琴奨菊和弘
琴奨菊 和弘(ことしょうぎく かずひろ、1984年1月30日 - )は、福岡県柳川市出身の元大相撲力士。現・年寄秀ノ山。血液型はO型。
プロフィール[編集]
人物[編集]
中学から親元を離れ、高知県の明徳義塾中学・高等学校に入学。中学時は中学横綱になっている。県内で高知県立宿毛高等学校の梶原大樹(のちの豊ノ島)と切磋琢磨。宮城国体少年の部で森下祐哉(のちの土佐豊)を含め5人の「チーム高知」を結成して優勝した。
高校卒業後は佐渡ヶ嶽部屋に入門、「琴菊次一弘」として2002年1月場所に初土俵を踏む。序ノ口、序二段は同期入門の時津風部屋の梶原に各段優勝をさらわれたが、順調に出世していき11月場所には幕下に、2004年7月場所には十両に昇進する。2004年には現在の四股名「琴奨菊」に改めている。2005年1月場所には新入幕を果たすが、翌場所には十両に陥落する。しかしその場所に十両優勝を果たし、幕内に復帰する。それ以来、2020年9月場所まで、幕内の地位を守り続けた。
その後は2011年までに技能賞を4回、殊勲賞を3回受賞し活躍する。2011年11月場所には大関に昇進する。その後は角番を何度か経験するが、すべて脱出している。2016年1月場所には福岡県出身力士として3人目、日本出身力士としては10年ぶりの幕内最高優勝を果たす。
しかし2017年3月場所に角番を脱出できずに大関を陥落。ズルズル番付を下げ、1場所小結に帰り咲いたが、概ね平幕を上下していた。幕内在位は91場所におよび歴代4位である。
十両に陥落した2020年(令和2年)十一月場所を最後に現役引退。
引退後、年寄秀ノ山を襲名。引退直後は佐渡ヶ嶽部屋の部屋付親方となっていた。引退相撲は新型コロナ禍で順延し、2022年(令和4年)10月にようやく実施された。
引退時から、約1世紀ぶりに秀ノ山部屋を興す構想を持っており、2024年(令和6年)10月に秀ノ山部屋独立が協会から承認された。同年九州場所から始動だが、部屋宿舎は自身の故郷の柳川に設けられる。
成績[編集]
- 幕内最高優勝:1回(2016年1月場所)
- 十両優勝:1回(2005年3月場所)
年数 | 一月場所 | 三月場所 | 五月場所 | 七月場所 | 九月場所 | 十一月場所 |
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2002年 | 前相撲 0勝0敗 |
東序ノ口 #32 6勝1敗 |
東序二段 #61 7勝0敗 |
西三段目 #59 5勝2敗 |
西三段目 #29 6勝1敗 |
東幕下 #46 6勝1敗 |
2003年 | 東幕下 #20 3勝4敗 |
東幕下 #30 4勝3敗 |
西幕下 #24 4勝3敗 |
東幕下 #19 5勝2敗 |
西幕下 #10 3勝4敗 |
西幕下 #17 3勝4敗 |
2004年 | 東幕下 #22 6勝1敗 |
西幕下 #6 4勝3敗 |
西幕下 #5 5勝2敗 |
東十両 #13 10勝5敗 |
西十両 #5 9勝6敗 |
西十両 #3 10勝5敗 |
2005年 | 東前頭 #16 5勝10敗 |
東十両 #4 13勝2敗 優勝 |
東前頭 #14 10勝5敗 |
東前頭 #9 8勝7敗 |
東前頭 #6 7勝8敗 |
東前頭 #7 6勝9敗 |
2006年 | 西前頭 #10 8勝7敗 |
東前頭 #8 9勝6敗 |
東前頭 #3 9勝6敗 |
東前頭 #1 3勝12敗 |
西前頭 #7 10勝5敗 |
東前頭 #2 10勝5敗 技能賞 |
