観』28号、1986年)などがある[1]。
2007年に大阪で新社会党系の資本論入門講座が開かれたとき、講師に招かれた。そのときの講義をもとにした『資本論』の入門書を角川ソフィア文庫の「知っておきたい」シリーズの一冊として刊行している[6]。松尾匡は自身のホームページの「マル経入門書書評」で神津の著書を紹介し、「読みやすさ」と「正確さ」は4つ星、「網羅性」は2つ星の評価を与えている[7]。
著書[編集]
単著[編集]
- 『千利休の「わび」とはなにか』 角川学芸出版(角川選書)、発売:角川書店、2005年
- 『千利休の「わび」とはなにか』 KADOKAWA(角川ソフィア文庫)、2015年
- 『山上宗二記入門――茶の湯秘伝書と茶人宗二』 角川学芸出版、発売:角川グループパブリッシング、2007年
- 『知っておきたいマルクス「資本論」』 角川学芸出版(角川ソフィア文庫)、発売:角川グループパブリッシング、2009年
- 『茶の湯の歴史』 角川学芸出版(角川選書)、発売:角川グループパブリッシング、2009年
- 『長闇堂記――茶道四祖伝書(抄)』 淡交社(現代語でさらりと読む茶の古典)、2011年
- 『茶の湯と日本文化――飲食・道具・空間・思想から』 淡交社、2012年
- 『奈良大和路茶の湯逍遥』 淡交社(奈良を愉しむ)、2015年
共著[編集]
- 『茶の湯を学ぶ――もてなしの芸術の歴史と美』 京都造形芸術大学編、千宗之、筒井紘一共著、角川書店(美と創作シリーズ)、1999年
訳書[編集]
- 『ルイス・キャロルの論理ゲーム』 ルイス・キャロル著、風信社、発売:泰流社、1978年
- 『南太平洋の美術』 ブライアン・ブレイク、ジェイムズ・マックニーシュ、ディビッド・シモンズ編著、阿達周策共訳、泰流社、1985年
脚注[編集]
- ↑ a b c d e f 『知っておきたいマルクス「資本論」』著者紹介
- ↑ a b c d 千利休の「わび」とはなにか 紀伊國屋書店
- ↑ 山上宗二記入門―茶の湯秘伝書と茶人宗二 紀伊國屋書店
- ↑ CiNii 博士論文
- ↑ 神津朝夫先生 ‐ 《益田屋文化講座》お茶事「構成と歴史」 益田屋
- ↑ a b 『知っておきたいマルクス「資本論」』219-220頁
- ↑ マル経入門書書評(おまけ動画つき) 松尾匡のページ、2010年10月10日