エレベーター力士

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エレベーター力士とは、大相撲力士のうち、番付下位で勝ち越すも、番付上位で負け越し、文字通り、番付がエレベーターのように上下する力士である。

概要[編集]

昔は長期間万全を保ったベテラン力士の晩年の平幕十両の番付昇降に使われることが多かったが、昨今はアマチュア相撲の活躍から期待された力士で、いわゆる「サラリーマン力士」化した力士に主に使われる傾向がある。
負け越しても番付が落ちない横綱、一場所の負け越しでも角番で地位が維持できる大関と異なり、関脇以下の力士は負け越すと番付が落ちる。しかし、幕内力士の給与は平幕は枚数格差無く平等で、横綱から幕尻までたいして給料が変わらず、無理に努力して出世しなくても月二百万円代の給料が保障される。また、十両に陥落しても給与は支給され、幕下に陥落しない限り無給になることはない。
引退後は、三役経験もしくは平幕通算在籍数が一定以上あれば親方になれるし、理事長就任が横綱、大関であることが暗黙の了解となっているが、無理に理事長になる必要もなく、50代まで健康を保って、一般企業の取締役執行役員に値する理事や役員待遇委員になれば御の字である。

評価[編集]

多くの好角家はエレベーター力士をもっと努力しろといった目で見ているが、人間のできることに限界があったり、アマチュア時代が最盛期の場合[注 1]もあって、上位の壁に阻まれるのもやむを得ない。
例えば、大日本帝国陸軍大日本帝国海軍将校大将に昇進できたのは少数であり、そこに至るには厳しい競争試験がある。ほとんどの大日本帝国陸軍大日本帝国海軍の将校は大佐にも昇進できずに退役していった。現在の大学受験生も旧帝大に入学できるのは少数であり、その中で高級官僚や大企業の幹部になれるのは少数であることから、今のエレベーター力士を冷ややかな目で見るのは酷であろう。むしろ、十両に上がれれば一人前、三役に昇進できれば大成功である。

特に、幕内でも上位3枚目以内ぐらいであれば、横綱・大関を含む上位総あたりとなり、勝ち越すのが急に難しくなる。これもエレベーター力士が生まれる要因となっている。

関連項目[編集]

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  1. 特に久島海については、中卒入門が最適だったと考える好角家もいる一方、大学時代の監督の田中英壽は「相撲が相手に覚えられると実力を発揮できない」久島海の弱点を把握していた。