百済観音
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百済観音(くだらかんのん)は、奈良県・法隆寺にある飛鳥時代の木造(一部乾漆造)仏像である。1951年(昭和26年)6月9日に国宝に指定された。明治時代までは虚空蔵菩薩と呼ばれていた。現在は法隆寺大宝蔵院の百済観音堂に安置されている。
経緯[編集]
飛鳥時代、7世紀前半から中頃に作られたと考えられている。クスノキ材を用いた一木造りであり、同時代の朝鮮半島及び中国には木造の仏像はないため、日本で製作されたと考えられている[1]。左手に持つ水瓶は別材でヒノキ材を使用している。
747年(天平19年)の法隆寺資財帳に記載がないため、いつから法隆寺にあったかは、明らかではない。初出史料としては、1698年(元禄11年)、『法隆寺諸堂仏躰数量記』に「虚空蔵立像 長七尺五分」との記載があり、次に江戸時代『古今一陽集』(1746年)に現れるため、それ以前の所在は不明である。
和辻哲郎『古寺巡礼』[2]、亀井勝一郎『大和古寺風物誌』[3]に紹介されて有名になった。
1997年9月9日から10月13日まで、フランスのルーブル美術館で法隆寺の百済観音像が展示された。国宝・百済観音が国外で展示されるのは始めてであった。橋本龍太郎内閣総理大臣とフランスのシラク大統領の日仏首脳会談で日仏国宝級美術品交換展の開催が決まった。フランスでは“日本のヴィーナス”と絶賛されたと伝えられる。
- 名称:木造観世音菩薩立像(百済観音)
- 像高:210.9cm。
- 構造材質:クスノキ材
- 文化財指定:国宝 1951年(昭和26年)6月9日
- 安置場所:法隆寺・大宝蔵院(観音堂)
- 指定番号:21
- 複製:観音菩薩立像(百済観音)模像(作者:新納忠之介・鷲塚与三松)