矢加部勝美

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矢加部 勝美(やかべ かつみ、1918年3月11日[1] - 2010年12月16日)は、労働評論家。日本労働ペンクラブ名誉代表[2]

経歴・人物[編集]

福岡県出身[2]関西学院大学社会学科卒[3]。1938年毎日新聞記者[4]。労農記者等を担当し、1950年レッドパージ[3]。1951年労働評論家[4]。その後、東海大学助教授[5]、同教授(労働問題、労使関係)[3]日本工業新聞論説委員などを兼任[4]

1981年1月に清水一樋口弘其江本嘉幸芦村庸介内海一栄らとともに日本労働ペンクラブを結成し、初代代表に就任(2002年まで)[6]。1988年9月に財団法人中部産業・労働政策研究会(中部産政研)が発足すると顧問に就任[7]

1993年時点で日本労働ペンクラブ代表、日本労働研究所長、日本ILO協会理事、中部産政研顧問[4]。1998年時点でアジア社会問題研究所参与[8]。2002年時点で財団法人連合総合生活開発研究所(連合総研)監事[9]

2010年12月16日、心不全のため千葉市の病院で死去、92歳[2]。2011年5月14日、日本記者クラブで「矢加部勝美さんを偲ぶ会」が開かれ、旧労働省連合経団連の関係者など約70人が参加した[10]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『労組法第十一条違反の実態』(日本労農通信社、1948年)
  • 『労働戦線異状あり――戦後労働攻勢の断面』(三一書房、1949年)
  • 『ストライキ――日本を変えつつあるもの』(理論社、1955年)
  • 『労働運動論――労働者はここまで進んでいる』(理論社[理論社新書]、1958年)
  • 『労働者の歴史――われらの親子三代記(上・下)』(理論社、1961年)
  • 『労働組合と産業政策――論争点および運動目標』(日本労働協会、1967年)
  • 『新しい労働運動の潮流――組合は若者に応えうるか』(毎日新聞社[エコノミスト新書]、1972年)
  • Labor relations in Japan : fundamental characteristics / compiled and edited by Katsumi Yakabe, Tokyo: International Society for Educational Information, 1974
  • 『新「連合」と労組の改革』(日本生産性本部、1989年)
  • 『戦後労働50年史』(労務行政研究所、1995年)

共著[編集]

  • 『最近の労働運動の展望』(矢加部勝美、福良俊之[談]、総合政策研究会[総研シリーズ]、1968年)
  • 『春季賃金闘争と労使関係――分析および展望』(清水一共著、公報資料センター、1975年)
  • 『定昇問題と賃金決定』(金子美雄、矢加部勝美他共著、日本生産性本部、1983年)

編著[編集]

  • 『組合活動読本――労働組合の組織づくりから日常活動と争議の指導まで』(編、自由国民社、1956年)
  • 『給料袋――生活に強くなるための戦術論』(編、読売新聞社[サラリーマン・ブックス]、1963年)
  • 『全民労協の研究』(編著、日本生産性本部、1985年)
  • 『経営リーダーの昭和労務史』(編著、日本経営者団体連盟広報部、1990年)
  • 『パート労働Q&A――法律・実務・展望』(編、生産性出版、1997年)
  • 『パート労働Q&A――法律・実務・展望』(編、社会経済生産性本部生産性労働情報センター、1997年)

監修[編集]

  • 『21世紀・美しい国土の創造――急がれる社会資本整備の充実』(月刊「労働レーダー」、労働問題研究会議編集局編、同盟出版サービス、2004年)

その他[編集]

労農記者懇話会『労働運動見たまま』(第1集、時事通信社、1947年)は、矢加部勝美、村上寛治ら労働記者の集団著作[11]

出典[編集]

  1. 朝日新聞社『朝日年鑑 1994年版 別巻』朝日新聞社、1994年
  2. a b c 矢加部勝美氏死去/日本労働ペンクラブ名誉代表 四国新聞社(2010年12月21日)
  3. a b c 「表現の自由」研究会編著『現代マスコミ人物事典』二十一世紀書院、1989年、466頁
  4. a b c d 『産政研』No.17”. 財団法人中部産業・労働政策研究会 (1993年). 2019年12月7日確認。
  5. 季刊労働法51号(1964/春季)季刊労働法55号(1965/春季) 労働開発研究会
  6. 沿革 日本労働ペンクラブ
  7. (財)中部産政研とは―(財)中部産政研を理解するためにPDF」『産政研フォーラム』Vol.0、1988年
  8. 『労働調査』1998年6月号 労調協
  9. 『DIO』No.166”. 連合総研 (2002年11月). 2019年12月7日確認。
  10. 『日本記者クラブ会報』第496号”. 公益社団法人日本記者クラブ (2011年6月10日). 2019年12月7日確認。
  11. 二村一夫「戦後社会の起点における労働組合運動」、『二村一夫著作集』