2007年 | 東前頭 #1 9勝6敗 |
西関脇 7勝8敗 |
西小結 7勝8敗 |
東前頭 #1 5勝10敗 |
西前頭 #3 10勝5敗 |
西小結 9勝6敗 技能賞 |
2008年 | 東小結 9勝4敗2休 |
西関脇 8勝7敗 殊勲賞 |
西関脇 8勝7敗 |
西関脇 6勝9敗 |
東前頭 #1 6勝9敗 |
東前頭 #3 9勝6敗 |
2009年 | 東前頭 #1 6勝9敗 |
東前頭 #2 6勝9敗 |
東前頭 #6 10勝5敗 |
西小結 8勝7敗 |
西関脇 6勝9敗 |
東前頭 #2 10勝5敗 |
2010年 | 東小結 6勝9敗 |
西前頭 #3 10勝5敗 |
東小結 9勝6敗 |
西関脇 5勝10敗 |
東前頭 #3 9勝6敗 |
西前頭 #1 9勝6敗 |
2011年 | 西関脇 11勝4敗 技能賞 |
八百長問題 により中止 |
東関脇 10勝5敗 |
東関脇 11勝4敗 殊勲賞 |
東関脇 12勝3敗 殊勲賞 技能賞 |
西大関 #2 11勝4敗 |
2012年 | 西大関 #1 8勝7敗 |
西大関 #3 9勝6敗 |
西大関 #2 10勝5敗 |
西大関 #1 10勝5敗 |
東大関 #2 2勝2敗11休 |
東大関 #2 8勝7敗 |
2013年 | 西大関 #2 8勝7敗 |
西大関 #2 8勝7敗 |
東大関 #2 11勝4敗 |
西大関 #1 9勝6敗 |
東大関 #2 10勝5敗 |
西大関 #1 1勝2敗12休 |
2014年 | 東大関 #2 9勝6敗 |
西大関 #1 8勝7敗 |
西大関 #1 5勝10敗 |
西大関 #1 12勝3敗 |
東大関 #1 9勝6敗 |
東大関 #1 6勝9敗 |
2015年 | 西大関 #1 9勝6敗 |
西大関 #1 8勝7敗 |
西大関 #1 6勝9敗 |
東大関 #2 8勝7敗 |
西大関 #2 11勝4敗 |
東大関 #2 8勝6敗1休 |
2016年 | 東大関 #2 14勝1敗 優勝 |
東大関 #1 8勝7敗 |
東大関 #2 10勝5敗 |
西大関 #1 1勝6敗8休 |
西大関 #2 9勝6敗 |
東大関 #2 5勝10敗 |
2017年 | 西大関 #2 5勝10敗 |
東関脇 #2 9勝6敗 |
東関脇 #2 7勝8敗 |
西小結 7勝8敗 |
西前頭 #1 10勝5敗 |
東小結 6勝9敗 |
2018年 | 西前頭 #2 7勝8敗 |
東前頭 #3 6勝9敗 |
東前頭 #5 8勝7敗 |
西前頭 #1 3勝8敗4休 |
西前頭 #7 7勝8敗 |
西前頭 #9 10勝5敗 |
2019年 | 西前頭 #4 6勝9敗 |
西前頭 #8 11勝4敗 |
西前頭 #1 6勝9敗 |
東前頭 #5 7勝8敗 |
東前頭 #7 6勝9敗 |
東前頭 #9 6勝9敗 |
2020年 | 東前頭 #13 7勝8敗 |
東前頭 #13 7勝8敗 |
同時代の主な好敵手[編集]
幕内対戦回数の上位3カードを対琴奨菊戦が占めている。
- 横綱 稀勢の里(34勝29敗、不戦勝2.不戦敗1、幕内最多対戦回数)
- 横綱 白鵬(6勝56敗、不戦勝1、幕内対戦回数2位)
- 横綱 日馬富士(33勝29敗、幕内対戦回数3位)
- 横綱 鶴竜(21勝30敗、不戦勝1、幕内対戦回数9位タイ)
- 大関 魁皇(12勝16敗)
- 大関 豪栄道(21勝30敗)
- 大関 髙安(12勝16敗)
- 関脇 安美錦(30勝16敗)
- 関脇 豊ノ島(26勝12敗、不戦勝1.不戦敗1)