牧場物語 オリーブタウンと希望の大地
牧場物語 オリーブタウンと希望の大地(ぼくじょうものがたり おりーぶたうんときぼうのだいち)とは、2021年2月25日にマーベラスから発売されたゲームソフトである。牧場物語シリーズの完全新作であり、Nintendo Switchにおいては初のシリーズ新作であった[注 1]。後にSteamやPlaystation4でも販売を開始している。
概要[編集]
従来の牧場物語シリーズと同様に牧場経営を主軸に置いたゲームであり、主人公は祖父が開拓したオリーブタウンに移住し、荒れ果てた牧場の再生や開拓を目指していくという要素は従来の牧場物語同様である。主人公のキャラメイクは男女ともに自由にできるほか、結婚相手も異性、同性どちらも選択することができる。
問題点[編集]
シリーズ25周年を記念する本作であるが、ふたを開ければ不評点が続出する内容であった。特にシリーズファンからの批判は大きく、発売翌月にはプロデューサーが声明を発表する事態に[1]。また、通常会話テキストの修正についてシナリオライターを新たに起用するなど[2]異例の対応を発表。発売から半年で4回のアップデートが行われ、ある程度の問題点は改善されたものの動作のカクつき改善や前作に合った便利機能などの追加はされておらず、詰めの甘い結果となっている。なお、同時期に発売したルーンファクトリー5もシリーズファンから不評であり、株主総会で指摘される始末となっている。
ここで問題とされたものを一部紹介する
コミュニケーション[編集]
牧場物語の魅力の一つが住民とのコミュニケーションであるとされているものの、本作においては無駄に主人公を下げるようなイベントがあったり、そもそも主人公の扱いが悪いようなイベントも多い。また、人道的に品性を疑うような内容のイベントもあり、牧場物語の世界観にそぐわないという意見が多かったものである。また、住民と結婚することも可能であるものの、本作では結婚を「なかったこと」にしてしまうことができる。DLCで結婚相手が増える都合上やむを得ない処置であるとはいえ、従来作品とのシステムの違いから多くの拒否反応がみられる結果となった。
アイテム[編集]
本作においてはアイテム関連の煩雑さが目立っており、素材から中間素材への加工に「メーカー」と呼ばれるマシンを使用しなければならず、その処理に莫大な時間がかかるというものがある。そのうえ、メーカーの種類も謎に多く、塩や砂糖の調味料メーカーと醤油や酢を作る「液体調味料メーカー」が別という意味不明な水増しもされている。必然的に牧場のスペースを占有することとなり、皮肉的に「工場物語」と呼ばれることもある。なお、発売当初は各メーカーに材料を一つしか入れることができず、完成するたびに材料を投入するという苦行のような有様であった。アップデートにより10個まで材料を入れることが可能となったため、現環境は多少マシになっている。
メーカーが多数存在しており、素材や中間素材があふれることは目に見えているがそのアイテムを収納する機能に乏しいことも指摘されている。そのため牧場内の一角が収納箱で埋め尽くされることも日常茶飯事である。
システム面[編集]
Switch版においては処理落ちと思われるカクつきが頻繁に発生する。牧場内で稼働するアイテムや大量の動物の放牧、雑草や野菜などが多いと発生しやすいが、ゲームプレイ上必然的な環境であってもカクつきが発生するためテストプレイや最適化がなされていないのではないかと言われている。また、発売当初は牧場と町の移動に関するロードも異常に長く、即座に改善点として挙げられたものである。改善後はロードタイム自体はあるものの、通常レベルのものである。
その他[編集]
販売当初に盛大にコケてしまったためマイナスの印象が強いものの、ゲーム自体としては普通にプレイできるものである。また、シリーズを知らない人からすれば普通に遊べるゲームという印象もある。改善点も多く、性別に左右されないゲーム展開[注 2]など、評価できるポイントも確かにあるものである。2023年にはシリーズ新作が製作中であることが発表されていることから、本作での問題点が改善された名作ゲーとなることを祈るばかりである。
関連項目[編集]
注釈[編集]
脚注[編集]
- ↑ https://news-bokumono.marv.jp/article/10997 『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』プロデューサーレター
- ↑ https://news-bokumono.marv.jp/article/11325 『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』プロデューサーレター 第三回